川栄李奈 『ザ・ノンフィクション』の語りで親孝行「私の顔が出ない方がいいみたい（笑）」

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2月21日（日）14時からフジテレビでは『ザ・ノンフィクション ボクらの丁稚物語 ～泣き虫同期 4年の記録～ 後編』が放送され、前編に続きナレーションを川栄李奈が担当する。

入社すれば、ケータイも恋愛も、酒もタバコも禁止。さらに男女の区別なく、みんな丸刈り…一流の家具職人を目指し、住み込みでの修行生活。神奈川・横浜市にある家具製作会社「秋山木工」は、令和となった今でも、いわゆる「丁稚制度」を続けている会社だ。

2017年の春。番組は、自ら「丁稚」の世界に飛び込む4人の若者と出会った。

京都大学に在学中に引きこもりになった内藤くん（23）は、自分を変えるために大学を中退し、秋山木工の門を叩く。

久保田くん（18）は、技と心を磨き一流の職人となるためにやって来た。初めて作る家具は、女手一つで自分を育ててくれた母親にプレゼントしたいと語る。

茨城県から来た佐藤くん（17）は、糖尿病を抱えながら職人を目指す。

加藤くん（22）は、京都で8代続く造園会社の後継ぎ。職人たちを率いるリーダーとなるべく、人間性を磨きにここへ来た。

入社して1年半、また一人、秋山木工を去っていく丁稚が…年下ながらリーダー格だった久保田くんだった。手作り家具の将来に不安を感じたのだ。

残された3人は「手作りの技」の誇りをかけて、新たな挑戦を始める。若手職人の日本一を決める技能五輪全国大会への挑戦。ただし、23歳以下という年齢制限のため、出場できるのは佐藤くんだけ。持病を抱える佐藤くんが、3人の代表として大会に挑むのだが…。

一流の家具職人を目指し、丁稚の道を選んだ若者たちの4年間を追った。

今回、そんな彼らの物語に“語り”で寄り添った川栄。普段、無口な父親が「ナレーションのお仕事だけはすごく褒めてくれる」そうで、「声のお仕事は好き」と笑顔を見せる。また、仕事は「家族の喜びのためにやっている部分もある」と話す彼女が、夢を追うこと、そして、“諦める”ことへの思いなど、今回の話から感じたことを明かしてくれた。

――川栄さんはAKB48の一員としてデビューをして、今は一人で活動をしていますが、仲間と一緒に過ごした時代の経験が今に役立っていると感じることはありますか？

たくさんありますけど、特に周りの人の意見を聞けるというのは、あの時代に培ったものかな、とは思います。それこそみんな一緒じゃないから、それぞれに意見があって食い違うこともあるし、相手の意見が正しかったって、あとから思えることもあるし。

今、いろんな方向を向いて考えられたり、相手の意見を柔軟に捉えられたり、みんなの意見を聞きながらも、自分の意見も上手く発していけるのは、あのときの経験のおかげだと感じています。

――「秋山木工」では、1年間の見習いを経て、丁稚、そして職人となり、8年間を過ごしますが、途中で辞めていく人もいました。その選択についてはどう感じましたか？

私自身、夢だったけど、やってみたら実際は思っていたのとは違ったな、ということが、人生において何回かあったのですが、とりあえず、やってみた、挑戦することができた自分をほめるというか。

やってみて途中で抜けるのも、それなりに勇気が必要なことでもありますし、試してみたからこそ、本当の夢を見つけられることもあると思います。だから、辞めるという選択も、また新たなことに挑戦できるので、私はいいんじゃないかな、と思いますね。

挑戦してみたことは、人生にとってすごくいい経験になっていると思うし、（途中で辞めてしまった）久保田さんも「秋山木工」で成長できたことが、その後にも役立っているんじゃないかな、と思います。

久保田さんの変化にはちょっと驚きはしましたけど（笑）、「秋山木工」での生活があったからこそ、本当に自分にとって大切なものが見えてきたんだと思うので。無駄じゃなかったと思います。

――＜後編＞（2月21日放送）では、同期入社した4人が、それぞれに違う目標を持って歩んでいく姿が捉えられていました。

でも皆さんそれぞれの夢があるにしろ、最終的にたどり着くのは家族への思いなんだな、とも感じました。家族に喜んでほしい、とか、家族のために頑張りたい、とか。そこは共通しているんですよね。

――川栄さんも家族に恩返しをしたい、という思いはありますか？

私の両親は、私が芸能界のお仕事がしたい、と言ったときは、自分がいいと思うならいいんじゃない、みたいな感じだったんですけど、今、私がいろんな作品に関わらせてもらえるようになって、そのことを報告すると、すごく喜んでくれるんですね。だから、家族の喜びのためにやっている部分もあります。

――特にこの仕事をしたときに、恩返しができたな、と感じたような瞬間はありましたか？

私の父は普段から無口で、あまり私ともしゃべらないんですけど、私がナレーションのお仕事をしたときだけはすごく褒めてくれるんです。「声だけはいいんだよな」って（笑）。

お芝居を褒められたことはないんですけど、ナレーションをやっているものだけは毎週録画もしてくれていて。なんか私の顔が出ない方がいいみたいなんですけど（笑）。だけどそうやって父も喜んでくれますし、ナレーションのお仕事をいただけるのはすごく嬉しいです。

――川栄さんにとって、声の仕事はどんなものですか？

声一つの印象で、その作品全体の印象が変わると思いますし、ドキュメンタリーであれば、自分の人生ではない人生に声を添えるので、より気持ちが引き締まります。自分の身体も使ってお芝居をしているときよりも、噛みしめながらやっているような感覚です。そこに出てくる人たちの人生に少しでも寄り添えたらという気持ちでやっています。

――楽しんでやれていますか？

はい！声のお仕事は好きです。それこそ父に褒められたい、というのもあって（笑）、頑張ろうと思いますし、自分自身がこういう番組が好きだというのもありますし、素敵なお仕事だな、といつも思っています。

――最後に出演中のドラマ『知ってるワイフ』（毎週木曜22時～）についても一言、お願いします。

私の演じるなぎさは、大倉（忠義）さんが演じる元春の妹で、お兄ちゃんや、広瀬（アリス）さん演じる澪の悩みを聞いて、「そんなに悩まなくてもいいじゃん」って、明るく励ましてあげるような役です。

物語も後半に入って、自分にとって本当に大切なものに気づいた元春が、今度は過去じゃなくて、未来をどうしていこうか、という風になっていくのが見どころになってくるかと思います。その中で、キャラクターそれぞれが成長していくので、その辺りも注目して見ていただけたらと思います。

収録後、川栄李奈がナレーションの一部を披露してくれた。