『アライブ がん専門医のカルテ』第4話完全版

恩田心(松下奈緒)の夫、匠(中村俊介)の告別式が行われる。参列した光野守男(藤井隆)、阿久津晃(木下ほうか)たちは心に弔いの言葉をかけるが、梶山薫(木村佳乃)は声をかけることが出来ない。葬儀を終えた心は、悲しみを抱えながらも日常に戻ろうと、数日後から勤務を再開する。阿久津や光野は心配するが、心は仕事をしている方が気が紛れると気丈にふるまう。

その言葉通り、以前より仕事に打ち込んでいく心だが、突然、警察から京太郎(北大路欣也)に関しての連絡を受ける。心が交番に行くと、酔っぱらった京太郎が保護されていた。警官によると、京太郎は道端で大声をあげて泣いていたと言う。そこは、匠が事故で亡くなった場所だった。

一方、薫は、匠の死に繋がる真相を心に言えないでいた…。打ち明けるべきか否か−。思い悩む薫の元に、先日薫と偶然の出会いを果たしていた関河隆一(三浦翔平)が姿を現し、真の目的を打ち明ける。関河は匠の手術について取材していた。そして、匠の死は薫の手術ミスが原因ではないかと尋ねる。薫は答えることなくその場を去った。

心の診療がいつもと違うことを、高坂民代(高畑淳子)や佐倉莉子(小川紗良)たちは感じていた。光野たちも一抹の不安を覚え始める。葬式から様子を見ていた阿久津は心を連れ出し、自分が担当していた元患者の夫に合わせる。彼は妻を半年前に亡くしたのだが、まだ辛さを隠しきれないがようやく克服しようとしていた。

心と二人きりになると、阿久津は親しい人の死は人生最大のストレスで、最悪の場合自ら命を経つこともあると話し始める。そして医師として心も習知しているグリーフケア(大切な人を亡くした人が立ち直るためのサポートをする取り組み)の説明を始めた。専門の先生を頼るのも良いが、家族や友人が寄り添うことが重要だと阿久津は言う。さらに阿久津は大切なポイントとして、悲しむことを肯定すること、悲しみを表現させること、儀式を行うことだと告げる。すると京太郎への自分に対する態度の変化に心は気づく。しかし、阿久津はそれは心にも当てはまると言い、しっかりと休養を取るよう促した。

帰宅しようとする心に、学童保育所から漣が来ていないと連絡が入る。慌てて家に帰ると、漣は京太郎と遊んでいた。心は3人で、匠が好きだった京太郎特製のカレーを食べた。漣を寝かしつけた心が京太郎に礼を言う。すると、京太郎は礼を言わなければいけないのは自分の方だと答える。実は心がカレーを食べようと電話した時、京太郎は自分を見失っており最悪の選択をしようとしていたのだ。心と京太郎は匠の思い出を話し合い、いつしか涙にくれていた。

しっかりと休みを取った心は仕事に復帰。阿久津たちは温かく迎えた。だが、そんな心の前に関河が現れて…。