醍醐虎汰朗 映画「OUT」でカリスマ総長役!「ピリッとした空気を漂わせるようにしました(笑)」
醍醐虎汰朗さんが、映画「OUT」の撮影現場の裏話を語りました。
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累計発行部数650万部を突破している人気ヤンキー漫画「OUT」(秋田書店「ヤングチャンピオン・コミックス」刊)が、品川ヒロシさん監督・脚本で映画化。11月17日に公開されます。
“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の不良・井口達也(倉悠貴)が、少年院から出所。保護観察中のため、次にケンカをすれば一発アウトの状況で、地元から離れた千葉での生活を始めますが、そんな彼の前に現れたのは、暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要(水上恒司)。この出会いが達也の壮絶な更生生活の始まりとなっていく…。
本作で、圧倒的な強さとカリスマ性を誇る斬人の総長・丹沢敦司役を演じている醍醐虎汰朗さんにインタビュー。主演・倉さんや品川監督の印象、撮影の裏話、そして仕事の合間のホッとする瞬間について聞きました。
アクションシーンのため40分でバク転習得!
<醍醐虎汰朗 インタビュー>
──オファーを受けた際の心境を聞かせてください。
学生時代に読んでいた漫画でしたし、ヤンキーなどアウトローな作品には憧れがあって出演していたかったこともあり、純粋に「やった!」と思いました。
僕は身長が低いので、今まで強い役よりもいじめられる役をいただくことが多くて。強くてかっこいいキャラクターを映像作品で演じることが初めてだったので、すごくうれしかったです。
──もともと原作を読んでいたということは、ヤンキー漫画が好きなのでしょうか?
学校で流行っていたということもありますが、ヤンキー漫画は読み漁っていました(笑)。
仲間とか、誰が強くて誰が弱いとか、腕っぷしでカーストが決まっていく感じは、男の子が憧れる世界ですよね。その熱さが好きで読んでいました。
──「OUT」で好きなキャラクターは?
体格は小さいけど強い人に憧れがあったので、あっちゃん(丹沢敦司)が好きです。自分の憧れが投影されたような人物ですから、演じることができて本当にうれしいです。
──憧れの役を演じるとなれば、より気合が入ったのではないですか?
役をいただいた瞬間はすごくテンションが上がりましたけど、台本をいただいてからは、意外と冷静でした。
ただ、あっちゃんは暴走族「斬人」の総長ですし、アクションだけは絶対にみんなよりも動けていないと成立しないだろうと思い、できるだけアクロバティックに、俊敏に、ということを意識して、気合を入れて準備しました。
──ケンカのアクションは経験がなかったかと思いますが、大変なことはありましたか?
品川監督は格闘技が大好きだそうで、劇中に出てくる技は格闘技から来ていて。だから、ケンカというよりも格闘技をやっている印象で、アクション自体で大変だなと思うことはありませんでした。
でも、今回は長髪の金髪ウィッグをつけていたので、その扱いが大変でした。アクションシーンの最中に髪の毛が口に入ってきたり、ウィッグがズレちゃったりして、そこは苦労しました。
あと、急に品川監督から「バク転覚えておいて」と指示されて…それも大変でしたね。
──どれくらいで覚えられましたか?
40分くらいでできるようになりました。
──早いですね!サッカーなどを経験してきた運動神経が生かされたのでしょうか?
サッカーの経験もそうですし、小さい頃から格闘技も身近にあったので、自然と運動神経は身についていたのかもしれません。本当にいろいろスポーツをやっていてよかったです(笑)。
こうやって発揮できて楽しいなと改めて思いました!
──「自分ってこういう感情になるんだ」など、丹沢を演じたことで知った自分の新たな一面はありますか?
普段からあまり役に影響されないタイプですし、僕自身は変わってないと思います。
ただ、僕は主演の倉(悠貴)くんを一番間近で見ていて、撮影初日と終盤では目つきが変わっていたんです。もともと引っ込み思案な性格だったと思うのですが、最後のほうは目をギラつかせながら「これ、殴っちゃっていいですか?」と、品川監督に詰め寄っていて。その姿を見て「人って、1ヵ月でこんなにも変われるんだな」と驚きました。
自分も気づかないうちに役に影響されている部分はあったかもしれないですし、周りには雰囲気が変わって見えていたかもしれないですね。
斬人メンバーとの撮影は「第4の青春を送っている感じ」
──倉さんが演じる主人公・井口達也と丹沢は当初は対立するものの、絆を深めていく間柄です。倉さんとの共演はいかがでしたか?
バイクに2人乗りをするシーンでは、すごくビビっていて(笑)、運転する僕に対して「ゆっくりでお願いね!」と、何度も言ってきていたんです。最終的には「もう死んでもいい!」と言っていて、そのビビり具合がすごくかわいかったです。
撮影が終った今でも仲良くさせてもらっていて、ご飯を食べたり、家に遊びに行ったりしています。倉くんはおもてなしが好きなんですかね。家に行くと、キッチンにこもっていろいろな料理を作ってくれて。この前はおしゃれで本格的なアラビアータをご馳走してくれました。美味しかったです!
──斬人を支えるナンバー2、副総長・安倍要役の水上恒司さんとの共演はいかがでしたか?
