『ボクらの時代』が、この春、放送15年を迎えました。
今回の『ボクらの時代』(4月3日放送/フジテレビ)は、15周年を記念して、番組に過去4回出演したことのある、シティボーイズの大竹まことさん、きたろうさん、斉木しげるさんが登場しました。
きたろうさんは「こうやって(3人で)会うと、やっぱ自分の老いを感じるな」とぼやき「今もね、屁しちゃってんだよ。それさえ制御できない(笑)」と、年齢を笑い飛ばしたところで鼎談がスタート。
今のお笑いは「お客を下からえぐるような笑わせ方をする」
コントライブを32年間続けてきた3人は、最近のお笑いについて語りました。
きたろう:YouTubeで、サンドウィッチマンは全部見た。コント。
大竹:面白い?
きたろう:面白い。やっぱりセンスがいいよな。中川家も好きだけど。
大竹:あれ、富澤(たけしさん)のほうがみんな(ネタを)考えてるんだろ?
きたろう:そうそうそう。
斉木:「お笑いは、時代だ」って言ってたけど、俺なんかの感覚ではないよね。でも、やっぱり見てて面白いな、それは。
きたろう:俺たちのときのお笑いよりも、レベルはもう数段上だよ。
斉木:レベルっていうか、技術的なことでね。
きたろう:技術的だけじゃなくて、センスも。
大竹:この間、ちょっと「R-1(グランプリ)」とか見てたんだけどさ。優勝したのが、お見送り芸人(しんいち)っていうやつで…。
きたろう:ピン芸のやつ?それ。
大竹:ピン芸のやつね。「R-1」。
きたろう:ああ、俺見てなかった。
大竹:その前に、錦鯉が優勝したじゃん。
斉木:あれは見た。
大竹:あれ見てて、俺思ったんだけど、お客を下からえぐるような笑わせ方するじゃん。何かこう、上に立たない。
きたろう:えぐる。何か感覚だよね。
大竹:そうそう、感覚。
きたろう:へりくだって。「偉そうに」じゃなくて、笑わせてた。
大竹:今のこのお笑いから見ると…俺も、本当に偉そうだったなって思うね。
きたろう:でも、そういう笑いだからいいんだよ、俺たちは。そういう笑いだから面白かったんだもん。こう(えぐるように)行く能力もないし、才能もなかったから。
大竹:そうなんだよ。問題はそこなんだよね。
大竹さんは「(だからこそ)余計に下からえぐるように来るやつを、なんかすごいなと思っちゃって」と、語りました。
シティボーイズのバランス
そんな中、きたろうさんはシティボーイズについて言及。
きたろう:でも、このシティボーイズの3人は、バランス良く…奇跡だよね。突っ込んで、ボケて、超然といるっていう。こういうのは、なかなかいない。
斉木:めぐり合わせ。不思議だよね。
きたろうさんは「人との出会いが、世の中で、人生の中で一番大切だよね」と語り、これに大竹さんと斉木さんも大きくうなずきました。
また、過去の放送で「生き方とか考え方がみんな違うんだけど、笑いのセンスのところだけは似てるっていうのが続いてる」と語っていた、きたろうさんの映像も紹介されました。
子どもたちの笑い声が本当にハッピー
また、現在のネット社会について、斉木さんが「便利なのに、不幸になっていく気がする。会話がなくなったこの世の中が本当に怖い」とコメント。
大竹さんも、自身が出演するラジオに「空き家で何年も人が住んでいなかった家に、若夫婦が入ってくれて、その家の7ヵ月の子どもを見たりあやしたりするのが、楽しくてしょうがない」という投書があったと紹介しました。
すると、ここから、シティボーイズらしいやりとりが。
きたろう:わかる。
大竹:わかる?
きたろう:子どもは、天使だからね。
大竹:天使?
