アニメ「ちいかわ」の障子直登(しょうじ・なおと)プロデューサーが、「ちいかわ」の魅力を語りました。
イラストレーターのナガノさんがTwitterで公開している、“なんか小さくてかわいいやつ”ちいかわ・ハチワレ・うさぎたちが活躍する漫画を原作としたアニメ「ちいかわ」は、『めざましテレビ』(フジテレビ)内にて毎週金曜7時40分ころより放送中。
その人気はとどまることを知らず、放送後のYouTubeやFODでの見逃し配信も毎回100万再生を超え、発売されるグッズも品切れが続出するなど、もはや社会現象化しています。
『2022FNS歌謡祭』(第1夜12月7日18時30分~)では、ハチワレ役を演じる田中誠人さんが、「ちいかわ」のエンディング曲「ひとりごつ」を披露することが決定。
広がり続ける人気の理由をプロデューサーはどう捉えているのか、フジテレビュー!!がインタビューしました。
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ナガノ先生は「ちいかわ」の世界をすべて持っている
――アニメ「ちいかわ」の盛り上がりをどう感じていますか?
見逃し配信(※)は1週間で終了するにも関わらず、毎回100万回再生を超えているので、すごく見ていただけているんだなと感じています。皆さんからいただくコメントは必ずチェックしていますが、それぞれ見ているところが違うし、楽しんでいるところが違うのが伝わるので感謝しています。
※放送後、1週間限定で最新話を、YouTube、FOD、Tver、GYAOにて配信中
アニメには、ハチワレのしっぽのちょっとした動きだったり、鎧さん(CV.杉田智和)たちの鎧が擦れる音だったり、漫画にはない動きや音が出てきますが、そういうところまで見ていただけていることもスタッフ皆でうれしく思っています。
朝早い『めざましテレビ』内で放送していることもあり、ちいかわたちの姿を見てから「がんばろう」と、仕事や学校に行っているというコメントを見ると、この時間に放送している意味があるのかなと思っています。
――アニメ化する際に苦労した点、注意した点はありますか?
やはりキャラクターですね。アニメーション制作を担当する動画工房の作画スタッフも「描くのが難しい」とおっしゃいます。小さくて丸っこいキャラクターですが、眉毛の線の太さや長さ、口の下のちょっとした線で印象がだいぶ変わってしまうんです。目の中のハイライトも、アニメでは三日月型に細く統一していますが、スタッフが模索した結果、その方がかわいく表現できると判断しました。
ナガノ先生にも、「どうやったらかわいくなりますか?」とお聞きして、「こうやって描いてみたらどうですか?」と、アドバイスをもらったりもしました。キャラクターのかわいさや世界観はナガノ先生の頭の中にあるものなので、それを再現するのはすごく難しい。なので、先生のアドバイスをいただきながら進められたことは、ありがたいことだと思っています。
――障子さんから見た、ナガノ先生とはどんな人なのでしょうか?
この世界を1人で作っていて、かわいいキャラクターにさらにお話をつけている。「ちいかわ」の世界のすべてを持っている方なので、単純に「すごいな」と尊敬しています。本当に描くことが好きなんだなというのと、本当に「ちいかわ」のことが大好きなんだなと。
アニメ放送の際には、ナガノ先生がTwitterにイラストを1枚描いて投稿してくださいますが、それはやはり先生が「ちいかわ」のことを好きで、アニメをすごく応援してくださっているからだと思っています。そのお気持ちがすごくうれしいです。
――ちいかわたちの声も「ぴったり」だと評判です。起用する声優はどういった基準で選ばれたのでしょうか。
オーディションにはナガノ先生にも入っていただき、スタッフ皆で決めましたが、「ちいかわとハチワレは子役で」とあらかじめ決めてありました。ちいかわは素直ではっきりとしていて、「泣くときは泣いて、笑うときは笑う」というキャラクター。ちいかわ役の青木遥さんは現場でも素直に感情を表に出す方なのですが、そういう青木さんの姿を見て「ぴったりなんじゃないか」と。
ハチワレはちいかわを引っ張っていくキャラクターでもある。田中さんは経験もあるし上手ですし、すごく大人びていてしっかりしている印象だったので、ハチワレにぴったりでした。
うさぎはもう小澤亜季さんがオーディションのときに演じてくださった声こそが「うさぎはこういう声かもしれない」と皆が思ったものでした。小澤さんが持ってきたうさぎの声を、皆が好きになったという感じです。
青木さんと田中さんは、本当に素直で良い子。おかげで収録現場はとてもほのぼのとしています(笑)。2人ともしゃべるのが好きなので、「最近は学校どうなの?」「今は何にはまってるの?」とか、好きな漫画の話をしたり、スタッフも混じって話をしている楽しい現場です。
「ちいかわ・ハチワレ・うさぎのトリオの関係性がすごく好き」
――障子さんは「ちいかわ」が初プロデュース作品になりますが、そこまでの経緯と、現在の仕事の内容を教えてください。
声優キャストのオーディションから、アフレコなどの制作周り、宣伝などいろいろなことを担当しています。どうやったら皆さんに楽しんでもらえるかをずっと考えている毎日です。
「ちいかわ」を担当する前は、報道番組や情報番組でディレクターとして、事件やニュースを取材したりVTRを作ったりしていましたが、入社7年目の昨年にアニメ制作部に異動となりました。
もともとアニメが大好きで、深夜枠の「ノイタミナ」を担当したくて入社しましたが、初プロデュース作品で「ちいかわ」を担当することになり、プレッシャーで押しつぶされそうになりました(笑)。
当初、「ちいかわ」は友達から送られてくるLINEスタンプなどで存在は知っていて、「こんな世界にいたらどんなに楽しいだろうな」と思っているくらいでした。でも、漫画を読むと、怖いキャラクターが出てきたり、草むしり検定に落ちてしまったり、大切にしているものを取られてしまったり…いろいろなお話が出てくる。すごくストーリー性があるなと思うようになりました。
――「ちいかわ」にハマっている人の中には、初めてアニメやキャラクターにハマった大人も多く見られます。老若男女を虜にする魅力は何だと思いますか?
