民放5局とNHKも協力。震災の記憶は「一緒」が大事 #知り続ける

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民放キー局5局とNHKによる防災プロジェクト「キオク、ともに未来へ。」。

東日本大震災関連のニュース企画やドキュメンタリー番組などで、企画開発から番組制作まで各テレビ局が協力して進める取り組みです。

東日本大震災10年を機に立ち上げたこの防災プロジェクトが、2022年も3月6日から始まりました。

各テレビ局の震災関連の映像素材の共有や、記者・アナウンサーなどによる取材協力が取り組みの柱。被災地の系列局の協力も得ながら、各局でテーマに沿ったVTRを制作しています。

フジテレビでは『わ・す・れ・な・い 2022 巨大地震 その時…』と題した番組を、3月11日から放送する予定です。

そのほか、3月11日には日本テレビが『news every. ～藤井キャスターが見つめた11年間…そしてこれから～』、テレビ朝日が『大下容子 ワイド！スクランブル 拡大SP ～必ず起きる大災害　命を守る備えとは～』、TBSが『つなぐ、つながる（仮）』などの番組を準備。

NHKは4月3日に『明日を守るナビ・スペシャル～未来の命を救いたい～（仮）』を放送するほか、テレビ東京はニュース番組などの放送を検討しています。

プロジェクトの目的は、未来の命を守るため、過去の経験から学び、明日へつなげること。各局が垣根を越えて取り組みをすることで、東日本大震災での体験を風化させず、次の世代へメッセージを伝えることを目指しています。

「キオク、ともに未来へ。」がスタートした2021年には、各局が集結し、6局合同の討論番組が初めて実現しました。

3月14日にNHKで放送された『あしたの命を守りたい～NHK民放　取材者たちの震災10年』に、6局の災害報道に携わったキャスターや記者が史上初めて一堂に会し、「あしたの命を守るために」何ができるかをテーマに、討論を繰り広げました。

総合司会はフジテレビの伊藤利尋アナウンサーとNHKの鈴木奈穂子アナウンサーが務め、フジテレビから政治部の千田淳一記者が参加しました。

千田記者は、東日本大震災と熊本地震の2回の大きな地震を取材した経験を持ち、番組内では、常日頃から災害に対する備えをしっかり行って災害を日常に刷り込むことが大事であると発言しました。各局の出演者からも、災害の教訓をどう生かしていくかについて様々な意見が出されました。

番組の最後では「あしたの命を守るため目指すべき3つの目標」を提言。

「社会全体で災害アーカイブス構築を目指す」
「災害を自分ごとにする想像力を養う」
「被災者に寄り添い その経験を学ぶ」

の3つが、各局の一致した意見として掲げられました。

こうしたメディアの垣根を超えた取り組みは、福島県内などでも積極的に行われています。

3月10日、11日に行われる「SONG OF THE EARTH 311 -FUKUSHIMA 2022-」。

「SOTE311（ソテ サンイチイチ）」の愛称を持ち、2022年は東日本大震災・原子力災害伝承館とナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを会場としてフェスティバルやシンポジウムが開催されます。

フェスティバルには、ミュージシャンの青谷明日香さん、清春さん、片平里菜さん、難波章浩さん、おお雨さんなどが出演予定。イベントではその他、地元の子ども達の夢が書かれた「大凧揚げ」や「キャンドルナイト」、中間貯蔵施設などをめぐる「ふたば、ふたたびツアー」などのコンテンツも準備されています。

また、シンポジウムでは「311から12年。今から始めるアクションとは？」をメインテーマに、福島の子ども達も同じテーブルについて話し合う取り組みなども予定されています。

SOTE311のコンセプトは「被災地支援から学んだことを、これからの世界へ」「悲しみから喜びへ」です。

その趣旨に賛同してSOTEの後援として名前を連ねているのが、福島民報社、福島民友新聞社、福島テレビ、福島中央テレビなどのメディア。

福島県内の新聞、テレビ、ラジオの主要メディアがほぼすべて参加しています。通常はお互いライバル関係にもありますが、震災を風化させないための取り組みでは協力を惜しみません。

企画制作を行う一般社団法人LOVE FOR NIPPONは次のように述べています。

「発災から11年が経ちますが、まだまだ津波被害や原発事故災害からの復興はこれからです。福島の『今』を周りの方とお話しするきっかけにしていただけると幸いです。現地に来られる方も来られない方も一緒に『SOTE311』を盛り上げてください!」

東日本大震災の記憶や復興の状況を伝えるため、これからもメディア各社の協力した取り組みは続いていきます。