坂元裕二“脚本賞”受賞で是枝監督に感謝「30年前に忘れていた夢を叶えることができた」

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6月2日、映画「怪物」の初日舞台挨拶が行われ、安藤サクラさん、永山瑛太さん、黒川想矢さん、柊木陽太さん、角田晃広さん、中村獅童さん、脚本を手掛けた坂元裕二さん、是枝裕和監督が登壇しました。

この作品は、「万引き家族」でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝監督が、「今一番リスペクトしている」と語る脚本家の坂元さんとタッグを組んで製作されたヒューマンドラマです。

音楽は「ラストエンペラー」や「レヴェナント：蘇えりし者」など、海外でも第一線で活躍した音楽家の坂本龍一さんが務めるなど、稀有なコラボレーションが実現しました。

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先日閉幕した「第76回カンヌ国際映画祭」では、コンペティション部門の公式上映後には、9分半ものスタンディングオベーションで称えられた本作。

坂元さんが脚本賞を受賞の栄誉に輝き、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得しました。

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是枝監督は、「最高のカンヌ滞在でした。オープニングでの上映ということもあり、まるまる15日間映画祭に行きました。こんなに長く滞在したのは初めてです。作品が上映した後、口コミが広がり、街中で声をかけられたり、グーサインをしながらすれ違う方もいて。映画の広がりを、強く感じました」と報告。

坂元さんは、「30年前、遊びにカンヌ映画祭に行ったことがあるんです。そのころは遠巻きにレッドカーペットを眺めているだけでしたが、今回、監督に連れて行っていただき、実際に歩くことができ、30年前に忘れていた夢を叶えることができて、感無量でした」。

「自分が想像していた以上の歓声で迎えていただきました。カーペットを歩いている時も、上映後もお客さんの反応がすごくて、恐縮しながらも胸がいっぱいになりました」と感謝しました。

「万引き家族」では、スケジュールの関係で授賞式に参加できなかった安藤さん。

今回は、現地での参加について、「前回は、自分たちの上映の時のみ参加して、帰国してしまったので、今回は映画祭を全体的に感じることができました。授賞式に出たときに、素晴らしい場所・瞬間にいさせていただいて、『ものすごいことなんだ！』と実感しました。素晴らしい経験をさせていただき、大興奮でした」と語りました。

永山さんは、レッドカーペットについて、「世界中の人が、（監督を）『コレエダ！』と呼び、写真を求められていて。たまに、『コレエータ』と聞こえたので振り返ったら、全然僕の方じゃなかった」と苦笑い。

続けて、「レッドカーペットの最後、是枝さんが『振り返って、手を振って』と指示してくれて、両手で手を振っていたら、坂元さんと僕だけ両手で…。そこの場面が写真に撮られていて、囚われた宇宙人みたくなりました」と語りました。

坂元さんも、「一つの手だけだと、（歓声に）応えられていない気がして、両手を挙げてしまったら、宇宙人になってしまった。是枝さんは、（レッドカーペットに）慣れているから片手」と明かし、笑わせました。

今回の登壇者の中で、唯一「カンヌ国際映画祭」に不参加となった角田さん。

角田さんは、坂元さんがカンヌ滞在中に腹痛になってしまったニュースを挙げて、「よりにもよって、『カンヌで？』と思い。どうしたんですか？」と質問。

坂元さんは、「レッドカーペットを歩いた次の日に、急に苦しくなってしまって。皆さんと、食事に行く流れだったのですが、トイレから出れなくなってしまって（笑）。優しいスタッフの方が、クッキーとウエハースを持ってきてくれて。カンヌと言えば、ムール貝とシャンパンのイメージがあったのですが、最高のウエハースを食べることができました」と語りました。

イベントの最後には、坂元さんが獲得した脚本賞のトロフィーが登場。黒川さんや柊木さんは「すごくきれい！」と目を輝かせ、会場からは拍手が起こりました。

ストーリー
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。

それは、よくある子供同士のケンカに見えた。

しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。

そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した――。

映画「怪物」は、公開中。
©︎2023「怪物」製作委員会
配給：東宝 ギャガ