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パリ五輪の出場がかかる「ワールドカップバレー2023」男女日本代表はどう戦う?

女子:9月16日(土)~24日(日)/男子:9月30日(土)~10月8日(日)「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」

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9月16日(土)より、国立代々木競技場 第一体育館で開幕する「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」。

2024年夏に開催されるパリ五輪の予選大会の一つであり、上位2チームがパリ五輪の出場権を獲得できる。その見どころと注目のポイントを、スポーツライターの田中夕子氏が解説する。

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眞鍋政義監督「もしもパリ五輪に出場できなかったら、緊急事態になる」

パリ五輪出場のかかった大事な大会、先陣を切るのは女子だ。東京五輪では無念の予選グループリーグ敗退で10位と沈んだ。危機的状況といえるなか、監督に就任したのは眞鍋政義氏。

2012年のロンドン五輪で28年ぶりの銅メダルをもたらし、16年のリオデジャネイロ五輪後に退任したが「もしもパリ五輪に出場できなかったら、緊急事態になると思って手を挙げた」と、5年ぶりに再登板を果たした。

攻撃面で最初に着手したのがサーブだ。世界は大型化が進み、高さで劣る日本にはより厳しい状況を強いられる。相手ブロックを振りきるスピード、複数枚数での同時攻撃も(課題に)掲げるが、まずは最初のプレーであるサーブで相手の守備を崩し、ブレイクにつながりやすいシチュエーションをつくること。サーブ自体のスピード、狙う位置を徹底して意識づけ、実践してきた。その成果を発揮したのが昨年オランダ、ポーランドで開催された「世界選手権」だった。

第1次ラウンドではそれまで全勝のブラジルに対し、攻めのサーブで主導権を握り、3対1で退けた。準々決勝では、2対0からフルセットで逆転負けを喫したが、サーブで崩せばいかなる相手に対しても戦える。

つかんだ成果をより伸ばすべく、今シーズンも眞鍋監督は最重要ポイントとしてサーブを挙げ、動作解析やOGなどさまざまな専門家を招聘(しょうへい)し「サーブで崩せない選手は選ばない」と強い姿勢と覚悟をもって取り組んできた。

5月30日から名古屋で開幕した「ネーションズリーグ」でも強豪国に対し、サーブで主導権を握るべく、攻めの姿勢を貫く姿が見られた。「ワールドカップ」でも、トルコ、ブラジルなど「ネーションズリーグ」で上位進出を果たした強豪国に対し、どれだけサーブから日本が得点を重ねられるかが大きなポイントとなりそうだ。

主将・古賀紗理那は自身二度目の五輪予選に臨む

ワールドカップの舞台に立つのはわずか14人。すべての選手に役割があり、期待もかかるが、なかでも特に注目してほしいのは主将も務めるアウトサイドヒッターの古賀紗理那だ。

監督、スタッフだけでなく選手も大きく変わるなか、眞鍋監督が主将に指名したのが古賀だ。熊本信愛女学院高在学時から、攻守に長けた大型エースとして期待を集め、19歳で15年の「ワールドカップ」に初出場。しかし、16年のリオ五輪は最終選考で落選、涙を飲んだ。

一時は「代表に対するモチベーションが切れかけた」と振り返るが、再び奮起し所属するNECでも攻守において大黒柱というべき活躍を見せ、日本代表でも主軸として活躍。東京五輪を経て、さらに経験を重ねたなか、新生日本代表でもエースとして活躍してきた。

高さとスピードを活かした攻撃、特に眞鍋監督が「世界を驚かせた」と評するバックアタック。抜群の攻撃力が古賀の長所でもあるが、常に全力で勝利を求め、日々の練習から試合を想定して誰よりも真剣に取り組み、自身のプレーだけに目を向けるのではなく、いかにチームとして効率的に得点できるかを考え、実践する。タイムアウト時には選手がつくる輪の中心で積極的に声をかける姿も目立ち、キャプテン姿も板についてきた。

自身三度目となる「ワールドカップ」、そして二度目の五輪予選。どちらも簡単には勝てない難しさを実感している。ベルギー、トルコ、ブラジルなど、高さとバランス、攻撃力を併せ持つ強豪ぞろいのグループではあるが、悔しさを知る古賀だからこそ、勝利に向け、チームのために全力を尽くす姿がワールドカップでも見られるに違いない。

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日本オリジナルの追求ではなく、世界と同じ基準で

12年のロンドン五輪で女子バレー日本代表が銅メダルを獲得するなど、世界で上位争いを繰り広げてきたなか、男子日本代表は、ロンドン、リオと出場を逃し後塵を拝してきた。

だが女子のあと、6月6日に開幕した「ネーションズリーグ」では開幕から10連勝を飾り、ファイナルラウンドでも準々決勝でスロベニアを打破し、目標としてきたベスト4進出を果たす。

準決勝はポーランドに敗れたが、3位決定戦でイタリアに勝利し、世界ランキングに関連する主要国際大会で、実に46年ぶりのメダル獲得という快挙を成し遂げた。

最大の要因は、東京五輪後の21年に就任したフィリップ・ブラン監督の存在だ。現役時代はフランス代表としてプレーし、引退後は監督、コーチとして母国フランスやポーランドを率い、コーチを務めた14年にはポーランドを「世界選手権」優勝へと導いた名将だ。

