10月22日(木)、フジテレビで放送された『ノンストップ!』で、MC・設楽統と星野源のスぺシャル対談が実現した。
星野は、今年ソロデビュー10周年を迎え、10月21日(水)に「Gen Hoshino Singles Box “GRATITUDE”」をリリース。今作の特典DISCには、2016年10月より番組テーマ曲となっている「Non Stop」も収録され、初めてCD化されることでも話題となっている。
放送後、大反響を呼んだスペシャル対談の模様を、リポートする。
「源くんとバナナマンは10年よりも前から絡ませてもらっている」(設楽)
(スタジオで星野源を待つ設楽統)
設楽:空気的に緊張の感じが出てますけどもね。どんな話をするのか楽しみですね。
(そして星野がスタジオに)
設楽:あ、源くん(と、ペコリ)。
星野:よろしくお願いします。
設楽:源くんがソロデビューして、10周年。6月にもうなってんだよね。
星野:そうなんです。6月23日に、10周年になりました。
設楽:で、それを記念して、シングルを集めたボックス。
星野:グラティチュード。
設楽:グラティチュード、感謝でしょ。
星野:そうです。感謝。
設楽:ノンストップ!のテーマ曲(も収録されて)。
星野:あ、そうですよ。
ふたりの友情から生まれた番組テーマ曲「Non Stop」
ほっこりした雰囲気でスタートした対談。この後、番組テーマ曲「Non Stop」はふたりの友情から生まれたことが明らかに。
設楽:僕らバナナマンは、わりと源くんと、この10年だけじゃなくてもうちょっと前からいろいろ、一緒に絡ませてもらってるというか。
星野:そうですね。
設楽:だから、「ソロになってもう10年なんだ」って思ったんだけど。
星野:一番最初に会ったときは、こういう感じになると思ってなかったですもんね。
設楽:全然だよ。
設楽:(初めて会ったのは)2006年の『アキハバラ@DEEP』(TBS)ですよ。
星野:そうか。もう、もう14年前なんですね。
「設楽さんの最初の印象は…ちょっと怖かったです」(星野)
星野:印象は、設楽さんは、やっぱりちょっと怖かったです。
設楽:いっひひひひ。
星野:怖かったって、怖いふうにしてたっていうよりも、日村さんは、撮影でも毎日一緒だったっていうのもあって。でも、たまに設楽さんが来られるときに、なんていうか、何を話したらいいのかちょっとわからなくて、ドキドキしながら見てました。
設楽:俺の源くんの最初の印象は、あの、ギターを持ってきてて、現場に。だから、なんかギター持ってこう、陽気なね…。
星野:(手で顔を隠し、恥ずかしそう)
設楽:「あのー、現場でも俺、ギターとか弾いちゃうんすよ」みたいな人なのかなと思った。
設楽:あれは、作曲してたんでしょ?あの合間に。
星野:そうです。あれはもう、『アキハバラ@DEEP』のための曲を作らなきゃいけなかったので。ご陽気者だったわけじゃないです(笑)。
設楽:でも、そのイメージがあったので、休憩途中でなんかやってもらったりとかして、みんなで。
星野:そう。「あの曲やってよ」みたいな感じはありましたよね。
設楽:だから、今考えたら天下の星野源にさ、「なんかやってよ」みたいな感じでやってたんだよね。
星野:なんか青春感、部活感みたいなのがありますね。すごく楽しかったです。
