ラウール 喜怒哀楽が前面に出る主人公は「振り切れてすごく楽しかった」
──それぞれの役をつくり上げていくうえで意識していたことはありますか?
ラウール:僕が演じた威吹荒邦は分かりやすく喜怒哀楽が表に出るキャラクターでしたし、基本的には0か100で表現することは意識していました。
僕自身は、感情が常にすーって(一定の)感じだから、荒邦を演じながら振り切れたことがすごく楽しかったです。
奥平:僕は感情のバランスを意識しました。
実は出演のお話をいただいたタイミングでは原作を存じ上げなくて、本作の台本を読んだあとに読ませていただいたんです。染島澄彦は原作にも出てくるキャラクターなので、沿ったものにしたいなと思っていたのですが、ちょっと明るいキャラクターなんですよね。
原作は連載中だけど、映画は物語を終わらせなければいけないというなかで、3年4組のクラス全体としても、澄彦としても後半に向けて徐々に荒邦を認めて受け入れていく様子を描いていかないといけなくて。
そうすると、最初から原作のように明るいキャラクターにしていると、後半の荒邦を認めて心を開く瞬間が弱く見えちゃうかな、と。だから、原作よりも冷静で、冷たい感じも強くしているのですが、周りに明るいキャラが多いので浮かないようにバランスは監督と都度相談していました。
──ラウールさんは、出演発表時に「アクションは課題も多かった」とコメントしていました。実際に撮影をして、完成した映画を見た感想を聞かせてください。
ラウール:アクションは最初から自信を持てる分野ではなくて。ただ、自分は迫力担当というか、感情で戦いに挑んでいく姿が印象的に映るといいなと思っていました。
実際に完成した映像を見たら…もう本当に編集が上手で(笑)。
奥平:本当だよね(笑)。
ラウール:アクションシーンの映像はアフレコをするときに初めて見たんですけど、想像以上の仕上がりになっていたので「はぁ、よかった」とホッとしましたし、映画ってすごいな、と思いました。
──アクションで大変だったことはなんですか?
ラウール:僕は戦う相手が何人かいて、それぞれ性別も体格も異なりますし、荒邦は自分から仕掛けるよりも受けるアクションが多いんです。相手は人によって型が違って、そこに合わせにいくのが難しかったです。瞬発力と頭を使うなと感じました。
──完成披露試写会『赤羽骨子FES.』で土屋太鳳さんが「ラウールさんの受けがとてもよかった」と話していましたね。練習はどのくらいしましたか?
ラウール:どれくらいだろう。でも、本番の撮影よりも練習量は遥かに多かったです。意外と動きを覚えるのが大変でしたね。
しかも、撮影中に「ここはもう少しこうしたほうが…」と、あとから動きが追加されて、直前に覚えた部分もあって。本当に頭フル回転って感じでした。
──普段ダンスをしていますが、アクションの組手と共通点はありましたか?
ラウール:僕、ダンスの振り覚えが結構早いほうなんです。だから、アクションもすぐ覚えられるかなって自信があったんですけど…全然入ってこなかった(笑)。
奥平:へぇ!そうだったんだ?
ラウール:世界違うな、と。あと、アクションは人とやるものなので、相手の手も覚えなきゃいけないから。覚えるの遅かったなぁ。
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