17年に日本代表コーチとして選手とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築いてきた。何より大きかったのは、これまでは高さで劣る日本が世界と戦うためにはスピードが重んじられる傾向が強かったなか、ブラン監督は世界と異なる日本オリジナルを追求するのではなく、世界と同じ基準でサーブを攻め、ブレイクチャンスをつくるためのブロックとレシーブのトータルディフェンスを構築。

さらに、攻撃時には最低4枚の攻撃陣が同時に入り、ブロックを拡散させる。いわば世界の強豪がなしえる当たり前の戦術を、日本代表にとって最も適する形へと落とし込んできた。

史上最強の男子日本代表メンバーが五輪出場ではなくメダル獲得へ向け出陣

その中心となるのが、主将も務める石川祐希だ。中大在学時からイタリアへ渡り、想像ではなく自らの体験として世界を知り、撃破するためにはどんな攻撃が通用するのか。自分に必要なものは何かを考え、追求し、磨き続けてきた。

特に大学卒業後の18年にプロとなってからは、ケガを防ぎ、より高いパフォーマンスを発揮するためにトレーニングや食事、セルフケアを含めた休息にも重きを置き、戦う身体を整える。セリエAでも年々レベルアップを果たし、昨シーズンは目標としてきたプレーオフ進出、ファイナルラウンドでのベスト4進出も成し遂げた。

<石川祐希“龍神NIPPON”を分析「プレーの精度が備わってくれば、互角の勝負ができる」>

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石川祐希

そしてキャプテンとしてもチームを鼓舞、牽引するのはもちろん、勝負がかかった場面では、まず自らが欲しい1点をもぎとる強さも石川の大きな武器だ。その姿に触発され、同じアウトサイドヒッターの髙橋藍も日体大在学中ながらイタリアでプレーすることを選択し、ハードスケジュールをこなしてきたにも関わらず、直後の「ネーションズリーグ」「アジア選手権」でも石川とともに攻守の柱として日本代表にとってなくてはならない存在となった。

石川、髙橋ばかりではない。オポジットには東京五輪も経験した西田有志がいて、さらには西田の1歳上の宮浦健人も存在感を発揮している。ミドルブロッカー陣も小野寺太志、山内晶大、髙橋健太郎といった攻守でそれぞれ個性を持つ選手がそろい、ディフェンスはリベロの山本智大が束ねる。

何より、多彩な攻撃陣を活かすセッター関田誠大の正確で大胆なトスワークも光り、まさに全員が欠かせぬ戦力であり、出場機会が限られる選手たちもめぐってきたチャンスで着実に成果を残す。決して大げさではなく最強の日本代表といっても過言ではないはずだ。

同じB組にはアメリカ、セルビア、スロベニアといった世界の強豪がそろう。ホームアドバンテージがあるとはいえ、苦しい戦いが予想されるが、今の日本代表には勝ち抜く力がある。五輪出場ではなく、メダル獲得に向け、「ワールドカップ」からどんな戦いが見られるか、注目だ。

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左から)西田有志、石川祐希、髙橋藍

フジテレビでは、9月16日(土)より、国立代々木競技場 第一体育館(東京都渋谷区)で開幕する「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」の日本戦全試合を、『FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』として、地上波独占中継。

女子日本代表の初戦となる、9月16日(土)のペルー戦から、男子日本代表の最終戦となる、10月8日(日)のアメリカ戦まで、全14試合を19時から地上波独占生中継します(延長対応あり)。

<競技日程>

女子大会

9月16日(土) 日本×ペルー

9月17日(日) 日本×アルゼンチン

9月19日(火) 日本×プエルトリコ

9月20日(水) 日本×ブルガリア

9月22日(金) 日本×ベルギー

9月23日(土) 日本×トルコ

9月24日(日) 日本×ブラジル

男子大会

9月30日(土) 日本×フィンランド

10月1日(日) 日本×エジプト

10月3日(火) 日本×チュニジア

10月4日(水) 日本×トルコ

10月6日(金) 日本×セルビア

10月7日(土) 日本×スロベニア

10月8日(日) 日本×アメリカ

放送日時:日本戦全14試合を、19時~生中継(延長対応あり)

<大会概要>

「FIVB パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」

英文名称:「FIVB Road To Paris Volleyball Qualifier / World Cup 2023 Japan」

開催国

女子:中国、ポーランド、日本

男子:中国、ブラジル、日本

試合方式:

男女ともに開催国・フランスを除くFIVB(国際バレーボール連盟)世界ランキング上位24ヵ国(男子は、2022年9月12日時点、女子は10月17日時点)のうち8ヵ国が参加し、総当たり戦を行って上位2ヵ国が出場権を獲得。

公式HP:https://www.fujitv.co.jp/sports/wcv2023/

公式X(旧Twitter):https://twitter.com/fujitv_volley1

公式Instagram:https://www.instagram.com/fujitv_volleyball/

公式TikTok:https://www.tiktok.com/@cxvolleyball88

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