設楽の無茶ぶりで!?星野がバナナマンのコントライブのオープニング制作
元々、シティボーイズ(大竹まこと、きたろう、斉木しげるの3人で構成するコントユニット)のライブを見るなど、お笑い好きだった星野は、2007年、バナナマンのコントライブのオープニング曲を作ることに。
設楽:お笑い単独ライブ、バナナマンのライブをやってて、オープニングの曲を自分たちのライブ用にアーティストの人に頼んで、お願いするってことで。それで、「とにかく速いやつお願いします。疾走感のあるスピード感があって、これからライブを見る人がワクワクするような」っていうね。
星野:それだけでしたね。
設楽:もう「速い、速い」しか言わなかった。
星野:いや、でもそうだろうなって思ってました。そういうもんだよなっていうか。コントのオープニングっていうのは、イメージがあったので、シティーボーイズさんのコントライブ大好きだったし、その中でワクワクする感じってあるじゃないですか。1本目のコントがあって、1本目のコントが暗転した瞬間に曲かかるみたいな。で、映像も同時に流れるみたいな。あのワクワク感みたいなのは、やっぱ疾走感あったほうがいいと思うし…というのは、本当にその一言ですぐわかったので「了解です」みたいな。
番組ではここで、バナナマンのコントライブ用に初めて作った曲を流す。
星野:なんかそういう中で、それを発展させて自分の音楽としてちゃんとレコーディングするみたいなのも、その中でどんどん自分たちの幅が広がってくっていうんですかね。普段、自分がしないチャレンジができるっていうか。
設楽:うん。
星野はそれから2012年までの6年間、バナナマンライブのオープニングを手掛けた。この制作経験そのものが星野のソロデビュー後に活かされることに――。
星野:はじめてのタイアップ、主題歌は「フィルム」という曲で、映画だったんです。「キツツキと雨」という小栗旬くんが、主演の映画で。あと、一番最初のCM曲がたぶん「夢の外へ」だったと思うんですけど…。
設楽:そういうの(タイアップ)がつくと、やっぱり「おっ!」というのがあるわけ?
星野:そうですね。自分は、そういうのをやりたいタイプだったので。
設楽:「ドラえもん」もね。
星野:「ドラえもん」もあって。そうですね。
設楽:「ドラえもん」の歌を歌うって、ちょっとまたそれはそれでなんか感動だよね。
星野:いや、そうなんです。小さい頃からやっぱ好きだったから。タイトルがその作品名の曲ってアニメ、昔多かったじゃないですか。
設楽:その作品の歌ね。
星野:そういう感じを、「ドラえもん」でやってみたいなと思って。
設楽:あのキャッチーなね。「♪どどどどどどどどどドーラえもん」。もう、覚えちゃうもんね。
星野:こう、テーマみたいなのを振られると、それに対して作りたくなるんです。例えば、ラブソングを全然作ったことないけど、ラブストーリーならラブソング作れるみたいな。そういう飛躍がどんどんできるのがすごく楽しくて。その始まりっていうんですかね、それをたくさん試せたのは、バナナマンライブはすごくあると思います。
設楽:うれしいね、それは。
10年を振り返り…思い出深い曲は「SUN」
設楽:いろいろあった10年でしょうけど、シングルごとに振り返ってみると、どうですか?
