全ての画像を見る

みなさん、こんにちは。『めざまし8』（フジテレビ）に気象防災キャスターとして出演しています、気象予報士の天達武史です。

5月は初夏。本来なら、変わりやすい春の天気もようやく安定し、梅雨入り前の貴重な晴天が広がります。

ところが最近は、季節の歩みが早まっている影響なのか、5月前半から、梅雨のはしりのような天気が続いたり、ゲリラ雷雨や竜巻などの突風が局地的に発生したりするなど、激しい気象現象が目立ちます。

今年も、初夏の日差しとシビアな気象が、隣り合わせになるかもしれません。

とくに5月は、夏と違って上空の気温がまだ低いので、発達した積乱雲の中で成長した氷の粒が、地上まで溶けずに「あられ（霰）」や「ひょう（雹）」として落ちてくることがあります。粒の直径が5mm未満だとあられ、5mm以上になるとひょうと呼びます。

「竜巻注意情報」や「雷注意報」が出ているとき、空が急に暗くなってきたときは、あられやひょうが降るサインです。とくに、竜巻注意情報は、イコール“ひょう注意報”だと思っていただいてもいいと思います。

ひょうが直接当たると、車や屋根がへこんだり、ビニールハウスが損傷したり、農作物に被害が及んだりすることがあるので要注意。もちろん、ケガにも気をつけましょう。状況にもよりますが、直径5mmのひょうは時速約35km、10mmだと時速約50kmにもなると言われています。

あられやひょうは、ゲリラ雷雨と比べてさらに局地的で、短時間で降ります。この時期は、空模様や天気予報をこまめにチェックしてください。

天気が急変しやすい5月ですが、ひょうのほか、落雷にも注意が必要です。

雷が激しいときは、雷の電気がケーブルや電線などをつたって屋内にも流れ込み、感電する可能性があります。

感電を防ぐためには、壁や天井、水道管や窓などの金属部分、コンセントやテレビなどの家電製品から、1メートル以上離れましょう。部屋の真ん中あたりにいるのが、より安全です。

可能なら、家電や電子機器（パソコンなど）の電源はコンセントから抜いておくと、感電を防げますし、機器が壊れるリスクも減らせます。大型家電にアースをつけたり、雷サージ（異常高電圧）に対応した電源タップを使うことも、より安心につながります。

また、落雷があると水道管や排水管などを伝わって、高い電圧がお風呂場へも伝わり、入浴中に感電する可能性もあります。雷が鳴っているときは、お風呂の時間もずらしたほうが安心です。

建物の中にいるからといって、100％安全とは言えないのが、雷の怖いところ。お天気に注意して、感電を防ぎましょう。

次回は6月1日（木）更新予定です。お楽しみに！

天達武史（あまたつ・たけし）
気象予報士。横浜市生まれ。専門学校でイラストを学んだ後、ファミリーレストランに9年間勤務。海が目の前の店舗で、天気で客数が大きく変動するため、過不足なく食材を発注するべく気象予報士を目指す。『めざまし8』の前身『とくダネ！』から、長年にわたって番組に出演。スポーツ観戦（特に野球）、散歩、スノーボード、温泉・銭湯めぐりも好き。

写真／天達武史