2月6日放送の『ボクらの時代』は、公開中の映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」に出演している小日向文世さん、角野卓造さん、松重豊さんが登場しました。
女子高生に気づかれ「こういうことか」
「劇団出身」(※)という共通点がある3人の出会いは、意外にも舞台ではなく、木村拓哉さん主演のドラマ『HERO』での共演。
(※)小日向文世さんはオンシアター自由劇場の出身、角野卓造さんは文学座に在籍、松重豊さんは蜷川スタジオの出身。
松重:『HERO』(※)って、こひ(小日向)さん、いくつのころだったんですか?
(※)第1期(2001年)、第2期(2014年)と「月9」枠で放送。松重さんは、第2期より出演。
小日向:47。
松重:47。
小日向:うん。渋スタだったんですよね、『HERO』のセットが。渋谷スタジオ。
角野:そうそう、渋谷スタジオ。
小日向:僕は、そのころ東松原に住んでたんで、井の頭線で行きましたよ。で、八嶋はラッタッタ(オートバイ)で来てましたから。
角野:(笑)。そうだったね。それは覚えてる、覚えてる。
小日向:でしょ?僕まだ『HERO』のとき、借金だらけですから。
松重:すごいですよね。
角野:俺、山手線で来てたけどね。
小日向:山手線で?
角野:うん。
小日向:電車。基本的に、だいたい角野さんは電車ですんで。
松重:やっぱり、事件だったんですか?『HERO』に関わったっていうことは。
小日向:だから、『HERO』からですよ、センター街歩いてたら。「あー!」って、女子高生に指さされたの。「あー!」って。「あ、こういうことか」って思ったよね。
角野:そう。
小日向:だけど、名前は呼ばれない。「あ、あー!」って。
角野:そりゃそうだな。
小日向:そう、そうです。
角野:私もなかなか名前呼ばれなかったけど、最近は、あの彼女のおかげで。
小日向&松重:(笑)。
角野:(近藤)春菜ちゃんのおかげでね、ちゃんと「カドノさん」って言ってもらえるように。それまでは「カクノさん」とかね。「ラーメン屋のおじさん」とか、そういう感じだったからね(笑)。
続けていればこそ、きっかけがつかめる
演劇人としての下積み時代を経て、「世間が手のひら返したように、こっちを見だす。びっくりする」と松重さん。
小日向さんは、『HERO』出演以前から「まっちゃん(松重さん)は活躍してる」と指摘しますが、松重さんは「してないですよ。他局で飯食い始めて(テレビ東京『孤独のグルメ』)から」と返して、2人を笑わせました。
松重:なんか、そういうのが転がってるじゃないですか。
小日向:いや、転がってないよ。
松重:転がってるっていうか、「これがきっかけなんだ」っていうようなものって。
角野:なんかあるよね。でも「やってれば」だよ。
松重:「やってれば」ですね。
小日向:ああ。
角野:やってるからだよね。狙って、何かしたわけじゃないもん。
3人は、続けてきたからこそ、今があると語り合いますが、小日向さんは「でも、やり続けるのって、だんだん年取ると疲れますよね(笑)」と、本音も明かしていました。
年齢との戦い…セリフを覚えられなくなったらどうする?
劇団・文学座に50年以上所属し、精力的に舞台に立ってきた角野さんですが、現在は舞台を引退。
小日向さんがその理由を聞くと、「健康上の理由が一番大きいです」と打ち明けました。
角野:お医者さまの診断によると「一過性の虚血性脳貧血じゃないですか」って言われたんだけど。要するに、舞台の上で一番気持ち良くテンションが上がって、そのときにふっと、地図が見えなくなる。芝居やってるってことはわかるんだよ。で、どこの劇場にいるかもわかるの。意識はあるんですよ。でも、どこやってるのか、わかんなくなる。
小日向:どこをやってるかわからない?
角野:うん。
小日向:恐ろしいですね。
角野:恐ろしいよ。で、それが10年間の間に3回あった。舞台の上で。
角野さんは、このままでは「周りに迷惑がかかる。何よりもお客さまに迷惑をかける」と思い、舞台を引退したと語りました。
俳優の仕事は、「もう1回お願いしますがある(撮り直しができる)」映像作品で続けていますが、「不思議なことに、映像の仕事をしているときにそういうのが起こったことがないんですよ(笑)」とも明かしました。
小日向:だってさ、俺ももう68だからね。
松重:早いですね。
小日向:俺もいつどうなるかわからないから、それとの戦いだよね。やっぱり舞台は「セリフ飛んだらどうしよう」っていう、その恐怖ですもんね?
