9月25日(土)23時40分より、伊野尾慧主演、オトナの土ドラ『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』Season1 最終話が放送される。

本作は、完全記憶力を持つ民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧)と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉(神宮寺勇太)の凸凹バディによる謎解きミステリー。

『東海テレビ×WOWOW共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察』の記事はこちら!

幼少期、青い提灯の「死者の祭」に紛れ込んでしまったことで、人の嘘が歪んで聞こえるという“孤独の呪い”をかけられてしまった大学生の深町尚哉(神宮寺勇太)。

大学でたまたま出会った民俗学の准教授・高槻彰良(伊野尾慧)と共に再び「死者の祭」に向かい、死んだはずの祖父たちと対峙。ついに本物の怪異と遭遇することになる。

最終回に向け、これまでのあらすじ、そして物語のキーポイントを振り返る。

①あらすじ

8年前。楽しみにしていた村祭を、発熱により棒に振ってしまった少年。ふと夜中に目を覚ますと、外からはまだ祭の音が。少年は家を抜け出し、祭に紛れ込む。青い怪しげな提灯明かりの中、誰もがお面をつけている――それは、人が立ち入ってはいけない「死者の祭」だった。

その日以来、人の嘘がわかるようになってしまった深町尚哉(神宮寺勇太)。人が嘘をつくと、その声が歪み奇妙な音になって聞こえてしまうのだ。そのたびに、人の業に押しつぶされそうになる尚哉。人間とは、なんと身勝手な生き物なのか、と。

他者との繋がりを避け、ひとり“孤独”を抱え生きていたが、そんな中、何となく受講した「民俗学Ⅱ」の准教授・高槻彰良(伊野尾慧)に、尚哉は興味を持つ。高槻の言葉には「ウソ」がまったくなかったのだ。

「死者の祭」

怪異が大好きという高槻の助手になった尚哉は、その後「コックリさん」や「不幸の手紙」など、さまざまな怪異事件と遭遇。

その裏にある人の思いを、やさしい解釈で救っていく高槻と行動を共にするうち、人を信じられるようになり“孤独の呪い”から解放されたかに見えた。

が、尚哉と同じように「死者の祭」に紛れ込んでしまった遠山(今井朋彦)との出会いで再び心を閉ざしてしまう。

そんな尚哉に高槻は、自身も怪異体験者であったことを告白。尚哉が自分に起きたことと向き合うのなら、とことん付き合うよ、とやさしく言うが――。

遠山宏孝(今井朋彦)

“孤独の呪い”とは?

幼少期の怪異体験で人の嘘がわかるようになってしまった深町尚哉。心を許したはずの家族や友人の嘘や悪意にさらされ続け、人を信じられない“孤独の呪い”にかけられていた。

物語の中で一瞬、嘘がわかる能力を失った尚哉だったが、むしろそれは尚哉の孤独を加速させることに。「嘘」がわからなくなることで、耳に入ってくるすべての言葉が信じられなくなってしまったのだ。

「その言葉が本当かどうかも…今の俺にはわからないんです」

人の「嘘」を知ってしまったがために「嘘」がわかってもわからなくても、他人を信じられなくなってしまう恐ろしい呪い。高槻と尚哉はこの呪いを解くことができるのか。

③民俗学

このドラマは、民俗学がひとつのテーマとなっている。民俗学とは、その土地に古くから伝わる風習や伝承・伝説などを素材として、庶民の生活や文化の変化を研究する学問のこと。

その中で高槻は、怪談や都市伝説をメインに研究をしているちょっと変わった准教授だ。例えば「不幸の手紙」について高槻はこう解説している。

「何か悪いことが起こったとき、人はその原因を求める。理由がわからないのが不安だからだよ。そこに説明をつけてくれるのが『呪い』というシステムだ。一旦『呪い』だと考え始めると思考は、マイナスに向く。気持ちだってどんどん沈んでいくから当然何をやっても普段よりうまくいかない。そうやって人は自分を呪いにかけて縛ってしまうんだ」

第5話より不幸の手紙を受け取る難波要一(須賀健太)
不幸の手紙


最終回では「古事記」「巻き幣」「お盆」がキーポイントとなる

巻き幣

第7話「四時四十四分の怪」を見逃した方、もう一度見たい方はFODをチェック!

