10月28日(水)、映画「461個のおべんとう」の親子限定試写会イベントが行われ、劇中で親子役を演じた井ノ原快彦と道枝駿佑、原作者・渡辺俊美とその息子・渡辺登生(とうい)が出席した。

映画「461個のおべんとう」は、ヒップホップバンド「TOKYO  No.1 SOUL SET」の渡辺俊美によるお弁当エッセイ「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」(マガジンハウス刊)を原作とした、お弁当を通して築かれる親子の絆の物語。

ここでは、盛り上がったトーク部分をほぼ全文起こしでお届けする。

──原作者・渡辺俊美さんと登生さんがモデルになっていますが、演じる上で心掛けたことは?

井ノ原:実際、登生くんには…。

道枝:初めてお会いしました。

井ノ原:僕は、俊美さんとは、約1年前にお会いして、一緒にギターの練習をさせていただいたりとかして。劇中では役名も違うし、「僕に寄せなくていいからね」っていう話はされていて。とても温かい方なので、(出身地の)福島のイントネーションがちょっと出たりとか、そういう柔らかさは盗ませていただく部分はありましたね。基本的には、「(福島なまりで)僕に寄せなくていいかんね~」って言ってもらえたので、楽に自分なりに演じました。

道枝:僕は、今日初めて登生さんにお会いしたので、撮影の時はどうなるか分からなったんですけど。中学生時代は声を普段より高めにして、高校時代はちょっと猫背にしてみようかというお話を監督さんとしたので、気を付けました。僕、普段は猫背じゃないから、大変でした(笑)。

井ノ原:背もめちゃくちゃ伸びたしね。

道枝:伸びましたね。

井ノ原:去年の今頃、撮影が始まって…。

道枝:去年、174cmくらいだったんですよ。

井ノ原:僕とあまり変わらなかったかと思うんだけど、撮影が終わる頃に「あれ?ちょっとデカくなったな」と思って(笑)。

道枝:ははは(笑)。

井ノ原:ちょうど成長期のいい時期にやらせていただきましたけど。でも、想像でしかなかったんだよね。

道枝:「こうかな?こうかな?」と。自分でも合ってるのか分からないまま、試行錯誤しながら、演じました。

井ノ原:原作がさ、小説とかではないので、お弁当のレシピとか、エッセイの原作なので。そこから読み取っていくっていうのは、本当に想像力を掻き立てられるよね。

道枝:そうですね。

井ノ原:2人で、現場でいろいろ話をしながら、作っていった感じですかね。

──親子や友達との絆が劇中では描かれていますが、現場で感じた絆はありますか?

井ノ原:ある?(ニヤニヤとしながら)特にない?特にない?

道枝:なんで、ないほうに持っていくん?あるから(笑)。

井ノ原:ははは(笑)。あるの?じゃあ、ちょっと聞かせて!

道枝:若林時英くんと、森七菜ちゃんと、僕の3人でお弁当を食べるシーンがあるんですけど、そこで、「このセリフだけは言って」っていうのだけ決めて、他はアドリブだったんですよ。本番でアドリブで話していたんですけど、他の人が言葉に詰まるのをフォローし合いながらやっていたところに絆を感じましたね。

井ノ原:あれは自然なシーンになってるなと思ってたんだけど、そういうことだったのか。エチュードというか、自分たちで作り上げたんだなっていうのが見えて(良かった)。1度、ライブハウスのシーンの時に、控室がカラオケボックスだったことがあったじゃん。

道枝:あったね。

井ノ原:若林くんと森さんとミッチーの3人が、カラオケボックスで歌いだして。ちゃんとカラオケで楽しんでいて(笑)。

道枝:最初、森七菜ちゃんと時英くんがカラオケしていて。ちょっとうらやましそうに見ていたら、パパが「入っちゃえよ」って言ってくれて。

井ノ原:俺が言ったんだっけ!?

道枝:そうそう!それで入っていきました。

井ノ原:そっか。それで心配でまた見行ったら、ニコニコ座って2人の歌を聴いてるから、歌えばいいのにと思って(笑)。あとで歌ったの?

道枝:歌った!

井ノ原:3人の空気感がすごくよくて、本当の友達みたいで。

──井ノ原パパはどんなお父さんでしたか?

道枝:めちゃくちゃ優しくしていただきましたね。

井ノ原:またまた~(笑)。

道枝:またまた~って何(笑)。

井ノ原:いいこと言って!