松重:脳の中って、自分の中でもよくわからないものとの戦いじゃないですか。
小日向:そう。
角野:でもね、それをいつも考えてたら舞台なんかできないんですよ。できないでしょ?
小日向:だから、それをあんまり考え過ぎちゃうと…やっちゃいけないのかな。
角野:いやいや、こひさんあれだけ舞台もやっているから、大丈夫だよ、それは。大丈夫、大丈夫。
小日向:いやぁ。
カンペを読んででも俳優を続けてほしい
自信のなさそうな小日向さんの様子に、松重さんは「カンペを読んででも俳優を続けてほしい」と懇願。
松重:もうセリフ覚えらんないなら、どんどん僕、出しますから。こうやって(と、カンペを持つ仕草)。
小日向:映画、ドラマとかの?
松重:ドラマでも映画でも。
小日向:もう全然やってほしいよね、それは。
角野:いや、俺は嫌だな。
小日向&松重:(笑)。
角野:俺、それだけは嫌だ。俺、カンペ見ながら芝居するのは、絶対嫌だね。
小日向:厳しい!
ここで角野さんは『HERO』の現場で見た、木村拓哉さんを引き合いに出します。
角野:あるときまで、台本を持っていったときもありましたよ。でも、それはやっぱり恥ずかしいなと思ってね。いや、それこそ『HERO』のときの木村くん。
小日向:ああ、すごかった。
角野:なんにも…一切、現場に持って来ないもんね。
小日向:いやもう、すごい。
角野:相手のセリフが入ってなかったら、あれだけクイックな会話って絶対できっこないから、相手のも入ってるんだろうね。
小日向:そうなの。だからこっちがボーッとしているときに、「何とかだよ」って言ってくれたりするもんね。
松重:あの人はね。
角野さんは「それから、とにかく台本を持っていくのだけはやめよう」と、セリフを頭に入れて現場に臨んでいるそうです。
俳優には「現場で愛され続ける」才能も必要
「元気でいられるなら長生きしたい」「逝くときはあっという間に逝きたい」と語る3人。
そんな中、松重さんの「こひさんは、かわいげのあるおじいちゃんになりそう」という発言から、話題は「現場で愛される才能」へ。
角野:明るくなるからね、こひさんいると。現場は。
松重:そうなんですよ。
角野:本当にね。
松重:ずるいんですよ。
角野:人徳だと思う。
松重:本当に、人徳。俳優として、そっちの才能っていうのもやっぱり必要ですよね。現場で愛される人であり続けるっていうことが。
角野:素晴らしいと思うね。
松重:やっぱり、気難しく見られがちじゃないですか、俳優って。面倒くさい生き物だと思われてるでしょうし、スタッフさんからも「この人の機嫌を損ねたらどうしよう」とかって思われたり。
小日向:「お、松重さん来たぞ!」「おはようございます!」って。
松重:そうなりたくはないじゃないですか。(NGを出したときに)「えー、ごめんなさい、てへへ」って、こひさん、やるでしょう?
小日向:やってないよ!そんな(笑)。
角野:かわいい人なの、なんかすごく。
松重:僕にとってはやっぱり、大杉(漣)さんとこひさんっていうお2人が、本当に目標だったんですよね。お2人が演劇界から映像に道筋をつけてくれて。で、その背中を見ていけばなんとかなるだろうと思ったら、やっぱり(そうなった)。
小日向:(笑)。本当に思ってた?
松重:思ってますよ。
小日向:本当?
松重:ええ。そうしたら、大杉さんは突然、僕らの目の前からいなくなっちゃった。
小日向:そうだ…。
角野:うん。
松重:健康ということに関しても、命ということに関しても、あっという間に奪われていくものだということを目の当たりにしたんで。
小日向:大杉さんの最期看取ったんだもんね。
角野:ねぇ。看取ったんだ。
松重:僕は、本当に正直言うと、転形劇場の大杉さんと自由劇場のこひさんっていう、この2人が演劇界から映像にのし上がって。やっぱり「すごい人たちは、すごい」って世間に知れ渡ったっていくところを見た。この2人がセットだったんですよね。
で、現場の愛され方がまた2人、すさまじくてね。愛され方がすごいんですよ。あれ、真似できないですもん。大杉さんの、やっぱりあの愛くるしさというか…もう、すべての人を取り込んでしまう魅力。こひさんも持ってらっしゃいますよ。
角野:そうだね。
「僕は、その2人の大先輩の背中を追ってきた」という松重さんの告白に、小日向さんは照れくさそうにしていました。
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