中川大輔さんが、若村麻由美さんとの撮影エピソードを語りました。

若村麻由美さんが主演を務める木曜劇場『この素晴らしき世界』。本作は、平凡な生活を送る主婦が、ひょんなことから芸能界で活躍する大女優になりすましながら二重生活を強いられるという、“なりすましコメディ”です。

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本作で、中川大輔さんは主人公の主婦・浜岡妙子(若村)の一人息子・あきら役を演じています。

あきらは社会人1年目ながら、会社には出社せず公園などで時間をつぶす日々。妙子には冷たく接しますが、母親の見た目や雰囲気の変化に敏感に反応する一面もある青年です。

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そんなあきらを演じる中川さんが取材会に出席。ドラマへの出演が決まった際の心境や役作りについて、撮影エピソードなどを語ってくれました。

全話の台本がすでに完成している本作「完成度の高いドラマが出来上がるのでは」

<中川大輔 インタビュー>

──オファーを受けたときの心境を聞かせてください。

木曜劇場は、ステキな作品を放送しているイメージがあったので、出演できることはすごく光栄です。しかも、キャストの皆さんも実力者揃いで、その中でお芝居ができることは、役者としても贅沢な時間だなと思い、すごく気合が入りました。

──本作は完全オリジナルストーリーですが、最初に台本を読んだときの感想を聞かせてください。

他に読んだことがない“オリジナル”だなと感じる台本でした。すべてのキャラクターもセリフも生きていて、僕自身も『この素晴らしき世界』の世界観の中で無理なくあきら役を演じられています。

劇中で描かれる世界が本当に存在しているかのような作品、お芝居が好きだということもあるのですが、この台本を読んでいるといろいろなアイデアが思い浮かびますね。

──思い浮かんだアイデアは監督と相談して取り入れていますか?

まずはリハーサルで試しています。やってみると、監督が面白がって使ってくれることもあるので楽しいですね。

──台本が出来上がっていることもあり、全話を並行して撮影していると聞きました。あまり近年の連続ドラマではない撮影方法かと思いますが、戸惑いなどはありませんか?

例えばコインランドリーのシーンはコインランドリーのシーンで、一気に全話分を撮影しているのですが、なるべく時系列順に撮るようにしてくださっているので、僕はやりやすさを感じています。

直前に撮影したシーンの感情が、そのまま次のシーンに生きることもありますから。

それに、すべてを知ったうえで逆算をしてお芝居ができるというのもいいですよね。以前、結末を知らずにお芝居をしていたら、ある回の台本をもらったときに自分の役が裏切り者だったことに気づいて。「あ、裏切り者だったんだ!?」と驚いたことがあります(笑)。

それはそれで新鮮な気持ちで演じられるので楽しいですが、今回のように最初からすべての物語を知って、逆算をしてお芝居ができると、完成度の高いドラマが出来上がるのではないかと思っています。

等身大の役柄に「“中川大輔み”を出して演じたい」

──今回演じる浜岡あきらは、どのような役だと捉えて演じていますか?

家にいるときは、食べたあとの食器を自分では片づけないですし、父に対して「あー」とか「うー」としか返事をしないですし、母・妙子(若村麻由美)と父・陽一(マキタスポーツ)に甘やかされて育った一人息子という感じですね。

でも、外に出ると少し違って。最初は家の中と変わらずだらしないかもしれませんが、中盤以降は頼りがいのある人物になっていくので、その成長を演じられたらと思っています。

──具体的には、どのような変化があるのでしょうか?

最初の頃は正義感が強いが故に生きづらさを感じていて。例えば、電車に乗っていて「席を譲ろうかな」と思いながら譲れなくて、後悔するということがあるじゃないですか。あきらも、正しいことをしたいけどできなくて、悔しい思いをしながら生きている人。

会社に行かず公園で時間をつぶすシーンも描かれますが、その後、蒼井蛍(永瀬莉子)と出会い、影響を受けて、少しずつ正しいと思えることができるようになっていきます。その成長がしっかりと表現できたらと思いますし、あきらは見てくださる皆さんにも共感してもらえる役だと思います。

──今回の役で「新たな挑戦だな」と思う点はありますか?

ここまで自分に近しい役を演じることはあまりなかったので、挑戦ですね。僕を知っている人が見たら、「そのままじゃん」と言われると思います。特に、リアルな両親に対する態度と、あきらの両親に対する態度がほとんど同じです(笑)。

今回は、作品的にも“そのまま”ということを大事にして演じるほうがいいかなと思ったので、できるだけ“中川大輔み”を出して演じています。

──役作りは大変ではなかったということですか?

そうですね。ただ、“会社に行っていない”という設定に関しては「ドラマの現場をサボっているっていうこと?」などと、自分に置き換えて考えるようにしています。そうなると、かなりヤバいというか、実はいろいろなことにビビッていそうだな、と。

あとは、蛍との関係もかなりウブなところがあるので、想像しながら演じています。

若村麻由美とセリフ合わせをしながらスタジオへ

──若村さん、マキタスポーツさんとの初共演はいかがですか?

事前にやらせていただいた本読みで挨拶をしたときから、「両親だ」と思いました。特に若村さんは自分の母と近い空気感があり、マキタスポーツさんは本当に“ダメな父親”としてそこにいてくださるので(笑)、一瞬で親子の空気感が作れたなと感じています。

──撮影現場では、どのような話をしていますか?

お2人が出演されている作品はいろいろと見ていたので、「あのとき、どうだったんですか?」というお話を聞くことが多いですね。

あと、マキタスポーツさんと住んでいた場所が近かったようで「あの店知ってる?」という話もしましたし、僕の実家がトマト農家だという話もしました。

現場ではマキタスポーツさんが冗談を言って、若村さんと僕が笑っていることがほとんどで、劇中の浜岡家より仲がいいと思います(笑)。

──お芝居について話すことはありますか?

あまりありません。ただ、若村さんとはよくセリフ合わせをしています。僕がメイク室で1人でぶつぶつとセリフの確認をしていると、若村さんがスッと入ってきてくださって、掛け合いをしながらスタジオに向かうということが良くあります。

──本作は、主人公の主婦が女優になりすます物語ですが、もし中川さんが主人公のような二重生活を送るとしたら、どんな人物になりすましたいですか?

ドラマをやっていて、台本を読んでいると…「台本を書いてみたいな」と思うことがあるんです。なので、脚本家と俳優ができたら楽しそうだなと思いますね(笑)。

──最後に、見どころを聞かせてください。

序盤で言うと、浜岡家3人のシーンは本当にリアルな空気感で描かれているので、見ていただきたいです。

そして、後半はあきらと蛍の関係が急速に進んでいくのですが、あるシーンを撮影したときに、スタッフさんから「いいシーンだった」と褒めていただけたんです。僕自身もキュンと、ドキッとしたシーンなので、蛍とのシーンはぜひ注目していただけたらうれしいです。