道枝:いいこと?毎日お昼ご飯を一緒に食べたりとか、すごく貴重な時間でした。あと、僕の誕生日7月なので、撮影の時は2ヵ月くらい過ぎていたんですよ。それなのに、覚えてくれていて、撮影中にスニーカーをプレゼントしてくれたんです。

井ノ原:こないだ履いてくれてたよね?

道枝:そうそう。今日も履いて来てる!

井ノ原:本当に!?あ~うれしいわ!なんかね、「このスニーカー好きなんですよ」って言ってたんです。それで、「確かに似合うな」と思って、ネットで探していたら、いい感じのがあって。

でも、サイズを聞いたら、みるみるデカくなってるから、「これ、ちょっと…(あげても)大丈夫かな?」と思っていたんです。去年あげたんですよ?そうしたら、この間履いてきていて。絶対きついと思うんだよ。無理して履いてるでしょ。

道枝:無理してないよ(笑)。

井ノ原:つま先、パンパンじゃない?

道枝:パンパンじゃないよ!余裕!

井ノ原:本当に?

道枝:全然余裕!

井ノ原:「余裕だよ」って言ってくれるんですけど…あ、今、「ため口協定」のこと言っておいたほうがいいんじゃない?

道枝:あ!撮影前に、「ため口協定」を結びました。驚いている方もいらっしゃるかもしれませんが。今、すっかり忘れてました!

井ノ原:若いやつどうなってるんだって話になってきますから(笑)。

──井ノ原さんから見て、道枝さんは息子としてどうでしたか?

井ノ原:こっちに気を使わせないというか。いい意味で無理をしてない子なんですよ。無理しないで…例えば、僕が座っていたら、「お茶飲みますか?」とか言ってくる後輩とかもいるじゃないですか。そうじゃなくて、隣にただ座ってくれるっていう。今日も1日、昼間からいろんな取材をしてきたんですけど、僕が「疲れたな~」って座ると、横に座ってくれるんですよ。それだけで、距離感をこっちから詰めなくても、縮めてくれたっていうのが、とてもやりやすかったですね。

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──自分の人生に影響を与えた人や言葉はありますか?

道枝:僕の憧れの先輩、Hey ! Sey ! JUMPの山田涼介くんですね。これはずっと変わらず言っているんですが、山田くんが『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の主演をやっていまして、それを見た時に「ジャニーズに入りたい!」と思ったので。

井ノ原:「じっちゃんの名にかけて」っていう言葉で。それが、心に残る言葉(笑)?

道枝:「謎は全て解けた」と。それがかっこよくて。

井ノ原:さっきからね、明日の『めざましテレビ』の取材を受けていて、「明日はHey ! Sey ! JUMPの伊野尾(慧)くんが出るんですが、いかがですか?」って言われても、「山田くんが一番好きです」って言い続けていて(笑)。

道枝:すみません!

井ノ原:でも、彼がいなかったら、今ここに(道枝が)いないってことだもんね。

道枝:そう!

登生:僕は、(父が所属する)TOKYO No.1 SOUL SETのメンバーとか、お母さんとか、電気グルーヴの皆さんとか、その周りにいるスタッフさんとかに囲まれて育ったので、その方々の空気感には影響を受けています。

俊美:悪い影響だね(笑)。僕は、親父かな。親父ができないこと、本当はやりたかったことをやっている気がしていて。なんとなく仕草とかマネはしています。だから、(自分が音楽をやっていて)喜んでいますよ。

井ノ原:何か言われた言葉とかって覚えていますか?

俊美:小さい時から言われていたのは、「必要なものとほしいものは違うぞ」と。言われたときは「何言ってるのかな~」と思ってたけど、大人になると分かるよね。登生にも言っちゃってる自分もいるし。

井ノ原:思いがちゃんと受け継がれているんですね。ステキなお話すぎて…僕どうしよう。やっぱり年上の人の言葉は響くなと思っていて。やっぱり(影響を受けたのは)うちのリーダーですかね。坂本(昌行)くんは、僕が40歳を超えた時かな…坂本くんが40歳になった時かな。

「大人だな~」なんて思っていたら、「40歳を超えたら同い年」みたいなことを言っていて(笑)。それはなんとなく分かるなと。自分も40歳を超えた時に、「グループ内でかっこつけてもな~」っていう感じになってきたような気がしますね。

リーダーは、割と「いくぞ!」っていう感じじゃなくて、フワッとした空気を出して引っ張るタイプなので、そこはちょっと感謝していますね。

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──学生時代のお昼の思い出はありますか?

