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奥平大兼 演じる役とは正反対「同世代の異性と話すのが苦手」

毎週木曜22時~『レンアイ漫画家』

めざましmedia編集部

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現在、フジテレビ系で放送中のドラマ『レンアイ漫画家』。漫画一筋で恋愛下手なレンアイ漫画家・刈部清一郎(鈴木亮平)と“ダメ男ホイホイ”と呼ばれる崖っぷちアラサー女子・久遠あいこ(吉岡里帆)、そんな恋に不器用な二人の、笑えて、ほろっとくるハートフルラブコメディだ。

本作で奥平大兼(おくだいら・だいけん)が演じるのは、清一郎の弟・純の青年期。現在の純(白石隼也)は一人息子のレン(岩田琉聖)を残してすでに他界していて、奥平が扮する純は、高校時代のあいこが好きだった先輩でもあり、現在の登場人物たちの回想シーンに登場する。

演技初挑戦となった映画「MOTHER マザー」で、第44回日本アカデミー賞 新人俳優賞をはじめとする数々の新人賞を受賞し、注目が集まる奥平が、どのように本作と向き合ったのか語った。

<奥平大兼 インタビュー>

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純を演じるのは難しかった

──出演が決まったときの率直な気持ちを教えてください。

僕はまだ映画1本、ドラマ1本(『恋する母たち』TBS系)しか現場を経験していないので、まずはドラマにまた出演できることがうれしかったです。前回、初めてのドラマ出演で、ドラマならではの撮影の大変さを知って、そこでの自分の課題が見えたので、違う現場で、違う役になったらどうなるのかな?と気になっていたら、ありがたいことにお話をいただけました。

役柄もこれまで僕が演じたことのないタイプだったので、それもうれしかったです。今後、僕が俳優として活動していく上で、演じたことのないタイプに挑戦できることは良いことだと思ったので。

──初ドラマのときに感じた課題とは?

最初に僕が経験した現場(映画)では考えなくてよかったことを、ドラマでは考えなくてはいけなくて。例えば、尺のことや、自分がカメラにどう映っているか、とか。それは身をもって体験して、難しいな、と感じました。

前の現場でもできるだけ意識はしていたのですが、できずに終わってしまったところもあったので、今回はもっとちゃんとできるようにと思いました。

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──脚本を読んだとき、どんな感想を持ちましたか?

僕の勝手なイメージで、恋愛ドラマの男性主人公といえばキラキラしていると思っていたんです。けど、今回はとてもキラキラとは言えない人だったので(笑)、そこが面白いな、と思いました。

そんな主人公の弟が、僕が演じる純なのですが、回想シーンにだけ登場する(現在は白石隼也が演じる)ので、どんな人物なのかが台本にそこまで書かれていなくて。他の人が純を思い出して語ることも参考にはしましたけど、それでも少ないのですごく難しかったです。

──具体的にどんなところが難しかったですか?

純が明るい性格というのはわかっていても、どういうタイプの明るさなのか、とか。細かい部分は監督がおっしゃることを、現場で受け止めて、その場で表現しなければいけなかったのは難しかったです。

台本を読んだ時点で、僕は純がどんな動きをするか、とかは、できるだけ決め込まないようにしてはいたんです。だけど、そう意識はしていてもある程度、自分の中で作り込んでしまっていた部分があって、それが監督のイメージと違うときに、変えなくてはいけなくて。最初に自分で考えてしまっていた基本みたいな部分を取っ払って、ゼロにリセットするのも難しかったです。

今回、明るい性格の役を演じるのが初めてだったので、経験がない分、想像しなくてはいけないから、決め込み過ぎると不自然になってしまう、とは思っていたんですけどね。

一つのことに夢中になると、周りが見えなくなってしまう

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──純を演じる上で意識していたことは?

清一郎(青年期:松大航也)と純は兄弟だけど、正反対な性格だったので、違う部分を見せることは考えていました。清一郎が暗い感じなのに対して、純はそれを中和できるくらい明るくやろう、と思っていました。

──役づくりで参考にした人や作品はありますか?

誰かを参考にするとか、似ている役が出ている作品を観るとかは、あえてしませんでした。そうすると、さっきも言ったように、演じ方が決め込まれてしまうとも思ったので。大体こういう感じなんだろうな、というイメージだけを持って、あとは現場で監督の話を参考にしつつ作っていきました。

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──純に共感した部分や、似ている部分はありますか?

