3月19日(金)、「第44回日本アカデミー賞」の授賞式が行われ、各賞の受賞者が発表された。
ここでは、各賞の最優秀賞受賞者のコメントを紹介する。
<最優秀助演男優賞:渡辺謙「Fukushima50」>
震災以降、被災地は何度か訪れているんですけど、僕自身の役作りというよりも、緊急対策本部のクランクインの時に、100人くらいエキストラも含めていたんですけど、やっぱり、一言だけ言わせていただいたんですよ。今現在、福島でも原発事故で苦しんでらっしゃる方がいるし、そのことで命を落とされた方もたくさんいらっしゃるんだと。背負いきれないにしても、そういう思いをこの映画にぶつけていこうという思いでやったので、なかなか厳しい現場ではありましたね。
今年は参加することに意義があると思ってきたので、先ほど話したように“福島の力”を、(最優秀受賞者に贈られる)このブロンズに込めていただけたんだなと思っております。福島の皆さん、とりあえず取りましたんで、どこか飾ってもらえるところに寄贈したいなと思います。本当にありがとうございました。
<最優秀助演女優賞:黒木華「浅田家!」>
久しぶりにこんなに華やかな場所に立ってすごく緊張しています。(受賞は主演の)二宮(和也)さんのおかげだなと思います(笑)。
やはり周りがピリピリした空気の中で、映画を観に行けるようになってからいろいろな映画を観に行き、私は救われました。改めて映画や舞台などのありがたみや大事さに気づきました。
撮影もどんどんできるようになり、いろいろな人に会えるということの幸せをすごく今噛みしめています。
これからも状況は変わってはいますが、この映画界に携わっていきたいと思いますし、すてきな作品を皆さんに届けられたら、それで少しでも救われる人がいたらいいなと思います。この受賞は本当にすごくうれしいです。これからも頑張ります。ありがとうございました。
<新人俳優賞>
■服部樹咲「ミッドナイトスワン」
はじめまして、服部樹咲です。「ミッドナイトスワン」のオーディションに受かった2年前、このような素晴らしい賞をいただくことになるなんて、本当に想像もしていなかったので、今ここに立てていることが夢のようです。
クランクアップの時、内田監督に、「何十年後も女優としてお会いしたい」とおっしゃっていただきました。その期待に応えられるように、そしていつの日かまたここに立てるように努力し、長くこの女優というお仕事を続けていけたらなと思っています。本当にありがとうございました。
■蒔田彩珠「朝が来る」
蒔田彩珠です。このたびは、このような素敵な賞をありがとうございます。今まで、この舞台に沢山の先輩方が立っている姿を、テレビ越しに見ていて、いつか私も立てたらなと思っていました。今日こうしてここに立てていることが、本当にうれしいです。
これから先も、家族や友達、事務所の方に支えてもらいながら、自分の大好きなお芝居を続けていけたら良いなと思います。ありがとうございました。
■森七菜「ラストレター」
はじめまして、森七菜です。まず、私に、これまで支えてくださったスタッフの皆さま、家族、友達に、本当にすべての方々に感謝しています。ここまで来られたのは、本当に、みんなのおかげだなっていう、それだけしかありません。
やっぱりこれから先の人生、この新人賞から始まった人生を長いものにしていくための、皆さまからのお声をいただけるように、そんなものに懸ける人生にしていきたいなって、改めて思いました。これからも頑張りますので、よろしくお願いします。
■岡田健史「望み」「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」「弥生、三月-君を愛した30年-」
かの有名な三冠王を三度獲得した落合博満氏は言いました。「ダイアモンドをまわっている瞬間には、ホームランを打ったという事実はもう過去のことだ。だからガッツポーズはしないのだ」と。
大変光栄なことではありますが、私自身、数年前の出来事であり、一喜一憂することなく、明日をどう生きるのか、今取り組んでいる作品の中での役割をどう果たすのか、目の前の刹那と向き合えるような役者でありたいです。
最後になりますが、僕と一緒に戦ってくださった皆さま、こんな僕を支えてくださった皆さま、本当におめでとうございます(と、ガッツポーズ)。
■奥平大兼「MOTHER マザー」
まずは、僕をこの場に立たせてくださったスタッフの皆さま、本当にありがとうございます。僕はこの作品がデビューであり、この現場で初めて演技をさせてもらい、この現場で初めてその演技の楽しさというものを教えてもらいました。
僕にとって大事なデビュー作品で、共演してくださった長澤まさみさんと、このような舞台に一緒に立てるということは光栄なことで、ありがたいことだと思っています。
