少年シャーロック現る！祖父誘拐と開かずの金庫『シャーロック』第7話完全版

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誉獅子雄（ディーン・フジオカ）と若宮潤一（岩田剛典）が、いつものようにもめている。自分のスイーツを食べたと怒る若宮に、獅子雄が証拠を出せと反論。すると獅子雄は、若宮自身が食べたことを習慣としての固定概念から失念したのではないかとさえ言い出す。獅子雄は自分が小学生の時にクラスで起きた盗難の例を話した。教師が固定観念から行った犯人探しを覆して真実を突き止めたと話す獅子雄に、若宮はイヤなガキだとため息。

そんな時、羽佐間虎夫（山城琉飛）という少年が訪ねて来た。虎夫は獅子雄に依頼に来たと告げる。だが、獅子雄は若宮に任せて奥の部屋へ。仕方なく若宮が、獅子雄として虎夫の依頼を聞く。虎夫の依頼は行方不明になった祖父、寅二郎（伊武雅刀）探し。虎夫は河川敷で、寅二郎が持ち歩く小袋を発見していた。本気で取り合おうとしない若宮に、虎夫は本物の獅子雄を出せと迫る。すると、うそを見抜いた虎夫に、若宮より賢そうだと獅子雄。そして、小袋の中を確認した獅子雄は、寅二郎は危険人物かもしれないと、虎夫に発見場所へ案内するよう促す。

小袋の発見場所には、３人分の足跡が残されていた。しかし、途中で２人に。タイヤ痕もあることから、寅二郎は２人組に襲われ車で連れ去られたと推測される。だが、付近のホームレスたちは不審な車は見なかったと証言。獅子雄と虎夫は、寅二郎が行方不明当日に出かけたデイサービスの介護施設へ向かう。

獅子雄たちを迎えた介護士の葛西真紀（有沢雪）は、寅二郎を担当する長嶺加奈子（黒沢あすか）を紹介してくれた。加奈子によると、行方不明になった日、寅二郎は施設から歩いて帰ったと言う。責任を感じて涙ぐむ加奈子。そこに、施設長で送迎車の運転を兼ねる寺島雄平（遠山俊也）が送迎の時間と加奈子を迎えに来た。獅子雄は寺島と話しながら玄関へ。すると、加奈子と寺島の外履きが土で汚れていることに気づく。獅子雄は虎夫に土を採取するよう指示。そんな時、虎夫の携帯に母の道枝（今藤洋子）から寅二郎が帰宅したとの連絡が入った。

獅子雄と虎夫は羽佐間家へ。寅次郎は、道枝が河川敷で発見したようだ。どうやら認知症の症状が出ているらしく、何を聞いても無反応だと言う。獅子雄は寅二郎の親指に刺青を発見。道枝は、自分が生まれる前に彫ったもので、寅二郎はおまじないみたいなものだと話していたと教えてくれた。獅子雄は寅二郎に小袋を見せ、話す気になったら訪ねて欲しいと言い、羽佐間家を出る。

ベイカーハイツに戻った獅子雄に江藤礼二（佐々木蔵之介）が捜査依頼。若宮も寅二郎が見つかったのだから、江藤の件を捜査しようと言うのだが、獅子雄にその気は全くない。と、そこにドアチャイムが鳴った。獅子雄は江藤に事件のアドバイスをして追い出し、寅二郎を招き入れる。獅子雄は寅二郎が何か大きな秘密を抱えていて、将来、認知症になってしまいそれを話してしまうことを危惧して、普段からあることないことを言っている。つまり、認知症のふりをしているのではないかと問う。すると、寅二郎は行方不明になった日の出来事を話し始めた。

デイサービスを出て河川敷を歩いていた寅二郎は何者かに襲われ袋のようなものを頭にかぶせられて、車に乗せられ手足を縛られたと言う。車内に流されていたラジオから、車は二時間ほど走ったのではないかと思われる。そして、車から降ろされると、犯人たちはどこかへ行ってしまっていた。手足の拘束も解かれた寅二郎が、頭にかぶせられていた布を取ると、ロウソクだけが灯る部屋。足は紐の代わりに鎖が繋がれ、目の前には金庫があった。金庫には鍵を開けろと指示するメモが貼られている。

若宮が不思議がると、獅子雄は、かつて悪人から金を盗み、庶民に分け与えた昭和の鼠小僧と呼ばれた怪盗がいたことを話す。そして、獅子雄は寅二郎が鼠小僧だったのではないかと聞く。寅二郎は自分ではないと言うが、金庫破りを働いていたことは認めた。寅二郎は２日かかって金庫を開け、連れてこられた時と同じように車に乗せらてて帰ったと言う。また。監禁された部屋では、猿の鳴き声のような音が聞こえたとも語った。獅子雄は、寅二郎が右手の親指を使わないことに気づいたが、理由は聞けなかった。そして、寅二郎が監禁された場所を調べると請け負った。

