10月12日(月)に映画「みをつくし料理帖」(10月16日公開)公開記念スペシャルイベントが行われ、主題歌「散りてなお」を作詞・作曲した松任谷由実と角川春樹監督が登壇した。
この作品は、髙田郁によるベストセラー時代小説「みをつくし料理帖」の劇場版映画。角川監督が「生涯最後の作品」としてメガホンをとったもので、女料理人の成長と不変の友情などを描いている。
松任谷はこれまで、映画「ねらわれた学園」、「時をかける少女」の主題曲を歌い、「Wの悲劇」では薬師丸ひろ子に呉田軽穂名義で主題歌「Woman “W の悲劇”」を提供するなど角川映画とは40年来の親交があり、今回は手嶌葵に主題曲「散りてなお」を提供した。
手嶌葵が福岡からリモート参加!松任谷から褒められ赤面!?
松任谷は角川監督との初タッグとなった「ねらわれた学園」での主題歌オファーを「大仕事が舞い込んだなと思った」と振り返り、「薬師丸ひろ子さんは目力もあってパワーがある印象で、すぐに曲ができそうな気がした」と回顧。
そして角川監督に「1976年に松任谷由実になって商業的に低迷していた時期。それが(映画の主題曲として制作した)『守ってあげたい』で再ブレイク。再ブレイクは本当にエネルギーのいることですが、角川さんが声をかけてくれたからこそ。今があるのもその時のおかげです」と感謝を述べた。
今回の楽曲制作については、「角川さんから『春よ、来い』を超える歌を作ってくれと…。大変難しいお題でした」と振り返った。
続けて「作品全体の世界観を5分間にギュッと凝縮して、聴いたことがあるけれどまだどこにもないメロディを意識。それができたと思うし、必ずや沢山の人に聴いてもらってカバーをしてもらいたい。私自身も早々とセルフカバーをしています」と明かした。
松任谷は、「(角川監督を)この曲で泣かせます!と宣言をした」とのこと。角川監督も「泣きました!」と明かし、「これまでのユーミンの曲とは違う、異質な楽曲。歌詞も古典的。それに驚いた」と感想を述べた。
イベント後半には楽曲を歌う手嶌が福岡からリモート参加。
楽曲の感想を聞かれた手嶌が「懐かしい感じがして、小さい時の思い出が蘇った」と答えると、松任谷は「それを届けたくて作りました。手嶌さんの優しい歌声が名もなき川の景色を連れてきてくれた。草が音をたてるような懐かしい感じを手嶌さんの歌声から感じました」と笑顔で答えた。
手嶌の歌声が夢の中に現れたことから抜擢したという角川監督。
松任谷が「手嶌葵さんのお名前が挙がったときは、モチベーションが上がりました。歌ってほしいと思っていましたから」と思いを伝えると、手嶌は照れた様子で顔を隠しながら「嬉しい」と感激していた。
最後に松任谷は、「角川さんは歴史上の人物だと、今になって改めてひしひしと感じました」と今回の対談を喜ぶと、角川監督も「初めて会った20代中盤頃のユーミンの姿が思い出されました」と懐かしそうに目を細めた。
映画「みをつくし料理帖」は10月16日(金)全国公開。
©2020 映画「みをつくし料理帖」製作委員会
配給:東映
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