11月8日(日)女優の吉岡里帆が2年ぶりの写真集「里帆採取 by Asami Kiyokawa」刊行記念オンラインサイン会を行うにあたり、マスコミ取材に応じた。
グレーのロングスカートに白のトップス姿で登場した吉岡は「今日は写真集『里帆採取 by Asami Kiyokawa』の囲み取材に来てくださってありがとうございます。発売したてなので、募る思いも溢れていますので、是非いろいろな話が出来たらなと思います。よろしくお願いします」と挨拶した。
ここでは、質疑応答の模様を、ほぼ全文でお届けする。
きっかけは、清川あさみとのコラボレーション
――今作は、どのような写真集になっているのでしょうか?
2年前の「so long」という写真集が、しっかりと心に残る写真集だったので、その1冊に思いをぶつけるような気持ちで撮っていたというのもあり、「セカンドを撮るぞ」という気持ちがあまりなくて。
写真集の企画が出る前に、週刊プレイボーイさんで「清川あさみさんとコラボレーションでグラビアをやりませんか?」というお話をいただいて、清川さんとはプライベートでも仲良くさせていただいているので、「新鮮な撮影ができるんじゃないかな」と思い、撮影させていただいて。そのときの企画が、“私自身と猫を掛け合わせて撮る”という、ちょっと新しいあまりないタイプの撮影をして、「すごく面白かったね」という話になって、その後あさみさんとも話す機会があり…。
そのときに、あさみさんが「今しか撮れない写真を紙で残すのは、すごく意味があるんじゃないかな」とおっしゃって、そこから考えるように。たしかに私も「紙でグラビアを残していくというのは面白いな」とずっと思っていたので、今はネットとか写真も見れる時代ですけど、「こういう時代だからこそちゃんと1冊の本として残るような写真集を、信頼できる人たちと作ってみたいな」と思いました。なので改めて決心したというか、そういう1冊になっています。
――制作の過程で、清川さんからはどんな言葉をかけられましたか?
1作目の「so long」にすごく思い入れがあるという話をしたときに、「旅をするコンセプトも面白いんだけど、今までやってきたことを踏まえた上で、まだ出し切れていない部分もあるんじゃないかな」と初めに言われて。自分のまだ出し切っていない部分とか、まだ向き合ってない部分を写真集としてやる意味があるのかなと、その話を聞いたときは印象的で…。
あとは、「どうせやるなら楽しくハッピーなものを作るべきだから、とにかく何が好きか教えて」と言われました。
――今作は2名のカメラマンとの共作となっていますが、それぞれのカメラマンとのエピソードを教えて下さい。
熊谷貫さんは私がグラビアをやり始めた、初期の頃からずっと撮ってくださっている方で、「グラビアって何かな?グラビアの面白さってなんだろう?」ということを、ずっと話し合ったカメラマンさん。
すごく信頼していて、「どうしたら面白い写真が撮れるかな?」というのを、1番話し合った人かなという風に思っています。
その人の人間性みたいな中身がふわっとが出るのが、グラビアの面白いところかなと感じているので、そういうのを一緒に見つけてくださる方、内面に寄り添っていくような写真を撮ってくださる方なので、熊谷さんとはそういうものを出しました。
三瓶康友さんは、私がファッション誌に出始めたときに撮っていただいてたんですけど、その頃の私は、まだファッションというものを固く考えていた時期で、それをスッと抜け感をもって、リラックスして撮影ができるんだということを教えてくれた人です。
撮影中にめっちゃ喋ってくれるんですよ、三瓶さんは(笑)。自分の好きな世界観をいろいろな切り口で話してくださるので「私も自分の好きなものを素直に出していって良いんだ」っていうのを教えてもらって。
なによりも写真が、女の子の好きな「かわいい」をくすぐってくるというか、そういう写真を撮られる方なので、今回「いろいろな女性の面を写真集で伝えたいな」と思っていたので、三瓶さんの見ている「女の子の好きな女の子像」みたいなものに、すごく共感しながら撮影していました。
――作品中での衣装に関してエピソードを教えて下さい。
熊谷さんとの撮影で着た衣装は、こだわったポイントとしては、あさみさんが提案してくださった“私服を入れる”ということ。私がずっと大事にしていた服で普段たくさん着るわけじゃないんだけど、面白かったり気に入ってて捨てられない服を、撮影の際にたくさん持っていって、そこからセレクトしたので。高校生の時に古着屋さんで買った短パンみたいなものを履いていたりするので、すごく私のパーソナルな部分を、洋服から感じ取ってもらえるかなと思っています。
