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テレビマンの仕事の極意と、彼らの素顔に迫る「テレビマンって実は」。

現在フジテレビで放送中の『関ジャニ∞クロニクルF』（毎週月曜23時〜）の総合演出を担う姉崎正広、演出の田中良樹、北山拓が、番組の裏側を語る。

『関ジャニ∞クロニクルF』は、関ジャニ∞のメンバーが共通して持っている“遊び心”を前面に押し出し、彼らの人間的な魅力を伝えていく、バラエティ番組だ。

全4回にわたる連載の最終回では、最前線でバラエティ番組作りに関わる、テレビマンの“本音”を聞いた。

第3回＜関ジャニ∞の「友よ」に感動して、思わず上司にLINEを…バラエティ番組演出家のターニングポイント＞は、こちら！

――「テレビマン」と聞くと、すごく面白い人ばかりというイメージですが、実際はどうですか？

姉崎：確かに、テレビマンには面白い方やおしゃべり上手な方も大勢いますが、意外と普通の人が多いと思います。

田中：明確に2パターンに分かれますよね、“天才肌”か“頑張り屋”か。先輩お2人の前で言うのも恐縮ですが…（苦笑）『関ジャニ∞クロニクルF』チームは“頑張り屋”タイプが多いと思います。

天才的に何でもできてしまうのではなく、頑張り屋で番組作りを心から楽しんでいる。だから、トライアンドエラーでちゃんと番組を検証するし、うまくいかなければやっぱりヘコむし、すごく人間的なスタッフが多い番組だなと思います。

――視聴者からの声は、気になりますか？

姉崎：気にしないと言ったら嘘になります。番組に寄せられるコメントも、もちろん見ていますから。

田中：SNSも見ますね。僕、めちゃくちゃエゴサしています。リアルタイムで放送を見ながら、右手でTwitter、左手でネット掲示板を見ています。みなさんがどこに反応してくれるのか知りたくて。

姉崎：昔はネットがそこまで普及していなかったから、今はいい時代ですよね。

田中：リアルタイムで視聴者の反応を見られるなんて、こんな素敵なことはありません。もちろん中には辛口意見もあり、人間ですからショックを受けることもあります。でも、さまざまな声が上がることは、丁寧に番組を見てくださっていることの証拠なのでうれしいですね。

みなさんのご意見を判断材料の1つにしつつ、一方で自分たちがやりたいこととのバランスを模索しながら次に活かしています。

――姉崎さんから、田中さん・北山さんに伝えていることはありますか？

姉崎：「関ジャニ∞のメンバー1人ひとりが、どこで輝けるか」という話はします。

田中：テレビには正解がないので、自分の中でたまにブレるときがあるんです。例えば、VTRチェックや編集の段階で、自分のやりたいことを通した方が良いのか、削いだ方が良いのか分からなくなる。悩んだら姉崎さんに相談するのですが、自分に迷いがあるときは大体バレますね（笑）。

姉崎：でも番組作りってそうなんですよね。特に自分で撮って編集していると、視野が狭くなってしまうことはよくあります。だから、客観的な意見を言ってあげることで、見え方が広くなるんです。

特に良樹くん（田中）は、番組に加わった当初「友よ」を聞いて関ジャニ∞に衝撃を受けたくらいなので、関ジャニ∞にかける思いがアツいんです。それが編集にも現れていると思います。インサート1つにしろ、画の撮り方にしろ、本当に細かく作ってやっています。

――北山さんは、印象に残っている姉崎さんの言葉はありますか？

北山：僕はこれまで、ほぼ芸人さんとだけお仕事をしてきたこともあり、今年4月に加わった当初は、申し訳ないことに関ジャニ∞のお名前もよく分かっていませんでした。日々勉強で悪戦苦闘していますが、姉崎さんには「このメンバーは、こういう風に立てると輝く」といった、個性の活かし方やスタッフとしての目線を教えていただいています。