「ちいかわ」はあらゆる世代が楽しめる作品だと思っていますが、実際にその魅力って何だろうと考えると、食べものを皆でおいしそうに食べている話は、子ども時代にみんなでお菓子やアイスを食べていた光景を思い出すし、欲しい物のために働く姿は学生がバイトをする経験と同じだし、検定に落ちたりというのは大人でも往々にしてあることで…。
怖いやつがやってきて戦わなければいけない状況では、あんなに怖いモンスターではなくても、怖い上司だったりに怖い思いをすることは誰にだってあるし(笑)。それがあの世界においてはすごく当たり前に起きている、そういうところがちいかわの世界を広げている理由だなと思っています。
そういう意味では、共感性がすごく高くて、どんな人でも楽しめる話が絶対にある。いろいろなキャラクターがいて、多様性があるところが幅広い世代の人に刺さる理由なのではないでしょうか。
――周囲の「ちいかわが好きでどうかしちゃった人たち」に聞くと、ちいかわたちががんばっている日常が心に沁みるという人が多いようです。そして、ファンとして恥ずかしくない行動をしたいと。
僕も、ちいかわ・ハチワレ・うさぎのトリオの関係性がすごく好きなんです。素直に自分の思っていることをちゃんと伝えて、その結果お互いを助け合っている話が多いと思うんですけれども、その純粋さがいいですよね。
ちいかわたちの世界にインターネットはありますが、必ず迎えに行ったりどこかで待ち合わせしたりしていますよね。「昔は、友達とこうやって会ってたよな」と、思い出して懐かしくなったりもします。
コメントでもよく「やさしい気持ちになれる」とか「元気が出た」と言ってもらえるのは、テレビで放送していて1番意味があることだと思っています。
「ちいかわ」を長く愛されるような作品に
――ハチワレが歌う「ひとりごつ」も人気です。この曲にはどんなメロディがつくのかと、ファンは注目していたと思います。
歌詞はナガノ先生がすでに漫画の中で書かれていて、曲は劇伴音楽をお願いしているトクマルシューゴさんにお願いしました。初めて聴いたときには、耳なじみが良くてつい口ずさんでしまうようなメロディに、田中さんの声が乗って「すごくかわいい曲が上がってきたな」と思いました(笑)。
皆さんがどういう反応をしてくれるのか、「ひとりごつ」が初めて流れる11話の放送がすごく楽しみでした。うちの上司も「これいいな」と言って、口ずさんでいましたね(笑)。
――そんな「ひとりごつ」を、田中さんが『2022FNS歌謡祭』で、生放送で披露することになりました。
自分が携わっている作品と『FNS歌謡祭』が関わることはないと思っていたので、本当にうれしいです。田中さんが一生懸命にかわいく歌ってくれたから、大きな反響をいただけているので感謝です。
先日のリハーサルでは、田中さんがすごく緊張していたので、「大丈夫、スタッフは皆いい人たちだよ」って話しかけていたんですが、いざリハーサルが始まるとすごくうまく歌っていて驚きました。僕が12歳だったら、大勢の音楽のプロに見られている中でこんなにうまく歌えない、すごいなと思いました。
田中さんは緊張していますが、楽しそうにリハーサルをしていたし、がんばりやさんなので、当日はかわいいFNSならではの演出と相まって良いステージになると期待しています。
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――来年3月3日には、アニメのDVDも発売されます。豪華な特典も話題ですね。
1話から40話までを一気に見ることができるし、豪華版のパッケージはアニメ描き下ろしで、すごくかわいくておすすめです。見たいときに一気に見られるって最高ですよね。
――障子さんの好きなシーンを教えてください。
33話のハチワレが穴に落ちてしまった「穴に落ちた」の回です。ちいかわとハチワレが穴を登り切った後に「このタイミングでこの音楽だよな」という音楽が流れて、空が晴れてハチワレが「さすまたを持ってきてくれてありがとう」と、ちいかわに伝えるシーンが僕はすごく好きで。ハチワレが「ありがとッ」と言ったときに、細かいんですがさすまたをぐっと手で持つんです。スタッフの細かいこだわりが集まってあの回ができあがって…ダビングのときに泣きそうになったんですよね。とても思い入れのある話です。
――アニメはこれからもずっと続いていくのでしょうか?
どこまでとは言えませんが、続けていく予定です。僕の個人的な思いとしては、フジテレビには『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』、そして映画も盛り上がっている『ワンピース』など、長く続いているアニメがあります。
「ちいかわ」もそういう作品のように、長く愛されるような作品にできたらと思っています。
アニメ「ちいかわ」
『めざましテレビ』毎週金曜・7時40分ころ~放送中。公式サイトはこちら
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