<狩野雄太(プロデュース)コメント>
『Dr.アシュラ』の原作を読んだときに、過酷な現場でひたむきに命を救い続けていく主人公の振舞いに強烈に惹(ひ)かれました。
今回、映像化させていただくにあたり、実際に救命を見学させていただいたのですが、頻繁に患者さんが運び込まれてきていて、何か間違えてしまえば、亡くなってしまったり、予後に影響が残ってしまったりする。だから、絶対に失敗はできない。救命の先生は究極のプレッシャーにさらされているなかで、命を救っていると感じました。
また、患者さんが運び込まれてくるまで、どんな症状かはよくわからない。そして、救命処置が済んだら院内のほかの科に患者さんは移ることになるので、救命医は直接感謝されることは(ほぼ)なく、ほかの科の専門医からは軽んじられたり、厄介者扱いされたりもする。そして多くの救命は赤字…。
そんな問題山積の状況下でも「ただ、命を救いたい」という純粋な気持ちで奮闘している姿はとても尊く、頭が下がりました。
また、この物語はドクターヘリや手術ができるトラックは出てこないですし、夜間でも山の中でもない、何なら医療機器も人材も充分に揃(そろ)っていない2次救急の現場が舞台です。
ストレートな設定である分、患者と医師たちの人間ドラマを濃厚に描いていけたらと思っております。
今回、卓越したスキルと熱い志を持つ杏野朱羅を、どなたに演じていただきたいかと考えたときに、真っ先に「松本若菜さんに演じてほしい!松本さんが演じる、信念があって強い救命医を見てみたい」と思い、ご出演をお願いしました。ご承諾いただき、スタッフ一同とてもうれしく、ワクワクしています!
阿修羅のように作品ごとにさまざまな顔を見せてくださる俳優さんなので、今回もまた新しい顏を披露していただけると思います。
そして、原作者のこしのりょう先生がとてもやさしく、さまざまな相談にのってくださり、深く感謝しております。
脚本の市東さやかさん、松山博昭監督をはじめスタッフ一同で、見応えがある熱い救命ドラマをお届けできればと思っております。ぜひ、ご期待ください。