現在、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(東京都・港区)45階の「TOKYO NODE」で開催されている「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」(~2月25日)。
写真家で、映画監督の蜷川実花さんのこれまでで最大規模の展覧会で、建築、音楽、舞台美術など、各分野のプロフェッショナルと共創した11の作品群が一堂に会します。
蜷川さんが「一瞬の中の移ろい、夢のような時間を紡ぎました」と話すこの展覧会に、アートの魅力を英語で発信するTokyo Art Vibes∞のナビゲーターである佐久間みなみフジテレビアナウンサーが行ってきました。
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走馬灯をともに見るような映像体験ができるという「Flashing before our eyes」では、最高天高15mのドーム型空間に、都市や金魚などの映像が次々と映し出されていきます。
サンタクロースの帽子のようにてっぺんが三角形のドームなので、壁面のパネルは四角ではなく、いびつな形をしているのですが、蜷川さんはその1枚1枚に合わせて映像を作ったそうです。ダイナミックなスケール感です。
ここは45階で、夜は眼下に夜景が広がりますが、なんとその夜景に青い空が重なったり、闇夜に金魚が浮かび上がったり、と、リアルな眺望と映像とが共演!これまたアートです。
「Intersecting Future 蝶の舞う景色」は、会場の中でも最も華やかな花、花、花が圧巻のエリアです。“100万色の桃源郷”という展覧会のテーマを象徴する、まさに桃源郷のような世界が広がっています。
このエリアに入った佐久間アナは、「香りもするし、映画の中にいるみたいです。何時間でもいられます」とうっとり。
それもそのはず、色鮮やかな花に360°囲まれているだけでなく、照明は朝昼夜と移り変わり、人感センサーが来場者を感知すると、蜷川さんがセレクトした香りが漂うという、まさに5感で楽しめる空間になっているのです。
また、ここは「Intersecting Future 蝶の舞う景色」と名付けられているように、あちこちに蝶の姿が。
佐久間アナも発見するたびに「ここにいました!」と宝探しをするように声をあげていました。
ちなみに、蜷川さんは、蝶を「可能性」の象徴として配しているのだそう。その心は…?思いをはせてみるのも楽しいかもしれません。
このエリアには小部屋があり、その一つには造花と生花を組み合わせた作品があります。
生花の方は朽ちていくものはそのままにしてあり、まさにその“朽ち”こそも美として表現されていて、その発想に驚かされます。
もう一つの小部屋「Luminous Echoes」には、花以外に、正面にネオンライト、壁面には夜景、天井には夜空の景色が広がります。
上下左右を見渡して初めて、この小さな空間の果てしない広がりを感じられますので、写真撮影待ちでもあきらめずに、中に入ってみることをおすすめします。
音、香り、触感を含めた5感で堪能できる体験型のアート
「Intersecting Future 蝶の舞う景色」の中で蜷川さんのイチオシは「Luminous Echoes」の入り口の向かい側の花園エリア。もっとも蜷川さんの展覧会だけあって、どこも“映え”スポットです。
蜷川さんは内覧会での会見で「一つ一つの部屋を、個展ができるほどの“濃さ”で作っています」と話していましたが、ここまででもかなり満喫できます。が、展覧会はまだまだ続きます!
佐久間アナが「かわいい!色合いがすてき!ピンクなのに、いろいろな層のピンクがある!」と歓喜の声を上げたのが、天井には映像が流れる花弁状のスクリーン、床にはクッションが置かれた「Blooming Emotions」の空間。
クッションに寝ころんでの鑑賞するのがおすすめ、とのことで、佐久間アナもやってみると「寝そべると全然違います。没入感がすごいです!」と納得していました。
さらに、もう一つご紹介したいのが6層の大型スクリーンからなる「胡蝶のめぐる季節 Seasons: Flight with Butterfly」です。
蜷川さんは、展覧会のコンセプトを「日常の中に隠れている美しいことを突き詰めました。少し角度が違うだけで美しい景色が広がります」とコメント。
それを具現化するように、風にそよぐ花々、その間を飛び回る蝶々など、季節折々の風景が映像に切り取られています。
スクリーンの奥にうっすらと別のスクリーンがあるのがわかりますか?来場者はスクリーンを縫うように作品を鑑賞するなかで、別のスクリーンに映り込むことになりますが、蜷川さんはそれも作品の一部だと言います。
ということで佐久間アナに歩いてもらい、手前から撮影してみるとシルエットが浮かび上がって幻想的です。
佐久間アナは「実際のお花畑を歩いているような感覚です。子どもに戻ったみたいなやさしい気持ちになれました」と楽しんでいました。
展覧会を見終えて、蜷川さんが開催にあたり話した「全体にストーリーがあるので、映画を見終わった気分になってほしいです。アートに興味がない人も楽しんでもらえると思いますので、気軽に遊びにきてもらいたいです」という言葉を思い出しました。この展示に、“アート”という高いハードルはありません。
人間が識別できる最大数と言われる100万色もの光彩色で、リアルな世界にある美しさを表現しているこの展覧会。それを見るだけではなく、音、香り、触感を含めた5感で堪能できる体験型のアートです。
すべて撮影可能というのも楽しく、時間を忘れてしまうので、日常から一時でも脱却したいという方には特におすすめです。
text by=Eiko Katsukawa
<開催概要>
イベント名:「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」
会期:~2024年2月25日(日)
開催時間:10:00〜20:00
※毎週火曜日は17:00まで
※毎週金・土曜日・祝前日は21:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C
住所:東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F
料金(平日):一般 2300円/大学・高校生 1800円/小・中学生 600円
料金(土日祝):一般 2600円/大学・高校生 2000円/小・中学生 800円
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