ゴールデンウィークの思い出作りに、都内のホテルでちょっとした掘り出し物を見つけてみませんか?東京・芝公園の東京プリンスホテルで開催中の「2024ザ・美術骨董ショー」をのぞいてきました。
今年で39回目を数えるこのイベントに出展しているブースの数は、国内外から実に206にも上ります。絵画、掛け軸、家具、ガラス工芸品、絨毯とあらゆるジャンルの骨董品が30万点以上展示即売されています。
どんなものがあるのか参考にしていただけるように、いくつかのお店をご紹介しましょう。
まずは仏教美術と時代漆器をそろえている「小西大閑堂」。
お店の方によると、海外の骨董は市中で“掘り出される”ものが多い一方で、日本では人の手から人の手に伝えられるものが多いのが特徴で、こちらで扱っている品物のほとんどが個人コレクターが所蔵していたものだといいます。美しさが際立っていたのが「桜蒔絵硯箱」(180万円)です。
ガラスのショーケースに入っていた小さな唐時代の青銅鍍金(ときん)でできた「七連仏」(100万円)は実に繊細な作品です。
イベントのタイトルは骨董ショーですが、現代アートも出品されています。「とみや」には売り出し中のアーティストの作品が並べられていました。
パッと目に入ってきたのがウサギをモチーフにしたかわいい陶器の像2体。愛知県瀬戸市の陶芸作家・加藤輝雄さんの作品です。お店の人によると「面白い、格好いいをテーマにマグカップを作っていたのですが、耳で認識しやすいからと兎をモチーフにした作品を作り始めた」のだそうです。「コー兎」(10万5600円)と「重力兎鉄仮面ver」(9万9000円)というユニークな名前がついています。
同じ加藤さんの作品で、取っ手と口がピストルになっている「Gun片口」(1万6500円)も。
見た目は火縄銃で、実は立てると花入れになる、という実用的な面も兼ね備えているのは、京都在住の陶芸家・柴田恭久さんの作品(19万8000円)です。
「古美術あさひ」の店頭に置かれている明治時代に作られた鼈甲(べっこう)細工の鳩(275万円)は、素晴らしく生き生きとした表情をしていました。
こちらには印籠も数多く取りそろえられていました。「こういう印籠を買うのはどんな方なのですか?」と尋ねると「中国の方は金を使った小物も好きでお買い求めになります」とのこと。
アクセサリーのお店もありました。「アンティークジュエリー リガード」には、1950年から60年代に製作されたエルメスのバラのゴールドのブローチが光輝いていました。
筆者が訪れたのは雨の初日でしたが、会場は多くの人でにぎわっていました。
骨董品から現代アートまで時代もさまざま、価格帯も値段の張るものからお手頃なものまで色々で、ジャンルも実に幅広く、見るだけで楽しめるイベントでので、ぜひ足を運んでみてください。
尚、ご紹介した商品は一点もののため、すでに売り切れている場合があります。ご了承ください。表示価格は、税込となります。
text by=Eiko Katsukawa
<イベント概要>
イベント名:「2024ザ・美術骨董ショー」
会場:東京プリンスホテル
東京都港区芝公園3-3-1
会期:5月2日(火)~4日(土)10時~19時
5月5日(日)10時~17時
入場料:無料