星野:でもやっぱり「SUN」(※)は、すごく思い出に残ってます。
※2015年発売の8枚目のシングルでドラマ『心がポキッとね』主題歌。この曲の大ヒットで『NHK紅白歌合戦』への初出場を決めた。
設楽:ここはもう、業界的にも世間的にもここ、「星野源大爆発!」だもんね。
星野:そうですね。ここらへんからすごく知ってもらえましたね。
設楽:「SUN」「恋」のコンボでもう「星野源ここにあり!」が隅々まで行き渡った感じだったよね。俺も思ったもんね、ここらへんで。「ほれ見たことか!」と。
星野:あはははは(と、膝を叩いて笑う)。
設楽:あの、さいたまスーパーアリーナのあのでかさで…。
星野:3万人くらいですかね。
設楽:あの中にいる星野源を見たときに、「あれ?もう行っちゃった」って思ったんだよね。実際、自分の目であの観客の中にボンッていって、ガーンってやってるとこ見て「はー、もう行った、行った」って思った。
設楽が感じた通り、星野はスターダムを一気に駆け上がる。去年は、日本人男性ソロアーティストとして5人目となる5大ドームツアーを開催、33万人を動員し成功させた。さらに、上海やニューヨークなどを巡るワールドツアーも敢行した。
星野のライブにバナナマンがVTR出演「一番すべったらどうしよう」(設楽)
星野:自分のライブでも、バナナマンさんに、おふたりに映像でいつも出てもらってるじゃないですか。
設楽:ライブ途中の合間に、「ミュージシャンからビデオメッセージがあります」って言って、俺らがミュージシャンぽいコントをやるっていう。で、また源くんがマニアックな発注をしてくる(笑)。我々ずっと「赤えんぴつ」っていうフォークデュオのネタをやってたりするんですけど、源くんのライブを見に行って、そのライブは楽しいんだけど 、VTRが始まるとき超ドキドキしちゃって。「一番すべったらどうしよう」みたいな。
友情を深めてきたふたりが出会って、10年。ついにこの曲が誕生した。
設楽:『ノンストップ!』のテーマ曲。
星野:ああ、そうですよ。
設楽:「♪ノンストップ!ノンストップ!」で始まるこの曲を、源くんが作ってくれたんだけど。これが2016年、だからもう4年前かな。
星野:そうか、そうか。
番組テーマ曲のオファー受け「じゃあ、あれだろう、と」(星野)
設楽:これもね、複雑なんだけど、言っちゃうと、実は日村の誕生日ソングをやってる中で派生してるんだよね。
星野:そうですね。
設楽:44歳の日村さんへのバースデーソングが「♪ノンストップ!ノンストップ!」っていう、日村さんをちょっと小馬鹿にしながらお祝いする歌みたいな感じで。
星野:そうですね。ちょっとギャグ的な歌というか。で、そのときは、日村さんのお誕生日を祝ってる歌なんだけど、途中から設楽さんを祝うっていう方向にスライドするっていう曲だったんですよ。
設楽:そこからだもんね。「♪ノンストップ!ノンストップ!」、まんまフレーズ一緒だもんね。
星野:そうですね。ちょうどそのあたりに『ノンストップ!』さんから「テーマソングを書きませんか」というオファーをいただいたので、「じゃあもう、あれだろう」っていうか、あのまんまっていう。それこそ『ノンストップ!』は、特に設楽さんがMCで…こういう帯番組って初めてだったんでしたっけ?
設楽:こんな帯は、初めて。
星野:それでまたテーマ曲作れるっていうのもうれしかったし。
設楽:なんか一番最初にあった、楽屋のたまりでみんなでしゃべって、「なんかやってよ」の感覚が、どんどんデカくなってる感じというか。
星野:そうですね。
「ああ、紅白に一緒に出てるんだ、って感慨深かったね」(設楽)
設楽:あの感覚はあるじゃない。なんかちょっと楽しい感じでやってるのが、大々的になっていくみたいな感覚がちょっとある。俺、紅白もそうなんだよ。源くんの初紅白のときに、我々も紅白の仕事させてもらっていたから、ステージに応援で一緒になったときに、「ああ、紅白に一緒に出てるんだ」ってなんか感慨深かったね。俺、ミュージシャンじゃないんだけど(笑)、国民的番組に昔からの知り合いと一緒に立ってるみたいな感覚は、すごくうれしかったよね。
星野:初めて会った頃の感じで「これやったら面白いよね」とか「こういうの面白いよね」みたいな。そのテンションがずっと続いてる中で、どんどん規模が大きくなっていって。
設楽:まさに、今もそうだしね。
星野:そうなんですよね。それが楽しいですよね。パッと思いついて「うわ、これ面白いな」みたいな。「でも、みんなやらないな」みたいなこととかを、大きな舞台でできるという楽しさは、かけがえのないもので。
設楽×星野 “お互いに言いたかったこと”初告白
設楽:初めて明かす、こんなこと思ってた、言いたかったっていうのをお互いにちょっと…。
星野:テレビとかで、こういう番組とかでご一緒するときの設楽さんと、娘さんとライブに来るときの顔が違いすぎる。
設楽:あっはははは。それはそうでしょ(と、照れ笑い)。
星野:ちょっと…(吹き出して)違いがすごすぎて。
設楽:どういうふうに違う?