この賞に満足することなく、またこの舞台に戻ってこられるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
■永瀬廉「弱虫ペダル」
本日はこのような素敵な賞をいただけて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。これからも、まだ自分が出会ったことのないような自分と出会えるように、そして出演させてくださる作品に少しでも花を添えられるように、頑張っていきたいと思います。
そして、弱虫にならず、エンターテインメントという厳しい坂をこれからも上り続けていきたいと思います。本日は本当にありがとうご
ざいました。
<「第44回日本アカデミー賞」優秀賞受賞一覧>
■優秀作品賞
「浅田家!」
「男はつらいよ お帰り 寅さん」
「罪の声」
「ミッドナイトスワン」
「Fukushima50」
■優秀アニメーション作品賞
「劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」
「映画 えんとつ町のプペル」
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
「ジョゼと虎と魚たち」
「STAND BY ME ドラえもん 2」
■優秀監督賞
内田英治「ミッドナイトスワン」
河瀨直美「朝が来る」
土井裕泰「罪の声」
中野量太「浅田家!」
若松節朗「Fukushima50」
■優秀脚本賞
内田英治「ミッドナイトスワン」
中野量太/菅野友恵「浅田家!」
野木亜希子「罪の声」
前川洋一「Fukushima50」
山田洋次/朝原雄三「男はつらいよ お帰り 寅さん」
■優秀主演男優賞
小栗旬「罪の声」
草彅剛「ミッドナイトスワン」
佐藤浩市「Fukushima50」
菅田将暉「糸」
二宮和也「浅田家!」
■優秀主演女優賞
小松菜奈「糸」
永作博美「朝が来る」
長澤まさみ「コンフィデンスマンJP プリンセス編」
長澤まさみ「MOTHER マザー」
倍賞千恵子「男はつらいよ お帰り 寅さん」
広瀬すず「一度死んでみた」
■優秀助演男優賞
宇野祥平「罪の声」
妻夫木聡「浅田家!」
成田凌「窮鼠はチーズの夢を見る」
星野源「罪の声」
渡辺謙「Fukushima50」
■優秀助演女優賞
江口のりこ「事故物件 恐い間取り」
黒木華「浅田家!」
後藤久美子「男はつらいよ お帰り 寅さん」
桃井かおり「一度も撃ってません」
安田成美「Fukushima50」
■優秀音楽賞
岩代太郎「Fukushima50」
梶浦由記/椎名豪「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」
亀田誠治「糸」
佐藤直紀「罪の声」
山本純ノ介「男はつらいよ お帰り 寅さん」
■優秀撮影賞
伊藤麻樹「ミッドナイトスワン」
江原祥二「Fukushima50」
河瀨直美/月永雄太/榊原直記「朝が来る」
近森眞史「男はつらいよ お帰り 寅さん」
山本英夫「罪の声」
■優秀照明賞
井上真吾「ミッドナイトスワン」
杉本崇「Fukushima50」
太田康裕「朝が来る」
土山正人「男はつらいよ お帰り 寅さん」
小野晃「罪の声」
■優秀美術賞
磯見俊裕/露木恵美子「罪の声」
倉田智子/吉澤祥子「男はつらいよ お帰り 寅さん」
黒川通利「浅田家!」
瀬下幸治「Fukushima50」
我妻弘之「ミッドナイトスワン」
■優秀録音賞
伊藤裕規「ミッドナイトスワン」
加藤大和「罪の声」
岸田和美「男はつらいよ お帰り 寅さん」
柴崎憲治/鶴巻仁「Fukushima50」
ロマン・ディムニー/森英司「朝が来る」
■優秀編集賞
石井巌/石島一秀「男はつらいよ お帰り 寅さん」
上野聡一「浅田家!」
鄺志良「Fukushima50」
ティナ・バズ/渋谷陽一「朝が来る」
穂垣順之助「罪の声」
■優秀外国作品賞
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」
「パラサイト 半地下の家族」
「フォードvsフェラーリ」
「1917 命をかけた伝令」
「TENET テネット」
■新人俳優賞
服部樹咲「ミッドナイトスワン」
蒔田彩珠「朝が来る」
森七菜「ラストレター」
岡田健史「望み」「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」「弥生、三月-君を愛した30年-」
奥平大兼「MOTHER マザー」
永瀬廉「弱虫ペダル」
■話題賞
作品部門 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編
俳優部門 小栗旬(「罪の声」)
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