三瓶さんとの撮影は、肌の見せ方を皆で工夫していたので、ファッションと私自身のボディパーツとの相性だったりとかスタイリストさんが試行錯誤しながら考えてくださって。印象的なもので言うと、ピンクの透け感のある柔らかいワンピースを着ているんですけど、そのワンピースを着た方が肌の柔らかさをより強調されるというのが「すごいな、衣装の力だな」と思いました。
あと、グリーンの水着を着たときに、水着に合わせてグリーンのレースを体に沿わせながら撮影をしたんですけど、レースの先が手の形に作られていて、それがすごくかわいくって「面白くなっちゃうので、なしにしようか」という話も出たんですけど、「やっぱりあれ使いたい」と思って、写真集の中でも、手の形になっているレースを切って使っているので、是非それも見て欲しいなと思います。
――写真集では普段とは違うメイクをしていますが、メイクについて教えて下さい。
生花と肌の質感をどう見せるかヘアメイクさんがいっぱい考えてくださったので、1番は「水っぽい肌の質感はどういう風にしたら出るかな」みたいな話を一緒にしたりとか。衣装に合った質感を、何パターンもあるナチュラルな中でも、いっぱい考えてくださってすごく嬉しかったです。
メイク自体がナチュラルなので、お花とかパールなど普段あまりボディに付けないようなものを体とか顔に付けているので、そこもかなり見どころです。
3、4年前には出し切れなかった部分を今作で出せた
――Instagramで「もう1度グラビアと向き合ってみました」と投稿していましたが、改めてグラビアと向き合ってみて感じたことは?
初めてグラビアをしたときの緊張感とかセンシティブな思いにプラスして、人と一緒に作り上げていくっていうことの意識が、いろいろな仕事を経たことですごく強まりました。周りのスタッフさんたちに全信頼を私は寄せていますし、一言でグラビアと言ってもグラビアの中に本質的な面白い部分だったり、愛おしい部分とか、私が「グラビアを通してしか出来ないことがあるな」って、今すごく思うので。そういう意味で「向き合った」って言葉を、今回使いました。3年前、4年前だと出し切れなかった部分を、今回の写真集で出せたんじゃないかなと思っています。
――撮影前にボディメイクはしたんですか?
今回はグラビアの写真集なので肌を1番に考えなきゃいけないので、肌質でいうとあまり痩せすぎないということに気を付けたのと、ウエストとかは結構出るので、軽いストレッチとかランニングをこまめにやり続けて、ボディメイクをしていました。
――お気に入りの写真を教えて下さい。
(熊谷さんとの写真は「こちらです、じゃ〜ん」とページをめくり)なぜこれにしたかと言うと、昔、沖縄で黄色いワンピースを着て撮影したんですよ。そのときのことをすごく思い出した写真で、偶然にも同じ黄色のワンピースなんですけど。あのときも大自然の中で撮影をして、どうポージングをとれば良いかわからない時期で、そのことを思い出すくらいに思い出が強いというか、一緒に過ごしたことを思い出したので、この写真にしました。
あとは、本表紙ですね。(表紙のカバーをめくり)本表紙を自分で選ばせていただいたんですけど、週刊プレイボーイさんで出していただいた写真を、本表紙にさせていただいていて。そして、裏返すとヘアメイクさんがめっちゃ時間かけて選んでくれた植物を使った、1番好きなヘアメイクだったのでこちらの写真を選びました。
カバーつけた状態でも良いんですけど、本表紙でも飾ってもらえると嬉しいなと思っています(笑)
――清川さんとの対談や最果タヒさんの詩も収録されていますが、改めてどういう1冊になりましたか?
清川さんとのタッグもそうですし、大好きな最果さんが詩を書いてくださったのもそうですし、スタイリストさん、ヘアメイクさん、カメラマンさんと、好きな人たちと1冊の本に出来たというのが、何よりもありがたいことだと思います。今しか出来ないタイミングだったなと思います。
デビューして、いろいろな波とか仕事とかチャレンジを経たからでこそ、再発見したりとか、すごく愛情深く1冊を作ることができたので、お客様に手に取っていただくことが自分にとっても「愛情を伝えられる1冊になったかな」っていう風に思っています。とても自信もありますので、これまで応援してくださった方も、グラビアの写真集を手にとったことがない方も、手にとって欲しいですね。もしかしたら意外と「こういう世界観も好きかも」って思ってもらえるかもしれないので。
質疑応答後、吉岡は「こんなに喋らせてもらっているけど『使えるのかな』ってくらい喋ってる(笑)。楽しかった…ちゃんと話しました、全部(笑)。大丈夫です」とはにかんでみせた。
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