きたろう:天使。幼稚園児なんかが散歩してるのを見ると、もう興奮しちゃうよ。「お、天使が来た」って。
斉木:(笑)。
大竹:俺はね、朝11時15分前に家を出るのね。で、シャッター開けて、車で出ようとすると、ちょうど向こうから幼稚園か保育園かの(子どもたちと)、すれ違うっていうね。もうそれに合わせてシャッター上げて、幼稚園の先生に手を振って、子どもが手を振って…って。
きたろう:ああ。天使に会ってから仕事に行く。
大竹:そうそう。
きたろう:いいなぁ。っていうか、俺、若いときとか50代なんて、ちびっこがそんなかわいいと、全然思わなかった。
斉木:あんま思わないね。
きたろう:死が近づくと、「これからの生命」が愛おしくなるのかね?
大竹:(冗談交じりに)お前は、死が近いな(笑)。
きたろう:(笑)。お前だって、シャッター開けて見てんだろう?天使たちを。
大竹:まあね。
斉木:(うちの)マンションのさ、下、1メートル半くらいの通路なのね。そこ、幼稚園児が7人くらい列作って行くんだけど、うるせえんだよ。反響が。
きたろう:お前!「うるさい」と思う感覚は、ダメだろう。
大竹:「うるさい」ってどういうことだよ!
斉木:いや、うるさいって、あの…やかましい。あれ、同じだな(笑)。というか、にぎやか?じゃあ、「にぎやか」なんだよ。
大竹:いいじゃないか!
きたろう:いいじゃないか。
斉木:いや、だからそれが嫌じゃないの。俺もね。
大竹:嫌じゃないだろう。
きたろう:それが嫌だといって、何か事件が起こるって信じられないよな。
斉木:そう、信じられない。子どもの笑い声が、本当にハッピーだなって感じがする。
と、最後は3人の話が見事にまとまりました。
子育てへの後悔「もっと相手できた」
子どもたちに日々の癒やしをもらっていると盛り上がった中、自身の子育てについては後悔もあるようで…。
大竹:忙しかったじゃん。あのころ、俺たち。
斉木:そう。
きたろう:そうそう。
大竹:一番の後悔は「もっとたくさん相手できたな」と。
斉木:自分も若くないからなー。
大竹:息子なんか見てて、今のほうが、親と子はすごく(距離が)近そうだね。
きたろう:溺愛するんじゃなくて、心が通い合って、対等の立場で遊ぶっていうのが大切なのよね。
大竹:お前は、誰とも対等だから。
きたろう:そう、対等。負けず嫌いだから。
斉木:世の子育ての人たちに言いたいのは、やっぱり、子どもはあっという間に大きくなっちゃうね。だから、遊んでたほうがいい。
きたろう:遊んであげるのと、「愛する」ね。
斉木:ベタになってほしくないけど、よく見ててほしいね。子どもをね。
大竹:これは、言ったら語弊があるかもしれないけど「やっぱり、子どもはいいよね」と。
きたろう:だから、「天使だ」っつってんだろ。
大竹:いや、だから「子どもはやっぱし、いいよね」って。何か、みんなに思ってほしいよね。
きたろう:確かに。
大竹:「育てるの面倒くさい」だとか「変なふうに育ったらどうしよう」とか、いろいろ思うけど。うちなんかも、変なふうに育ってはいるけど、それでも…。
きたろう:それ、気づいたの、もう本当2年くらい前だからな。若いときは、何も気づかないんだから。
斉木:やっぱり、親がおおらかに子どもを見てないとダメだよね。ダメだよっていうよりも、そうしてほしいね。
大竹:それ、気づいたのいつだ?
斉木:一昨日くらいだけど(笑)。いや、もう本当に、もっと子どもと遊べば良かった。成長を見たかった。
子育てをしている人たちへのメッセージとともに、子どもたちには「目いっぱい、今を楽しんでほしい」と意見がそろったところで、鼎談は終了しました。
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