僕自身が目上の方は大丈夫なんですけど、同世代の異性と話すのがめちゃくちゃ苦手で、何を話せばいいかよくわからないんです(苦笑)。僕みたいな性格じゃなかったら、たぶん、純はこんな感じだろうな、とすぐにわかると思うんですけど、僕が私生活で純のような体験をしたことがなかったので、そういうところでも純を演じるのは難しかったです。

だから似ている部分があるとすれば、一つのことに夢中になると、周りが見えなくなってしまうところくらいで。基本的に僕は普段からすごく明るくもないし、コミュニケーション能力も高いわけでもないし、あまり似てないのかな、と思います。

──では、純になるためには想像力を働かせて?

そうですね。ただ普段の僕がそうだからと言って、現場で困ってしまうようなことになってはダメだと思ったので、クランクイン前はできるだけ異性・同性問わず、人と話す練習をしていました。自分なりに初対面の人とこういうふうに話せば仲良くなれるんだ、ということを考えてやっていました。

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──実際に現場に入って感じていることは?

まずは現場の雰囲気とか、スタッフさんがどういう風に動いているか、とかを見るようにして。それから、僕の演じる純に対して、みなさんがどんな思いを持っているのかを聞くようにしました。

自分の考えは持ちつつ、演じてみて監督に「今のは大丈夫でしたか?」とか「ここはこうした方がいいですかね?」と聞いて、そこから変わっていくこともありました。

監督さんやスタッフさんは僕のことを外側から見ているので、演じている側からは気づかないことも指摘してくださるので。僕自身の経験がまだ浅いので、僕には考えられないようなことで、参考になることがたくさんありました。

例えば、すごく初歩的なところで言うと、僕の髪の毛が長かったので、少し下を向いてしまうと、髪の毛で顔がカメラに映らなくなってしまうんです。暗い役ならそれでもいいのかもしれないですけど、今回は特に明るい役でもあってので、その辺は気を付けました。

好きじゃない人と付き合うことはしない

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──純は女性から告白されると、好きでなくても付き合ってしまうようなところがありますが、その辺りの感情は理解できましたか?

僕も押しに弱いところはあるとは思うんですけど、好きでもない人と付き合うことはしないですね。だってどういう気持ちで付き合ったらいいのか、わからないじゃないですか(笑)。僕は、好きじゃなかったら、どれだけ告白されても付き合わない方がいいと思うので、あの純の感覚はわからないところでした。

──主人公のあいこ(吉岡里帆)の恋愛ミッションについてはどう思いましたか?

あれは、「ないだろう(笑)」って。ただそうやってお付き合いをすることができるのは、それだけいろんな人と仲良くなりやすい、ということだと思うので、そこはいいな、と思いました。僕にはないところなので(苦笑)。さらにそこから恋愛に発展させていけるところも、すごいな、としか言いようがないですね。

──奥平さんはじっくりタイプですか?

そもそも簡単に人を好きにならないです。仮に好きな人ができたとしても、何をしたらいいか悩んでしまうと思うので、あいこのようにはいかないですね。

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──あいこは男運がなく、“ダメ男ホイホイ”と呼ばれていますが、奥平さんが“知らぬ間に引き付けてしまう人”はいますか?

僕は“変わった友達ホイホイ”ですかね(笑)。周りに変わった考えを持った友人が多いです。今、僕は高校生なので、大学受験に向けて勉強を優先する人が多いはずなんですけど、周りのみんなはすでに自分が将来やりたいことが決まっていて、大学に行かずにそれを目指そうとしています。

今からそういう目標を持てている人って、やっぱり少数派ではあるので、考え方も特殊なんです。ただ話しているとすごく楽しいですし、言い方が難しいですけど、将来が楽しみです。

良くも悪くもみんな自分がやろうとしていることは正解だと思っているから、我が強い人が多くて、側にいて「それは違うだろう…」と思うこともあります。ただ「確かにそうだな」と思えると、僕自身の考え方も変わって、可能性が広がることもあるので、一緒にいて楽しいです。

──最後にこのドラマの視聴者へメッセージをお願いします。

このドラマはそれぞれのキャラクター同士の関係性が面白いな、と思っています。例えば、純が過去に清一郎やあいこにどんな影響を与えたのか、というのが、徐々に明らかになっていって、だから今、こうなんだ、というのがわかることとか。

僕の演じる純は清一郎とあいこの今を作った人間でもあって、そこから周りの人たちへとつながっていくので、過去の純のパートも注目して見ていただけたらうれしいです。

撮影:山口真由子

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