全ての画像を見る

フジテレビュー‼編集部おススメの、“目の保養”となるようなイケメンを紹介する「眼福♡男子」Vol.46は佐藤流司が登場。

“2.5次元ブーム”を牽引する俳優の一人として輝きを放つ佐藤が今回挑むのは、朗読劇「『私立探偵 濱マイク』－我が人生最悪の時－」の主人公・濱マイク。かつて、映画監督・林海象による原作、永瀬正敏主演で人気を博したハードボイルド探偵シリーズが、映画公開から28年の時を経て令和の世へと蘇ることになった。

今もマニアの間で語り継がれる伝説的な作品が、朗読劇としてどんなふうに表現されるのか大いに気になるところ。そして、そんな作品の中央に立つ佐藤は、どう表現しようとしているのか。また、超多忙な日々を送る彼を癒やす存在、プライベートについても尋ねた。

――まずは今回のオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

人生の四半世紀を過ぎた指標として多方面に攻めていこう、俳優・佐藤流司の人間の幅を広げていきたいと思っていたところに今回のお話をいただきまして、今後、経験していきたいと考えていたものにピタリと合致したので、内容やキャストを聞く前に「やります！」と返事をしました。それぐらい、俺にとって完璧な作品だと感じました。

――即答するほどの決め手となったものは何だったんですか？

俺が企画書を読む前から「やりたいです！お願いします」と前のめりになったのは、今、思い出せる限り、記憶に一番新しいのが昨年上演予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で中止となり、今年改めて上演されることになった「笑ゥせぇるすまん」以来なんです。

うまく言えませんが、俺がやらなさそうな作品っていうのかな（笑）。観てくださる方の想像の範疇を超えていきたいという思いが常にあって、それがこの「私立探偵 濱マイク」にも「笑ゥせぇるすまん」にもあった。「佐藤流司が演じる」以前に、「この作品を今、やるんだ」という驚きもあって、たくさんの“いいな”を感じたことが大きかったですね。

――イメージとは真逆のギャップを楽しんでいるんですね。佐藤さんは1995年生まれで、映画版の公開が1994～1996年、連ドラ版の放送が2002年ですが、この作品のことは知っていましたか？

作品自体を見たことはなかったのですが、おそらく俺の年齢ぐらいまでならギリギリ知ってると思います。俺のファンの皆さんの中には、中学生など明らかに知らない層もいますので、「濱マイク」の時代と、令和の時代をつなげられたらいいですね。

――出演にあたって、過去のシリーズは見ましたか？

現段階ではドラマ版の1話しか見てないんです。とういうのも、見すぎるとそっちに寄っちゃう気がしたので、あとは本読みをして他のキャストさんたちの空気感をキャッチしたうえで残りを詰めてみようかなと。とにかく今は読んだまま、感じたままに演じようと考えています。似せにいっても本家には勝てないので、新しい世界観でつくっていきたいです。

――時代も違いますし、特に今回は若い座組なので、まったく違ったテイストになりそうですね。

変な意味ではなく、高尚に演じないようにしようと考えています。ラグジュアリーで高級感を出そうと思えばそう演じることもできるんでしょうけど、例えば語尾を吐き捨てるようにし、セリフの一言一言を大事にしすぎないことで路地裏みたいな世界観、砂嵐のような質感が出るんじゃないかなと。

セリフを大事にしすぎると横浜じゃなくて白金あたりになってしまうので、言葉を聞かせ過ぎないような演じ方をすることが大事かなと考えています。あとは、単純に両手で台本を持たずに片手でいこうと。それが一番わかりやすく、ガラの悪さが出ると思うので（笑）。

――横浜と白金の対比、わかりやすいですね（笑）。映画や連ドラでは永瀬さんのちょっとトガったファッションや軽妙な芝居が話題となりましたが、濱マイクのどんな部分に魅力を感じましたか？

ダークヒーローというか、王道な“主人公感”の持ち主だと感じました。やろうとしていることが空回りしたり、過去にいろんな経験があったり、男が憧れる主人公、子どもの頃に好きだったマンガのヒーローに似ている気がするんです。仲間を放っておけず、ケンカがめっぽう強くて、カッコいいところだらけですよ。

既存の濱マイクに引っ張られないように1話しか見てないという話をしましたが、1話だけでも相当引っ張られたんです。すごいなって思いました、たった1本の話でそれだけ役の魅力を前面に伝えることができて。無理に寄せる必要はないけれど、最終的に目指すところはそこなのかなと思いますね。

――濱マイクと佐藤さん自身の共通点は？

自分でいうのも気恥ずかしいんですけど、俺も濱マイクと同じようにまわりとのつながりは大事にするタイプで、そこは生き方として意識している部分でもあります。想像するに、濱マイクってもっとベテランの方が演じるイメージじゃないですか。だけど、そこをあえてまだケツの真っ青な俺がやることに意味があるのかなって。

