森田剛＆間宮祥太朗が舞台に立つ理由「恐怖や緊張が感じられる」「毎日同じことをやっているのに絶対同じにならない」

──さまざまなエンターテインメント作品に関わるお2人が、作品と対峙する際に意識していること、モチベーションになっていることは何ですか？

森田：例えば「この役を森田剛に」となったときに、その想像を超えていきたいというのが、やりがいを感じるところかもしれないです。

間宮：僕は、脚本から感じるメッセージをどう具現化、自分の肉体や精神を通してお客さんに渡していくかということは意識しています。

──お2人が舞台を活動の一つとして選ぶ理由を聞かせてください。

森田：鮮度ですね。生きていると慣れてしまったり、なあなあになってしまうことがありますが、舞台は当たり前のことが当たり前じゃないと知ることができるというか。緊張や恐怖を感じられることが楽しいと思ってやっています。

──舞台は、稽古から毎日同じセリフ、同じシーンを繰り返し演じますが、それは慣れにはならないんですね。

森田：肉体的な慣れと精神的な慣れは違うような気がしています。僕は普段、何も考えずに生活をしているので、舞台のときくらいは刺激を受けたいし、緊張したいんですよね。

──間宮さんはいかがですか？

間宮：長い期間、同じシーンを何度も反復して、本番も毎日反復して、そのなかで発見があって、同じことをやっているのに絶対に同じにならない面白さを感じるからです。

あとは、ドラマはテレビをつけるとやっていますが、舞台はお客さんが払う対価が違います。それだけに、観に来てくださる方々も僕たちの芝居と対峙する気概みたいなものを持ってきてくださっていると思うんです。

その視線の圧みたいなものは舞台上でも感じるし、だからこそ舞台という限られた空間のなかでどういう時間を過ごすか、つくるか、みたいなことが刺激的だなと思っています。

──森田さんも、舞台上で視線の圧のようなものは感じますか？

森田：感じますね。すごいですよね。

間宮：すごいです。

森田：押しつぶされそうになるぐらいの圧。でも、「お客さんと一緒に舞台をつくる」というのはそういう意味なのかなと思うし、その視線や空気をコントロールする楽しさも僕たちにはあるんですよね。

間宮：分かります。

森田：あと、間宮くんが（観客が）すごい熱量で来てくれると話していましたが、その分ちゃんと掴んでいないとそっぽを向かれてしまう可能性もあって。

間宮：掴もうとしても指の間からこぼれ落ちていくようなときもあるし、誰かが発したセリフで集中力が2段階くらい上がるのを感じるときもあるし。その日、その時々によって感じるものは全然違いますよね。

──最後に、「“好き”でつながる」というめざましmediaのキャッチコピーにかけて、舞台、映像に関わらず現場の“好き”を教えてください。

森田：現場での“好き”はないですね、すぐ帰りたい。どちらかと言えば現場はつらいですから（笑）。

間宮：ははは（笑）。

──それでも仕事をし続けている理由は？

森田：稽古が始まって、セリフを発すると、役への理解が深まっていく感覚があって。「この役はこういう人なんだ」「こう思うのか」とか、動き出す感じ。そうなってくると楽しいんです。…あ、その稽古場で深めていく時間が“好き”なのかもしれないですね。

──間宮さんの現場での“好き”はいかがですか？

間宮：この仕事って、ロケで行かなかったら、行くことがなかったかもしれない土地に足を運ぶことが多くて。仕事の合間に、地元で愛されているご飯屋さんに行ったり、時間があったら温泉に入ってみたり、そういう時間が持てると、いいなと思いますね。

あと、新幹線に乗っていて、車窓から見える街並みが好きだなと思うことがあるんですけど、行くことはないんだろうなと思うと…ノスタルジックな気持ちになることもあります。仕事の合間に感じるそういう時間は好きですね。

森田：新幹線って、特に思うよね。サーッと通り過ぎちゃうんだけど、「あっ…」って。

間宮：あれ何なんですかね。今回も地方公演があるので、そのノスタルジーを感じられるかもしれないですし、楽しみです。

撮影：河井彩美

【森田剛】
ヘアメイク：TAKAI
スタイリスト：松川総

【間宮祥太朗】
ヘアメイク：三宅茜
スタイリスト：津野真吾（impiger）
衣装協力：ジャケット 262,900円、パンツ 141,900円、シューズ 参考商品（全てエトロ／エトロジャパン）、そのほかスタイリスト私物