『パリピ孔明』第1話完全版
病に倒れた孔明がハロウィンで盛り上がる現代の渋谷に転生
時は、魏・呉・蜀の三つの国が天下の覇権を争う三国時代。病に倒れた天才軍師・諸葛孔明(向井理)は、薄れゆく意識の中で「願わくは、次の人生は命のやり取りなどない平和な世界に…」と願い、力尽きる。
孔明が次に目を開けた時、そこは…2023年ハロウィーンの渋谷だった。見渡す限りのゾンビ、悪魔、モンスター。「なるほど、ここが地獄なのですね」と勝手に納得する孔明。
<【写真20枚】『パリピ孔明』第1話を写真で振り返り!>
見知らぬ酔っ払いに連れて行かれたライブハウス・BBラウンジで、孔明は月見英子(上白石萌歌)のステージを見て、その歌声に魅了される。
歌い終わった英子は自分の歌を誰も聴いていなかったことに落ち込むが、孔明は英子に歌声の素晴らしさと感謝を伝える。そんな孔明に「私、あんま才能ないから」とつぶやく英子。
脅威の適応力でスマホを使いこなし、バイトをする孔明
翌朝、BBラウンジでアルバイト中の英子は酔い潰れて寝ている孔明を介抱する。目覚めた孔明はようやくここが地獄ではないこと、自分が生きている上に若返っていることに気づく。
さらにスマホやペットボトルなどの現代文明に激しい衝撃を受け混乱するが、そこは天才軍師。気を取り直し、脅威の理解力でスマホをあっという間にマスターしてしまう。インターネットにより、自分の死後も天下泰平の世は訪れなかったことを知る孔明。
そこへやってきたのはBBラウンジのオーナー・小林(森山未來)。「私、姓は諸葛、名は亮、字(あざな)を孔明と申します」と自己紹介する孔明に、小林は三国志の武将カードを取り出し、孔明に『街亭(がいてい)の戦い』での馬謖(ばしょく)についての問いを投げかける。
小林は熱烈な三国志オタクだったのだ。孔明と三国志談義に花を咲かせ上機嫌になった小林は、勢いで孔明をアルバイト採用することに。
さっそく、BBラウンジのバーカウンターに立つ孔明。初めてとは思えない流麗な手さばきでカクテルを作り、客を捌いていく。
英子が歌手を目指した理由
仕事からの帰り道、英子は「もうやめようかな、歌」とつぶやき、孔明に身の上を語り出す。親と喧嘩して家出し、行くあてもなく、歩道橋から身を投げようとしていた高校生の英子を引き止めたのが小林だった。
小林は英子を店に連れていく。ステージでは世界的シンガー、マリア・ディーゼル(アヴちゃん/女王蜂)が歌っていた。
感動で震える英子。それ以来、店でアルバイトをしながら歌手を目指してきた。
しかし「…正直、もう潮時かなって」と落ち込む英子。その姿を見て、孔明は「私が、あなたの軍師になります」と宣言する。英子の目には涙があふれていた。
人気シンガー・ミアと接触&イベントに誘われ舞い上がる英子
2人は情報収拾のため、小林にもらったチケットでクラブイベントに潜入する。ステージでは人気シンガーのミア西表(菅原小春)が歌い踊っていた。
ライブ後、孔明は控室に押し入り、ミアに挨拶する。するとなんと、ミアは自身が出るイベントに英子を出演させてあげると言う。大喜びの英子だが、孔明は何か裏があるのではと訝しむ。
後日タイムテーブルを見ると、英子のステージはミアの真裏だった。ミアは自分の裏のステージに無名の英子を当て馬として出演させ、自分のフロアに大勢の客を集めようと目論んだのだ。
しかし孔明はこれを千載一遇のチャンスと捉える。「今度のイベント、私のステージを満員にせよ!なんちゃって」という英子の言葉を受けた孔明は「軍師として動くべき時が来たようですね」と、いよいよ本領を発揮する。
孔明が見事な計略でミアの目論見を打ち砕く!
イベント当日。ミアのフロアは客が集まり盛り上がっている。一方、英子は一生懸命歌うものの、フロアはガラガラ。孔明は英子のフロアで酒をふるまい、客を誘導する。
「愚策だ」とあきれる小林。しかし、酒につられて来た客はそのままフロアに留まり、英子のライブは盛り上がりを見せていく。一方、ミアのフロアからは次第に客が減っていく。
驚く小林に、孔明が計略を説明する。フロア内の大量のスモーク、照明の点滅、オブジェや警備員の配置、回転するステージで方向感覚を狂わせ、出口を分からなくする。最初は出口を探していた客も、英子の歌の素晴らしさに気づいてそのままフロアに残ったのだ。
これは孔明の計略「石兵八陣(せきへいはちじん)」のアレンジであった。「おまえ…チョー孔明じゃん」と感嘆する小林。
SNSのフォロワーが急激に増えて戸惑う英子に「これからもっと増えます」と冷静に伝える孔明。こうして、歌手を目指す英子の夢を叶えるため、孔明と英子の二人三脚の戦いが始まったのである──。