青葉被告を生かした主治医、裁判に臨む遺族の思い…『ザ・ドキュメント 生かされた理由~京アニ事件の深層~』放送
2月9日(金)25時25分~カンテレ『ザ・ドキュメント 生かされた理由~京アニ事件の深層~』(関西ローカル)
<小須田康人 コメント>
この番組を見るまで、青葉被告の事件を起こす前の生き方をまったく知らなかったので、収入や周囲とのつながりがあった高校時代は安定していて、むしろ優秀な生徒だったと知って驚きました。
同時に、番組を通して、36人も殺してしまった青葉被告は、私たちとまったく切り離された宇宙人ではなく、自分たちと関わり合っている人間の1人だったと訴えかけられたように感じました。
この事件のような無差別殺傷事件が起こると、まず自分や身近な人が巻き込まれてしまったら、と想像します。けれど、彼が特殊な人だったわけではなかったと知ったことで、誰もが社会から完全に切り離されたり、あるいは切り離されたと思い込んだら事件の加害者側に回ってしまう可能性さえある、とも感じショックを受けました。
これまでは、無差別殺傷事件が起こるたびに、二度と同じことが起きてほしくないと思いながらも「この世の中は、再発を防ぐことに対して無力なんじゃないか」と思っていたんです。でも今回、「諭したり、とがめる人がいれば、止められたんじゃないか」という言葉を聞いて「ただ無力なわけじゃない」と思い改めました。
格差や分断があっていいんだと思わず、人を突き放さない、人とのつながりを切らない、一人ひとりの努力が必要で、そういう心構えがあれば、こういう悲惨な事件も少しでも減らしていけるんじゃないかと気づかされました。
まったく理解できないような人たちが起こした、無関係な世界での出来事ではないとお伝えして、このような事件を防ぐために一人ひとり何ができるか、考えるきっかけにしてもらえればと思います。