心を救う“やさしい解釈”

このドラマを語る上で外せないのが、主人公の高槻彰良による“やさしい解釈”。「怪異は現象と解釈で成り立つ」というセリフがあるのだが、例えば、かつて雷が科学的に解明されていない時代、人々は空から落ちてくる稲妻を「雷様」が落としていると解釈した。

それが「空には雷様がいる」という怪異を生み出す。理解できない現象をそのままにしておくと怖いから、人々は個々に自分が納得できる解釈をするのだ。そして、この考え方は怪異だけでなく人生にもあてはめられる。ドラマの第1話では、病弱なクラスメイトの存在を忘れてしまった児童たちに「友達思いの理想の子でいてほしい」という理由で、教師がニセの怪異事件を起こすのだが、そんな教師に高槻は…。

「あなたの言う理想は、大人の価値観の理想じゃないですか?忘れることも子どもにとっては成長の証です。子どもの毎日は『初めて』で溢れているんだから」

コロナ禍の今、多くの視聴者も自分の力ではどうしようもできない理不尽な出来事に苦しんでいるかもしれない。そんな苦しみも解釈の仕方を変えることで少しだけ人生が楽になる。人生にとっての気づきを与えてくれるのも、このドラマの魅力のひとつだ。

伊野尾慧、神宮寺勇太、岡田結実が語る、それぞれの“異能”

最後は、クランクアップを迎えた、伊野尾、神宮寺、岡田に、本作の「異能を持つ凸凹バディ」にかけて、ご自身の「人より優れた才能」は?と聞いてみた。

伊野尾:芸能活動しながら建築学科の大学を出ていること、ですかね。意外とそういう生い立ちの方がいないので珍しがってもらえることもあり、建築をやっていて良かったなと思うときがありますね。昔「図面が描けるアイドル」なんて言われたこともありました(笑)。

神宮寺:おじいちゃんたちと仲良くなるのが早いです!僕は、将棋が好きなのですが、世の中のおじいちゃんも将棋好きな方が多いですよね。自分で言うのも本当におこがましいのですが、孫世代の僕が将棋について楽しげに話したりするところが、おじいちゃん世代から見ると可愛いと思ってもらえて仲良くしてもらえるのではないかと思います。

巣鴨とか行ったら、たぶんすぐ友達ができるのではないかと勝手に思っています(笑)。

岡田:寝ているときに、目が開くこと(笑)!例えば、友達といるときに「ねー、結実」と話しかけられても、私がまったく反応しないから「寝てない?」と起こされて「あ、寝てた」「目、開いてたよ」みたいな会話がよくあります。

うっすら目が開いて白目のときもあれば、黒目まで見えているときもあるらしく、でも、「それって授業で寝ていてもバレないのでは?」と思うと、“人より優れている”と言えるんじゃないかと自分では思っています(笑)。

第7話「四時四十四分の怪」を見逃した方、もう一度見たい方はFODをチェック!

<最終話あらすじ>

「べっこう飴を選べば、お前は孤独になる」。人の嘘がわかる呪いをかけられた祭から8年。

尚哉 (神宮寺勇太)は、高槻(伊野尾慧)とともに、再び“青い提灯の祭”に足を踏み入れる覚悟を決める。

村ではもう祭は行われていないというが、近隣の女性(ふせえり)や謎の老人(モロ師岡)の言葉はそれが嘘であることを示していた。

一方、瑠衣子(岡田結実)は、知り合いの神主(ベンガル)から「呪いの言葉が死者を呼び起こす」と、不吉な情報を聞き出す。