今年2024年12月9日に、ぼうこうがんのため77歳で旅立った、キャスターの小倉智昭さん。
どんな話題にも、忖度なしの「小倉節」を炸裂。
ニュースの現場は“自分の目”で見て、“自分の言葉”で伝え続けたその人生の中で、特にこだわり続けていたのが、東日本大震災の被害と復興の状況を伝えることでした。
宮城県の南三陸町には何度も足を運び、2014年に防災対策庁舎を訪れた際にはこんなコメントも…。
小倉智昭さん:
ただ津波がここまで押し寄せてきたんだよっていう話をする人にとっては、この建物を残した方がいいのかも分からないし…難しいですね。
小倉智昭さん:
対策庁舎の周りは10mの土地のかさ上げをやって、震災記念公園を作り、そのほかの空いている土地は自然回帰させようと。ようは木を植えたりして自然に戻してやろうと。
この取材から10年。
南三陸町の防災対策庁舎は、小倉さんが伝えていた通り、かさ上げされ、震災被害を語り継ぐ祈りの場として生まれ変わっています。
カメラを通じて“託された思い”
年の瀬に訪れた急な別れ…。まだ悲しみも十分に癒えない中、そんな小倉さんの“思い”を受け継ぎ、“被災地の今”を発信し続けている人がいます。
写真家の佐藤信一さん。
震災直後から、町の様子をカメラで撮影。被害と復興の様子を伝え続けています。
佐藤さんが、小倉さんと直接会ったのは、10年前の2014年のこと…。
写真家 佐藤信一さん:
「実はこれ、俺のカメラなんだけど、もし使ってもらえるんだったら使って」って言われて、このカメラを。
小倉さんからプレゼントされたのは、「一眼レフのカメラ」でした。そこには、小倉さんの“ある思い”が込められていると、佐藤さんは感じています。
写真家 佐藤信一さん:
伝えるっていう気持ちは同じだと思うので、それをカメラを通して、私に託していただいたのかなと思って。
カメラを通じて託された“小倉さんの思い”。
その後も、佐藤さんが 町の変化が分かるパネルを作って小倉さんに送るなど、2人の交流は続きました。
佐藤さんは、現在も、カメラで町の変化を撮り、未来への記録として残しています。
写真家 佐藤信一さん:
「まだまだ撮り続けなさいよ」って言われているような気がしてね。
小倉さんと一緒に撮っているような感じがしますかね。
(『めざまし8』 2024年12月25日放送より)
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