3月13日(金) 20時より、フジテレビでは『剣客商売 婚礼の夜』を放送する。
江戸時代屈指の剣の達人であり、剣を世渡りの手段(商売)としながら、軽妙洒脱(しゃだつ)に生きる秋山小兵衛(あきやま・こへえ)の人生を描いた、池波正太郎の代表作「剣客商売」。
2012年から北大路欣也を主演に迎え、単発ドラマとして復活し好評を博してきた人気時代劇の第6弾となる新作だ。
なお、『剣客商売』シリーズが放送されるのは、『剣客商売 手裏剣お秀』(2018年12月21日)以来。
今作では、新たなレギュラーキャストとして、瀧本美織、高橋光臣が出演する。
瀧本が演じるのは、田沼意次(たぬま・おきつぐ/國村隼)の娘で、男装の武芸者・佐々木三冬(ささき・みふゆ)。三冬は、時に男性をも圧倒するほどの太刀筋を持つ剣の使い手。性格的にも勝ち気なところがあり、老中という高い位にある父・田沼に対しても言いたいことははっきりと言うため、田沼の家臣たちをハラハラとさせることも。
なお、これまでの北大路版『剣客商売』シリーズでは、三冬を杏が演じていた(前作『剣客商売 手裏剣お秀』のみ、杏は出演していない)。瀧本が時代劇に出演するのは、『妻は、くノ一』シリーズ(NHK BSプレミアム/2013~2014年)以来で、刀を使った本格的な殺陣に挑戦するのは今回が初となる。
一方、高橋が演じるのは、北大路演じる小兵衛の息子・大治郞(だいじろう)。
大治郞は浅草で自身の「秋山道場」を営みながら、田沼意次屋敷の道場の師範代も務める剣客。性格的には実直で真面目すぎるがゆえ堅物で、いまだに独身。
過去の北大路版『剣客商売』シリーズでは、大治郞を斎藤工が演じていた。『大岡越前』シリーズ(NHK BSプレミアム/2019年~)をはじめ、さまざまな時代劇に出演してきた高橋が見せる新たな“大治郞像”に期待がかかる。
今作『剣客商売 婚礼の夜』は、大治郞の友である朝岡鉄之助(あさおか・てつのすけ/内田朝陽)が物騒な浪人たちに付け狙われることを中心に展開していく。本来であれば、小兵衛が一肌脱ぐところだが、今回は「友のために動くも動かぬも大治郞の思惑次第」として小兵衛は大治郞に一任。これまでのシリーズとは少し趣向を変え、息子・大治郞の成長物語として描かれる側面もある点が見どころの一つ。
また、剣術にしか興味がなく恋愛とは無縁だった三冬と、実直で真面目すぎるがゆえ堅物の大治郞との間に芽生え始めるほのかな恋心の行方にも注目だ。
<北大路欣也×瀧本美織×高橋光臣コメント>
――これまでの撮影を振り返っていかがですか?
北大路:新しく、瀧本さん、高橋さんにご参加いただいて、私自身も心を新たに取り組んでいます。時代劇には欠かせない京都の街並みや雰囲気が、より一層、我々を盛り立ててくれていると思います。
瀧本:オファーをいただいた際、本当に歴史ある作品に参加させていただけることが率直にうれしかったです。北大路さんはじめ、先輩方とお芝居をさせていただく機会に恵まれてありがたいと感じています。
高橋:以前から『剣客商売』を拝見していて、大治郎役をやれたらステキだろうなと思っていました。まさか、自分に声をかけていただけるなんて思っていなかったので、本当にうれしかったです。今回、瀧本さんと一緒に新たに参加させていただきますが、北大路さんが本当に温かく迎えて下さって、助けていただいています。
――佐々木三冬という役どころについての印象は?
瀧本:これまでいろいろな方が演じられてきた役ですので、視聴者の方々それぞれにイメージがあると思いますが、自分なりに、豊かに三冬を演じられたらという意気込みで演じさせていただきました。
オファーをいただいた際には不安もありましたが、三冬を演じられるといううれしさが勝っていました。三冬は見た目や立ち居振る舞いは男勝りではありますが、今回は三冬自身も気づかないような淡い思いが芽生え始める物語ですので、自分でもどうしたら良いか分からない気持ちを、分からないなりに大事にしようと思って演じています。
――久しぶりの時代劇となりましたが。
瀧本:今回は男装ですし、男性と同じように殺陣を行いますので、初めての経験にドキドキしていましたが、体を動かすことが本当に好きなので、今回のような殺陣のシーンは初めてですが、女であることを忘れて獣のように演じています(笑)。
――北大路さんとは初共演となります。
瀧本:緊張しました。今日、初めてご一緒させていただいたのですが、本当にお優しく、いろいろなお話をさせていただきました。
北大路:この姿を見ただけで、何も言うことはありません。私自身も何代目かの小兵衛ですので、初めて演じた際には皆さんと同じようなドキドキ感がありましたが、素晴らしいスタッフの皆さまに支えていただきました。
――大治郎という役どころについての印象は?