寅二郎が帰ると、獅子雄は古新聞のスクラップで昭和の鼠小僧こと、須磨寅の大鼠の事件を振り返る。須磨寅の大鼠は、犯行の証として須磨家の家紋を寅の刻方向の壁に貼り付けていた。寅二郎の小袋には、この家紋が入っていたのだ。須磨寅の大鼠は二人組。獅子雄は寅二郎が、今回の件にかつての相棒が絡んでいると考えているのではないかと疑う。若宮は、寅二郎を運んだ車の行動範囲を調べていた。流れていたラジオ番組から、栃木方向に移動した可能性が高いと推測する若宮。すると、獅子雄は介護士の加奈子が、栃木で働いていた可能性があるので調べて欲しいと若宮に頼む。また、もし加奈子が働いていた施設を見つけたら、右手の親指がない老人を知らないかも周囲に聞いて欲しいと付け加えた。

次の日、加奈子と寺島が乗るデイサービスの車の前に、虎夫が助けを求めて飛び出した。そばには獅子雄が倒れている。加奈子たちが車に運び込むと、獅子雄が起き上がった。そして、車から出た獅子雄は加奈子たちが去ると、タイヤ痕を調べる。それは、寅二郎が連れ去られた現場に残されていたものと一致した。

獅子雄と虎夫は施設にいる寅二郎を訪ねる。虎夫はタブレットに映る中継映像を見せる。そこは、寅二郎が監禁された場所。猿の鳴き声のような音はシャッターが強風で揺れる音だった。獅子雄がカメラのアングルを変えると、金庫が映る。寅二郎は思わず、銀次（蛍雪次朗）はそこにいるのか？と、口走った。寅二郎が連れて行って欲しいと外に飛び出すと、ちょうど加奈子たちが戻って来た。事情を聞いた加奈子が寅二郎を施設内に戻そうとすると、車庫のシャッターが空いて獅子雄が出てくる。そして、寅二郎が監禁されていたのはここだと言うのだ。

寅二郎は2時間も車に乗っていたと信じようとしないが、獅子雄はラジオを聞かせたのも真相を隠すためのトリックだったと言う。そこに、獅子雄からの通報を受けた警察が駆けつけ、加奈子と寺島は捕まった。

後日、獅子雄は寅二郎とある墓の前にいた。獅子雄が墓の前にある墓標を削ると白い粉が落ちる。それは、寅二郎の袋に入っていた粉と同じ。鼠小僧の墓で、人々はご利益を求めて粉を持ち帰るのだ。獅子雄は金庫の中に、血痕のついた旧一万円札と金庫破りの道具があったと寅二郎に話す。それは、かつて寅二郎が銀次と須磨寅の大鼠として最後に盗み出したものだった。寅二郎も全てを話し始める。

組織の事務所で金庫破りを働いていた寅二郎たちは、運悪く見つかってしまう。その時、刃物で襲われた寅二郎を庇った銀次は親指を失ってしまった。親指がなければ金庫破りは続けられないと二人は足を洗う。寅二郎は銀次への償い、自分への罰として、親指を使わなくなったのだ。全てを語った寅二郎は、銀次に会わせて欲しいと獅子雄に頼む。獅子雄は寅二郎を、別の墓へと連れて行く。銀次は昨年他界していた。そして、加奈子が銀次の介護をしていたのだ。銀次は加奈子に金を半分やると話し、半分は寅二郎のものだと伝えたと言う。しかし、欲を出した加奈子は金を独り占めしようと寺島と共謀し、寅二郎に金庫を開けさせたのだった。

江藤は、当時届けられた盗難の金額より、発見された紙幣の額が200万円ほど少ないと獅子雄に愚痴る。獅子雄を疑う江藤。だが、反社会組織が奪われた金額をごまかしていたのかもしれないと獅子雄に言われると、江藤もそれ以上追求は出来なかった。電話を終えた獅子雄に、若宮は虎夫に真実を話すのかと聞く。自分なら真実を知りたいと答える獅子雄は虎夫に会いに行くと、聖徳太子の札束を二つ持って出かけて行った。

河川敷で虎夫に会った獅子雄は真実を話し、200万円の請求書が入った封筒を渡す。驚く虎夫に、獅子雄は封筒には宝の各自場所の暗号も入っているので、早く解いて支払って欲しいと告げた。