12月29日(日)に行われたベラトール日本大会のラストの試合を大いに盛り上げたのが、矢地祐介選手だ。対戦する上迫博仁選手は、試合が決定したころから「(矢地選手には)負ける気がしない。普通にやれば勝てる」と語っていて、3連敗中の矢地も少々弱気なコメントが目立っていたのだが…試合当日は大逆転の勝利を収めた。
2Rまで上迫がプレッシャーを掛けていくが、矢地は迫ってくる上迫に左ストレート。上迫は前進を止めず、矢地を金網へ攻め込む。上迫を振り払う矢地だが、残り時間はあとわずかに。矢地は最後に右フックを決めて上迫をダウンさせ、すぐにサッカーボールキックを。顔面に直撃させ、逆転でのKO勝ちを果たした。
自分はやはり「楽しまなきゃ!」が大事
試合後、記者会見に登場した矢地はいつもの笑顔でコメントした。
――試合を終えた感想は
矢地:嬉しいですね。久しぶりの勝ちなので素直に嬉しいです。
――対戦相手の印象は
矢地:気持ちがどんどん前に出てきて、それをすごく感じました。
――これで負けたら…という不安や、自分に負けそうになることは?
矢地:すごくありましたけど、3連敗なんて初めてですし、4連敗なんてしたら想像もしていないことだったので、負けたらどうしよう、と。負けたとして、終わった時に試合振り返ってどう思うのだろう、って思った時に、楽しめなかったなと思うのは嫌だったので、仮に最後になってもいいように「楽しまなきゃ」って思っていました。
少しでも技術的には一歩前に出られたかなと。そこが嬉しいです。
――(前回負けた)朝倉未来選手にリベンジしたい?
矢地:朝倉選手だけでなく、俺に勝った奴にはやり返したい、と。ファイターなんで。
――フィニッシュは素晴らしいサッカーボールキックでしたが、どんな気持ちでしたか?
矢地:サッカーボールキックなんて練習でやったこともないし、よくあそこで出たなと。幼い頃に数年やっていたサッカーが出ました。
長い暗いトンネルがあったからこそ、気づいたことも多かったです。前回(未来選手と舌戦が繰り広げたが)無理やり怒りの感情を作ってのぞみました。でもそれでは自分のパフォーマンスが出なくって。どうしたら俺はいいパフォーマンスが出るのかな、と考えたときに「楽しまなきゃ!」と。
自分らしく試合にのぞんだこと、そして出稽古などで外からの意見も取り入れたことなども良かったと分析した。
矢地が所属するKRAZY BEE(クレイジービー)は、この日あい選手も勝利。31日(火)のRIZIN.20では、山本美憂がタイの強豪・アム・ザ・ロケットと対戦する。KRAZY BEEチームの勢いにも注目だ。