最近になって、ようやく5人の個性が分かってきました。打ち合わせでも、メンバーによってアプローチの方法や話し方を若干変えて、各々の魅力をもっと引き出せるようにしています。

――今後、『関ジャニ∞クロニクルF』で、やってみたい企画はありますか？

姉崎：8月9日（月）から「真夏のカスタムグルメSP」として、4週連続で「カスタムグルメ」企画を放送します。人気チェーン店、松屋の「牛めし」を、関ジャニ∞メンバーがカスタムします。また、神奈川県の三崎港でロケをした「出張版カスタムグルメ」も放送予定です。カスタムグルメがどこまで化けるか、楽しみですね。

でも、もっといろいろな企画をやりたいですね。僕、実はドキュメンタリーを見るのが好きなので“ドキュメンタリーバラエティ”もいいですね。ドキュメンタリーを見ると「世の中にこんな人がいるんだ」と知ることで、救われたりするじゃないですか。

田中：個人的には、5人のめちゃくちゃかっこいい瞬間を撮りたいですね。歌なのかダンスなのか、見せ方はいろいろあると思います。

北山：これまでの企画では、2021年2月8日（月）放送の「カレーうどん豪快に食べる王決定戦」がおバカっぽくて面白かったですね。“飛び跳ね”が付き物のカレーうどんを思いっきり食べて、どれだけカレーを飛ばしたか競うもので、5人が一生懸命楽しそうに飛ばしていて、すごく笑えました。ああいう企画を手がけてみたいですね。

――では、個人的にチャレンジしてみたい番組はありますか？

姉崎：コメディだけど、ちゃんと泣ける感動の恋愛ドラマを作りたいです。今まで、ドラマは作ったことがないので。僕は、テレビを見てゲラゲラ笑っていた時代に育ったので、「みんなに楽しんでほしい、むちゃくちゃ笑ってほしい」と思っています。やっぱりテレビはYouTubeより何より1番面白いですし、テレビで恩返しをしたいですね。

田中：僕はどちらかというと、ドキュメント寄りの番組が好きなので、逆にめちゃくちゃ笑える“THE バラエティ”をやってみたいです。こんな時代ですし、笑えるだけで、何か意味があるものをお届けできるのかなと思います。

北山：僕は、もともとコントをやりたくてフジテレビに入社して、コントに非常に近い番組として『ネタパレ』に携わったり、現在は『ただ今、コント中。』のディレクターも務めているので、将来的にコント番組ができたらと思います。

――『関ジャニ∞クロニクルF』でコントをするのはどうでしょう？

北山：どうなんだろう（笑）？『キスマイ超BUSAIKU!?』でもコントをやっていますから、被りそうですね…。

姉崎：実際、コントに近いものとして「大倉ジラ子」をやっていますし…いっそのこと“全編コント”をやってみたいですね。関ジャニ∞の5人は質の高いお芝居もできるので、ゲストに俳優さんや女優さんを迎えてドラマチックなコントを撮るとか。関ジャニ∞のカッコいい面が振りになれば、面白さが増すと思います。

田中：2021年6月28日（月）放送の「記憶を頼りに雰囲気で再現」では、『マルモのおきて』（2011年／フジテレビ）で話題になった「マルモリダンス」を関ジャニ∞が何も見ないで踊ってみましたが、丸山さんのダンスがバッキバキにカッコ良すぎて面白かった（笑）。カッコよさで笑いを取れるというのは、芸人さんではなく関ジャニ∞ならではの面白さかなと思いました。

姉崎： やっぱり関ジャニ∞の5人ってすごいと思うんです。すごくフランクだけどキリッと真面目なところもあって、一緒に番組を作っていて、僕たちスタッフも楽しいです。“カッコいい”と“面白い”の振り幅がいいんですよね。これからも、『関ジャニ∞クロニクルF』だからこそ引き出せる、5人の魅力を伝えていきたいです。

＜『関ジャニ∞クロニクルF』これまでの放送は、FODで一挙配信中！＞