――物語は横浜が舞台です。横浜での思い出があれば聞かせてください。

「HIGH＆LOW THE WORST」で共演したうえきやサトシと以前、中華街で「せっかくだからフカヒレとか北京ダックとか、中華街っぽいものを食べて帰ろう」と話していたのに、結局、都内にもチェーン店がたくさんある店で火鍋を食べて、観覧車を眺めて帰ったという。あの時間は何だったんでしょうね（笑）。

――それはそれで楽しい思い出だと思います（笑）。では、作品のサブタイトルにちなんで、「我が人生最悪の時」と感じたことは？

地元の仙台で小学生の頃、下校途中に前を歩いていた女の子が凍った川に傘を落としてしまって、ちょっとカッコつけて「拾ってきてやるよ」って言ったのに、川の氷が割れて、溺れかけたことが俺の“最悪の時”です。

――その後の佐藤少年はどうなったんですか？

たまたま通りかかった軽トラックから降りてきてくれたおじさんが、「大丈夫か！」って助けてくれました。真冬で寒いし、恥ずかしいし、最悪の思い出ですよ（苦笑）。

――そんなところも濱マイクっぽいですね（笑）。この作品で伝えたいのはどんなことでしょう？

普遍的な友情、正義感、人への思いを描くということですが、何を魅力的に感じるか、何が正義なのかは人によって違うと思うんです。今、最先端のカッコよさって、見た目的なことですけどK-POPやジェンダーレスなものがトレンドになっていて、だけど、「濱マイク」にはその真逆をいくカッコよさがある。

面白さや魅力にはいろんな形があるということを伝えたいのと、この作品を観て何かを受け取ってほしいというより、日々の鬱憤みたいなものが少しでも晴れて、楽しかったからまた頑張ろうと思ってもらうことが一番ですね。

――公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

オファーをいただいた仕事を最終的にお受けするかどうかを自分で決めさせてもらってるんですが、この10年ぐらい一度も外したことがない、すべていい作品になっていると自負しているんです。だから、今回も間違いなくいいものに仕上がると思いますし、逆にこんな素敵な題材をいただいて、判断を間違えてしまったら切腹ものなので、大事に演じたいと思います。楽しみにしてください。

――ここからは佐藤さん自身に迫りたいのですが、眼福な存在は何ですか？

「もちお」というマンチカンのオス猫です。2016年に飼い始めたので、一緒に生活して5年目になりますね。短い手足で、高いところへ一生懸命登ろうとする姿が不器用っぽくてカワイイです。

――佐藤さんも猫っぽいですよね。

ホントですか！？

――言われませんか？

言われます（笑）。

――忙しい日々だと思いますが、何をしている時がもっとも楽しいですか？

料理を覚え始めたので、料理をしている時が楽しいです。

――最近、つくったものでいうと？

インスタにもアップしたんですけど、馬肉と玉ねぎを炒めてバター醤油で味付けしました。

――馬肉って珍しいですね。

低カロリー、高タンパクで体にもいいので、まとめ買いして冷凍してあります。

――得意料理は何ですか？

一人暮らしなのでなかなかつくる機会がないんですけど、地元にいた頃はよく餃子づくりを手伝っていました。

――佐藤家のこだわりがあれば教えてください。

ニンニクをアホみたいな量入れます。料理を始めたのが昨年の自粛期間中だったんですけど、普段入れられない量のニンニクを入れることが楽しくて、バンバン入れてました。

――アホみたいな量というと？

明日、明後日は何もないぞっていう時は、一片ではなく丸ごと1個入れます。

――そんな佐藤さんは26歳になったばかり。自身で大人になったと感じる瞬間、逆にまだ子どもだなと感じるのはどんな時ですか？

感情の起伏がどんどん少なくなってきていると感じています。不満に感じたり、怒ったりすることがなくなった反面、馬鹿みたいに笑うことも少なくなってきました。人生において見たことのある景色が増えてきたことで、刺激的なことが少なくなってきてるのかなと。精神的に落ち着いてきてるんでしょうね。

自分のことを「子どもだ」と感じたことって昔から一度もないんですよ。年上の方と仲良くなるほうが多く、性格的にもよく「昭和の人間だね」と言われます。

――新年が始まって約2ヵ月が過ぎました。2021年の展望を聞かせてください。

去年、「（2020年は）激動の1年になるのでお楽しみに」と言っていたのに、コロナの影響で激動どころか自宅に引きこもる日々が続いてしまって。ありがたいことに、2021年は年末まで何をするか決まっているので、今年こそ激動の年にしたいと考えています。

個人的には26歳になり、さすがにもういい大人ですから、いろいろ恩返しをする年にしたいです。昨年は普通に仕事ができることへのありがたさを再認識できた年だったので、今年は作品を通して、感謝の気持ちを伝えていきたいですね。

撮影：河井彩美

朗読劇「私立探偵 濱マイク」－我が人生最悪の時－
2月17日（水）～23日（火・祝）ヒューリックホール東京

最新情報は公式サイトまで　公式Twitter：@HamaMike_r