男闘呼組「みんなのことを一瞬たりとも忘れたことはなかった」ロックの聖地・武道館でラスト熱狂

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男闘呼組がロックの聖地で燃え尽きました。

昨年7月に29年ぶりの再結成をはたし、デビュー35周年を迎える2023年8月24日まで期間限定で活動してきた男闘呼組（前田耕陽さん、成田昭次さん、高橋和也さん、岡本健一さん）が、東京・日本武道館にて「LAST FOREVER」と題した武道館ラストライブを8月16日、17日、24日、25日に開催しました。

1988年に「DAY BREAK」デビューし、アイドル的なルックスながら、ハードな音楽で一躍ミュージックシーンのトップに躍り出た男闘呼組でしたが、1993年に突然活動を休止。今回の再始動後に“解散”を公言していただけに、最後の勇姿を見届けようと、全国から4日間で計48000人のファンが集結しました。

武道館公演のファイナルとなった25日は、「TIME ZONE」でスタート。1曲目から最高潮の盛り上がりをみせるオーディエンスを「行くぞ！武道館」と高橋さんがあおり、「CROSS TO YOU」など代表曲が続くと、一音一音を噛みしめるよう、4人が力強く歌とサウンドを紡いでいきます。

MCに入ると「ついに『LAST FOREVER』ラストです。今日も満員のお客さん、ありがとう！」と感謝する高橋さんに大きな拍手が送られると、感慨深そうな表情を浮かべながら客席を見渡す4人。「最後、一緒に燃え尽きよう！今日はたっぷり愛してやるぜ！」と、「PARTY」を熱唱しました。

成田さんのエッジの効いたギターで始まった「YO-YO」では、「男闘呼組とひとつになろう！」とコール＆レスポンスで湧かせると、ショルダーキーボードを背負った前田さんがリードボーカルを務める「REIKO」、岡本さんが妖艶なボーカルと哀愁のギターサウンドで魅せた「KIDS」と続き、それぞれが強烈な個性を放つ、男闘呼組の多面的な魅力をアピールします。

中盤には高橋さんの「昨日、俺たちのデビュー映画『ロックよ、静かに流れよ』の長崎俊一監督が駆けつけて、大人になった男闘呼組にむせび泣いていました」という言葉から、「ロックよ、静かに流れよ」、「ルート・17」、「ROLLIN’IN THE DARK」と劇中歌を披露。

さらに、バラード曲「LONELY…」、「不良」と続くと、これらの曲を歌っていた20代のやんちゃだった男闘呼組と、50代半ばとなった男闘呼組の現在の姿がオーバーラップして、何ともいえない感情に胸が熱くなります。

ライブ終盤、火柱の上がる中で激しい演奏をみせた「Burn it」。「最後の『DAY BREAK』、みんな一緒に歌ってくれ！」と本編ラストとなる、男闘呼組のデビュー曲「DAY BREAK」が始まると、会場中から大きな歌声がわき起こります。

1988年８月24日発売、35年前に発売されたこの曲。現在の男闘呼組による力強い演奏にのせた「俺たちの夜が明ける」と歌う成田さんのハスキーな歌声が、新たな男闘呼組の希望を感じさせてくれます。

鳴りやまないアンコールに、タキシードで正装し、ステージに登場した4人。主演ドラマ『僕の姉貴はパイロット』（1987年／TBS）主題歌「STAND OUT」で始まったアンコールは、名曲「Midnight Train」と続き、「終わらない魂」へ。

「男闘呼組、35 年の幕を閉じる時がやってきました。35 年間、僕は男闘呼組のこと、そして、応援してくれたみんなのことを一瞬たりとも忘れたことはなかったです」 ――「終わらない魂」の曲中、男闘呼組の活動終了を改めて宣言し、感謝の言葉を告げる高橋さんに、客席からは温かい拍手とすすり泣く声が。

さらに、「今日明日、これで男闘呼組の活動のすべてが終わります。でも、今、この瞬間のことをずっと胸に刻み込んでいこうと思っています。俺たちのこの姿を最後まで見守っていて下さい」とメッセージを送ると、メンバーへとマイクを。

「男闘呼組が再始動したこの1年、日本全国のライブ会場には、皆さんの幸せな空気がいつも流れていました」と語る岡本さんは、「男闘呼組は 35 年の歴史の幕を閉じますが、ライブ会場のたくさんの愛にあふれたエネルギーがこの先、世界に幸せをもたしていくことを願っています。皆さんの存在は、愛にあふれています。引き続き、健康第一で」とメッセージ。

「1993 年に活動を停止してから、僕が一番（男闘呼組から）距離が遠かったかもしれない。今日が男闘呼組の『LAST FOREVER』ファイナルなんですけど、本当に長い時間でした」と声を詰まらせた成田さん。

「35 年もの長い間、待ったにも関わらず、こんなにたくさん、こんなに愛おしい、こんなに素敵なファンの皆さんに再会できたこと、この4人の出会いがあったからこそ、再会があったからこそ、このメンバーに出会えたことに感謝します」とファンやメンバーへの感謝の言葉を告げます。

「35 周年を迎えたんですけど、実際に活動してたのは5年です」と笑わせた前田さんは、「30 年ぶりにライブをやることになって全国をまわったら、たくさんの人たちに温かく迎えてもらって…」と涙を浮かべ、「皆さんとの 30 年間の空白を埋めることができたでしょうか？」の問いかけに、ファンは温かい拍手で応えます。

「男闘呼組は今日と明日で終わりますが、会場に足を運んでくれた皆さんとの絆は、すごく強いものだと感じました。絆をさらに強いものにするために、最後にみんなで歌いましょう！」と呼びかけ、「終わらない魂」に1万2000人が左右に大きく手を揺らし、「♪ラララ」と声を合わせました。

アンコール後も鳴り止まない手拍子と歓声に、再び、ステージに登場した4人。「最後に永遠の愛の歌を捧げます」と紹介して、アコースティックセットで4人だけで演奏したダブルアンコールは「FOREVER」。

確認し合うように目線を合わせながら、心を込めた歌と演奏を一人ひとりのファンに届けると、「We are？」「男闘呼組！」のコール＆レスポンスでライブが終演。

名残惜しそうに客席の隅々まで笑顔で手を振り、肩を組んだままステージを去った4人。エンディング映像で流れた「パズル」に会場中の大合唱が起き、会場に愛と幸福感が満ち溢れる中、『LAST FOREVER』が幕を閉じました。

なお、この日の会場となった日本武道館の外にはジャニーズ事務所所属タレントから黄色い花がズラリ。伝説のライブに華を添えました。

©AKI SANTIN