高橋:これまで先輩方が演じられてきた役ですので、「どう演じれば良いんだろう?」というプレッシャーはありました。大治郎は剣術が達者ですが、そういう役をやりたいと思って、まだまだ勉強不足ですが、ずっと稽古をしてきたので、その成果を見せられる機会をいただいたことはうれしいです。
『剣客商売』は正統派時代劇ですし、歴史的な重みもありますので、撮影中も勉強をしていきたいと思います。
――北大路さんとは初共演となりますが。
高橋:以前、観劇していた際、斜め前に北大路さんがいらっしゃったことがあって、いつか北大路さんと時代劇でご一緒したいという思いがずっとあったので、それが実現して本当にうれしかったです。その時、一緒に観劇していた友達が北大路さんを見て緊張して、手に持っていたフリスクを床にばらまいていました(笑)。
北大路:たくましさ、すがすがしさ、そして優しさ、もう何とも言えませんね。このオヤジにしては、出来過ぎな息子が来てくれてうれしいです(笑)。こういう出会いはなかなかないので、この出会いを大事にしていきたいです。
――視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
北大路:今回の『剣客商売』は、お二人が加わってくれたことによって、フレッシュでパワーアップしています。お二人が、すごく透明感のある三冬と大治郎を演じてくれているので、作品全体として輝きが増していますので、是非お楽しみに。
瀧本:新しい風を吹かせられたらと思いながら演じさせていただいていますので、是非ご覧いただけたらうれしいです。
高橋:時代劇ファンの皆さま、『剣客商売』ファンの皆さまに、「いいね」と言っていただけるように全力で取り組みますので、新たな大治郎を楽しんでいただけたらと思います。
<あらすじ>
江戸・鐘ヶ淵。秋山小兵衛(北大路欣也)は、妻・はる(貫地谷しほり)と仲むつまじく暮らしている。小兵衛は浅草での墓参りを終えたついでに、息子・大治郞(高橋光臣)の「秋山道場」を訪れるが、あいにく大治郞は留守。その頃、大治郞は師範代を務める田沼意次(國村隼)屋敷の道場で、田沼の娘で剣の使い手でもある三冬(瀧本美織)らと稽古に励んでいた。
その後、四谷まで足を伸ばした小兵衛は、旧知の目明かし・弥七(やしち/山田純大)らが、最近起きた僧侶が殺害された上に金銭を盗まれた事件を追っていることを知る。弥七によれば、事件の犯人とおぼしき浪人たちが付け狙う人物が、大治郞の「秋山道場」に入っていったと語っていたという。
小兵衛は弥七と共に改めて大治郞を訪ね、そのことを伝えると大治郞は浪人たちが狙っているのは朝岡鉄之助(内田朝陽)ではないかと答える。大治郞は、剣術の修行で諸国を回っていた際に、食客として大阪の道場にいた朝岡と知り合った。お互い独身で気が合い、大治郞が江戸に帰った後も便りを交わしていて、先日ひょっこりと朝岡が現れたという。
大治郞によれば、朝岡は江戸で仕官の誘いがあったものの、父親が死ぬまで浪人だったため自分に武家勤めができるのか不安に感じている上に、誘いを断れば友である大治郞と別れ大阪に戻らなければならないと思い悩んでいる様子とのこと。
そんな謙虚で友思いの朝岡が、物騒な浪人に付け狙われることに納得がいかない一同。 本来であれば、小兵衛が一肌脱ぐところだが、今回は「友のために動くも動かぬも大治郞の思惑次第」と小兵衛は静観を決め込む。
その後、大治郞は友である朝岡のことが気がかりで、弥七に探索を依頼。これには秋山親子をよく知る弥七も「若先生(大治郞)もだんだん、大先生(小兵衛)に似てきた」とほほえむ。
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