道枝:昼休みは僕の学校もソーシャルディスタンスを守っています。いつもより遠い感じはするけど、慣れたらいつもと変わらない感じがします。グラウンドでサッカーをしたりしますし。友達と、輪になってパスしたり…。

井ノ原:あ、踊るんじゃなくて?

道枝:踊れない(笑)。

井ノ原:やっぱり、お腹すくでしょ?

道枝:すくね。

井ノ原:量ってどれくらい食べるの?

道枝:えっとね、きつねうどん1杯。

井ノ原:きつねうどん1杯!?全然食べてないじゃん!

道枝:でも、それで結構満たされるから。だからたぶん、ガリガリなんだけど(笑)。

井ノ原:食べそうな感じなんですけどね。

道枝:食べる時は食べます!

井ノ原:(渡辺俊美に向かって)「焼肉おごれ!」って言ってくるんですよ~。

道枝:でも、焼肉は本当に食べます。この前もなにわ男子のメンバーで焼肉連れて行ってもらって。どれくらい食べたか、明確には覚えてないけど(笑)。

俊美:ごはんは?

道枝:その時は、ごはん食べずに肉中心で。カルビとか、シャトーブリアンとか。

井ノ原:そんないい肉食べてるの!?

道枝:あ、いや、違う違う!やっちゃった~(笑)。

井ノ原:いいんじゃない?なんでも食べたい時期だもんね。

道枝:はい!

──最近父親に似てきたなと思うことはありますか?

井ノ原:どう?お父さんおいくつなんだっけ?

道枝:えっとね、10月で50歳になりました。

井ノ原:お若い。うちのリーダーの1個違いですからね(坂本は49歳)。似てると気づかないものだったりするから、気づいてないんじゃない?

道枝:確かに。普段、似てるとか意識して生活してないから。

井ノ原:しかも、今一緒に暮らしてるからね。

道枝:なんやろな…。

井ノ原:お父さんと、何か約束してるんじゃなかったっけ?

道枝:「将来車買ってくれ」って言われています(笑)。

一同:(爆笑)

井ノ原:最高でしょ?

道枝:しかも、イマドキの車じゃなくて、昔お父さんが乗っていたスポーツカーを買ってくれと言われていて。

井ノ原:逆に価値のあるやつね。この話、大好きで僕。いつも聞いているんですよ(笑)。

俊美:いい話。

井ノ原:モチベーションになるじゃないですか。

道枝:頑張ろうと思えるんですよね。喜ぶ顔が見たいので。

井ノ原:いい子!ぜひ、買ってあげて!

道枝:買います!お父さん!

俊美:(登生に向かって)俺も買って!

井ノ原:(道枝に向かって)俺も買って!

道枝:あ…買います!

井ノ原:みんな同じ車に乗っちゃって(笑)。僕なんかは…誰かが何かできなくて、それを代わりにやってあげる時に「どれ?」って言うんじゃなくて、「どら?」って父が言っていたんですよ。子どもの頃から不思議に思っていたんですけど、いつの間にか僕も「どら?」って言っていて。こういうの似ちゃうんだなと思いました。

──最近、絆を感じたことありますか?

道枝:なにわ男子がジャニーズJr.全体で『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に出させていただいたんですけど、出番直前になにわ男子で円陣を組みまして。そこは絆を感じましたね。

井ノ原:俺も番組見てたよ。良かった~。

道枝:ありがとう!赤の衣装を着て、肩組んで…ファーが当たるんですけどね(笑)。

井ノ原:僕らの曲を歌ってくれたんだよね。

道枝:そう!「Can do! Can go!」を歌って。

井ノ原:そのちょっと前に「パパ~『Can do! Can go!』歌うよ」「マジかよ」っていう話をして(笑)。あれはめちゃくちゃよかった!そうやって、円陣組むと気合も入るしいいよね。

道枝:うん。

井ノ原:僕もやっぱりグループで、もう少しで25周年になるんですけど、最近一緒にいることが多くて。リハーサルとかでも、細かい打ち合わせとかでも一緒なんですけど。

昨日かな…リーダーが、「ここ、俺じゃないほうがいいんじゃないかな」って言った時に、みんなが「いやいや、絶対リーダーがいいよ!」って、みんなが同じ意見だったのが…みんなが同じ意見って、うちのグループ珍しいので、「お、みんな同意見じゃん!」って思って。リーダーがまんざらでもない顔してましたね(笑)。それがうれしかったです。

映画「461個のおべんとう」は、11月6日(金)公開。

最新情報は、映画「461個のおべんとう」公式サイトまで。