星野:ライブに来てくださるときは、優しさの“化身”みたいな感じ。優しさで包まれてるみたいな感じなんですけど、バラエティの設楽さんは怖いんですよ。
設楽:嘘だ。
星野:本当に。マジ怖いんです。全然目も見てくれないし。
設楽:そんなことないよ!
星野:こういう(今回の対談のような)ときは見てくれるんですけど、いわゆるバラエティのときで、他に出演者の人がいっぱいいるときは、スイッチが入られてると思うんですけど、怖いんです。
設楽:気をつけるよ。でも、源くんのライブを家族と見に行ったときはもう、そりゃオフってるというかね。
星野:やっぱりそういうスイッチとかってあるんですか?それ、ちょっと聞きたかったです。
設楽:自分では全然意識してない。でも、確かに仕事やってるときの顔は、家族とかからも「家とは全然違う」とか言われる。そりゃそうじゃん。家でこうまず、目に力入れてないから。
星野:あ、そうですね。確かに、確かに。
設楽:もうこう(だらけた感じ)なって、姿勢もこんなん(横に倒れそうに)。だけど、やっぱテレビだとシャキッ!として、ただでさえ人相悪いから…ちょっと。
星野:そういう思いもあるんですか?
設楽:ある。やっぱちゃんとこう、ちゃんとしないと。そういうのがあるな。ちょっとじゃあ、意識する。
星野:お願いします(笑)。
設楽:俺から源くんに初めて明かす言いたいことは、俺も曲を作ってほしかった。
星野:あはははは。
設楽:俺の誕生日は、森山直太朗くんがハッピーバースデーを歌ってくれるというのがあるんだけど、源くんのは、ほらオリジナル曲だから。
星野:日村さんが自分に作ってもらった曲を流しながら、車でドライブしてる話とかをすごくうれしそうにしていたとき、「ふーん」って聞いてましたもんね。
設楽:まあね。それはそれでいいんだけど、初めて明かす!俺も本当は曲を作ってもらいたかった!
星野:あはははは。
「10年後は、ちゃんと休んで仕事して、という人間になりたいですけど…」(星野)
設楽:ここからの10年、10年後とか、なんとなくどうなってればいいなとかビジョンあります?
星野:10年後ね…。
設楽:今、源くんっていくつだっけ?
星野:39です。
設楽:じゃあ、49のときの自分だ。俺、今47だからあと2年後49だけど。
星野:そっか。10年後か…いつも思うのは、すごく良いペースでちゃんと休んで、1年の中で休んでちゃんと仕事して、みたいな人間になりたいなって思うんですけど、たぶんめちゃくちゃ働いてるんだと思います。
設楽:いや、ずっと走り続けている感じはあるよね。
星野:今年はコロナもあったし、予定通りじゃないこともたくさんあったので、シングルリリースとかできてないんですけど。これからは、面白いものをいろんな人に届けるみたいなのをやりたいなと思ってます。なんか、わけわかんないことやってたいですよね。それこそ????とか。
対談のVTRはここで終了。星野が語った“わけわかんない????”がスタジオで明かされた。それは…。
「ハリウッド映画の音楽とか、もしかしたら設楽さんの曲も作っているかも」
スタジオで設楽は、「源くんとは、15年来の友人、親友。知り合いだけど、こうやって振り返ってちゃんと話すって、そんなにないんでね」と、少し気恥ずかしかったと明かした。
また「源くんは、ずっと(作品を)作り出すという事をこの10年やってきて。僕も刺激になりますし、自分もそういう存在になれたらいいなと思います」と語った。