高橋文哉 目指すは柔軟な役者「“振り幅が大きい”と言われるのはめちゃくちゃうれしい」

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高橋文哉さんが、二面性をもつ役柄への思いを明かしました。

月9ドラマ『女神の教室～リーガル青春白書～』（読み：テミスのきょうしつ／フジテレビ）は、未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクール（法科大学院）を舞台にした、リーガル＆ロースクールエンターテインメント作品。

裁判官で実務家教員の主人公・柊木雫（ひいらぎ・しずく／北川景子）が、「人を知らなければいい法律家にはなれない」をモットーに、ロースクールで「法」だけでなく「人」を学ぶ授業を展開。“司法試験合格”という目先のゴールばかりにとらわれるロースクールの現実に向き合い、成長していく物語です。

＜【毎週更新】月9ドラマ『女神の教室』あらすじ完全版まとめ＞

本作で柊木の授業を受ける学生・真中信太郎（まなか・しんたろう）を演じている高橋さんにインタビュー。表の顔と裏の顔をもつ真中の印象や、俳優として引っ張りだこの“今”を聞きました。

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＜高橋文哉 インタビュー＞

――真中の印象を聞かせてください。

裏表があって、自我が強くて、かつ、プライドも高い人物に見えたらいいなと思いながら演じていますが、真中が抱えたものって、誰しももっている部分だと思うんです。例えば、気に食わない人がいたとしても、皆ガマンをしたり、顔に出したりしないだけ。

真中は、こうしたほうが自分にとって得だと計算したうえでボソッとつぶやき、一人になったときにすべてを吐き出している。そんな真中を僕は、人として真っ当に生きていると感じましたし、自分が生きやすいように、彼なりにたくさん研究したんだろうなと思っています。

――表向きは優等生ながら、ふと冷酷な表情を浮かべる真中ですが、どんなふうにキャラクターを構築していきましたか？

台本を読んで僕なりにつくり上げた真中の人物像というものがあって、その後、現場に入って監督やプロデューサーさんと話をする中でどんどんかたまっていきました。自分が想像したうえでの真中の二面性は出せているのかなと思います。

――北川景子さんや山田裕貴さんとの共演の感想を聞かせてください。

学生役の僕たち5人（南沙良、前田旺志郎、前田拳太朗、河村花）と、教員側の北川さん、山田さんとは一緒のシーンが多く、そこでいつも話題になるのが「それぞれの人間性」について。北川さんからは、僕と北川さんが「似ている」なんてよく言われます。ちょっとした僕の悩みを相談したところ、「自分も同じように感じていた時期があった」と、背中を押してくださったことがありました。

裕貴さんとは約3年前に『先生を消す方程式』（テレビ朝日）というドラマで共演させていただいて、それが『仮面ライダーゼロワン』（テレビ朝日）後、初めての作品だったので、いろいろなことを教えていただきましたし、その後もプライベートで相談にのっていただくなど、たくさんお世話になっています。久しぶりの共演ですが、現場で見る裕貴さんの背中は当時と全然変わっていなくて、うれしかったですね。

――学生役の皆さんとも仲良くなりましたか？

序盤は個々でお芝居をしていたのが、話数が進んでいくごとにどんどん集まるようになり、仲良くなっていると実感しています。役柄と同じように、僕たち自身も一緒に過ごす時間が長くなることで、仕事だけではなくプライベートについても話す機会が増えて、少しずつ距離が縮まっていきました。

――収録の合間はどんなふうに過ごしていますか？

桐矢役の前田旺志郎がいつも盛り上げてくれています。そこに援護射撃をしながらみんなでワイワイしている感じです。男3人がワチャワチャしているのを、女性2人はニコニコしながら聞いていますね。

――水沢役の前田拳太郎さんは、ともに『仮面ライダー』出身ですね。

実は、共演する前から彼とは知り合いで、食事へ行ったりもしていたので、初めのころは現場で一緒に過ごすのがとても不思議でした。でも、最近ではお芝居の話も普通にできるようになりましたし、拳太郎くんの存在に助けられています。

――前田さんにとって今作はライダー後、初めての作品ですが、お芝居のアドバイスをすることもありましたか？

アドバイス的なことは何もしていません。彼がすごく頑張っているので、その背中を見て、僕も頑張らなきゃと気合いが入ります。

――ライダー出身には、“カメレオン俳優”と呼ばれる方も多いですが、高橋さんはどんな俳優になりたいですか？

こうなりたいという明確なビジョンは現段階ではなく、求められたものに対して柔軟に対応していきたいと考えています。目指しているものが「カメレオン俳優」と呼ばれることなのか、自分でもまだわかっていないのですが、俳優として評価されるのはうれしいので、そうなれたらいいなとどこかで思っている自分もいます。

――『仮面ライダーゼロワン』では芸人からいきなり社長になり、昨年末は『君の花になる』（TBS）でボーイズグループのメンバーを演じました。作品ごとに役の振り幅が大きいことに驚かされます。

そう言っていただけるのはめちゃくちゃうれしいです。真中役をいただいたときに“試されている感”がすごくあって、そして、台本を読んでさらに難しい役柄だと感じました。これまでサイコパスのような役を演じたことはあるけれど、真中は決してサイコパスではなく、自分を守るために自己を犠牲にしている部分もある。そんなお芝居を求められたことがうれしく、彼のバックボーンや心の奥の奥、計算高いところなどをきちんと表現したいと強く思いました。

――劇中では必死に勉強する真中たちの様子が描かれていますが、もし、学生時代に戻ったとしたら、勉強したいことはありますか？

今、必要だと思うのは、国語と社会です。学生時代にはまったくできていなかったのですが、この年齢になって、毎日、机に座るだけで勉強させてもらっていた当時のありがたみを感じるようになりました。大人になってから勉強を始めようとすると、お金を払ってしなければいけないこともあるじゃないですか。最近、親戚の子が高校生ぐらいの年齢になってきたので、「マジで勉強したほうがいいよ」と言っています。

何かしらの役を演じると、その職業に詳しくなれることがうれしいですね。台本に読めない漢字や意味がわからない言葉があると、すべて調べて書き込むようにしているのですが、「これはこういう言葉でこういう意味があって、こういう言葉を紡いでセリフを言っている」と理解するだけで、セリフを覚えることがすごくラクになります。

今回の役柄はそれが多くて、以前、覚えた言葉が再び出てきたときに「こういう意味か」と理解し、スムーズに読み進めることができているので、学生時代の勉強のようで楽しいです。

――4話は真中がメインとなります。どんなところに注目してほしいですか？

4話は、1～3話とつくり上げてきた真中の人物像が明らかになる集大成のような回だと僕は考えていて、彼の心情の変化がすごく見える回なので、楽しみにしていただきたいです。単独でのシーンもたくさんあって、みんなといるときと一人でいるときの表情の違いや、彼が抱える苦悩を散りばめられたらと思ってお芝居をしたので、見てくださる方に彼の葛藤がきちんと伝わったらうれしいですね。

3話まではどちらかというと嫌われる立場でしたが、4話では彼に寄り添いたくなり、そして、それ以降は新たな魅力に気づいていただけるのではないかと思うので、温かい目で見守っていただけたらと思います。