会話はあったのですが、あまり口数は多くなくて。でもそれは、今回の要と丹沢の関係性を考えてのことだと思いましたし、信頼はし合えていた気がしています。
ただ、謎の瞬間があって。帰り際、「本当にごめんね」「男だね」って、それだけ言って帰っていっちゃった日があったんです。何に対して謝られたのか真相は分からないままですし、不思議な人だな、と思いました(笑)。
──その水上さんをはじめ、斬人メンバーと関係性を作るために何かしたことはありますか?
今まで一度もやったことはなかったのですが…今回はカリスマ性のある総長の役だったので、現場をピリつかせて緊張感を漂わせるようにしていました。
水上くんも、普段はきっと明るく話す方だと思うのですが、割とピリッとした空気感を漂わせていて。要がそうしているから、ここはスタンスを合わせたいなと思って、僕もウィッグをかぶったらできる限り1人でいるようにしていました。
──では、撮影の合間にワイワイとした会話はあまりなかったということでしょうか?
達也がバイトしている焼肉店「三塁」でのシーンやコミカルなシーンの合間は、「休みの日、何してるの?」と話してワイワイしていました。
古びたボウリング場でのシーンも、説明が難しいのですが、第4くらいの青春を送っている感じというか、“みんなで一緒にグレてみました”みたいな感じで楽しかったです。
絶対にストライクを取らなければいけないシーンがあって。投げる人は誰でも大丈夫だったのですが、やっぱり何十人、何百人という人が見ている中でストライクを取れる人ってなかなかいなくて。
役名のない役者さんもたくさん参加してもらっていた撮影だったので、「誰か、俺こそはっていうやついるか?」と募って、手を挙げてくれた人が挑戦しましたが、ストライクは取れなくて(笑)。一番時間がかかったシーンだと思います。
ようやくストライクが取れたとき、叫びたい気持ちをグッとこらえて、監督の「OK」の声を待っていたあの瞬間はすごく楽しかったですね。
過酷な撮影でもポジティブな品川監督の言葉に感激
──品川監督の現場に初参加した感想を聞かせてください。
キャストもそうですが監督をはじめとするスタッフさんも睡眠時間を削りながら撮影をしていましたし、真冬の撮影だったのですごく寒かったですし、全体的に疲労感も高まってきた撮影中日に、監督が「俺、まったくしんどくないんだよね」という話をされたんです。
「なんでですか?」と聞いたら、「修学旅行と同じ感覚だから。修学旅行なんて、寝られないくらいどうってことなかったでしょ?ちょっと長めの修学旅行に来ているだけで、終わったら寝ればいい」とおっしゃって。かっこいいなと思いましたし、そういう人柄だから現場にしんどい空気がなかったんだな、と。
もちろん大変なシーンはありましたけど、監督のおかげで現場の雰囲気はすごくよかった気がしています。
──品川監督の演出で印象的だったことは?
ご自身がプレイヤーでもあるからだと思いますが、誰よりも目立ちたがり屋で、場の主人公は自分でありたい方なのかなと思いました。率先して話しかけてくださいますし、僕らが言うことに対して面白くツッコんでくれるんです。その時間が楽しくてたまりませんでした。
この映画には、コミカルなシーンが多くあるのですが、ツッコミに関しては特にこだわっていらして。僕たちが演じて、「違う。ここの間(ま)はこう!」と監督が手本を見せてくれて笑いが起きて、また本番をやるけど「違う!」と指導を受けて。リテイクだからいいことではないのですが、監督の指導を見るのが毎回楽しみになっていました。
お笑いライブに来ている感覚だったのかな。普段の現場とは違って、監督が芸人さんだからこその現場の楽しさを体験できました。
──その品川監督の相方である庄司智春さんをボコボコにするシーンもありましたね。
顔面を踏み潰すシーンですね(笑)。あれは、実際にジャンプをして足を振り下ろして、顔面ギリギリで足を止めて、当たらないように撮影していました。でも、監督からは「ほんの少し当たるくらい踏んづけて」と言われていて…。
庄司さんは真冬なのにタンクトップ姿で、アスファルトの上に寝ころんでガタガタと震えながら「全然、踏んづけて大丈夫です」と言ってくださるし。でも、ミスったら踏んじゃうので、困りました。ビビッてしまって、あのシーンは一番NGを出したと思います。
ただ、最後のほうはもう感覚がバグってきて、「踏んでもいいかな?」と、思いっきりやっちゃいました(笑)。
サウナで得られる「ひたすら自分と向き合う時間」
──今回のように、原作ものや、人気のキャラクターを演じる際に大切にしていることを聞かせてください。
これまでにもいくつか原作ものをやらせていただいていますが、漫画やアニメが実写化されるときは、必ず「実写化されちゃうの?」という声が出てくると思います。そういう方にも納得していただけるように、原作ファンの方が悲しまないようにということは意識しています。
ただ、そこを意識するだけではなく、実写でやる意味は大事にしたいなと思っていて。僕が演じればどうしても“醍醐虎汰朗が演じるあっちゃん”になってしまいます。だから、自分のやりたいように表現するだけではなく、うまくチューニングしていくことが大切なのかなと思っています。
──多くの作品に出演して忙しい醍醐さんが、今一番“ホッとする瞬間”は何をしているときですか?
サウナですね。普通に生活をしていると考え事をする時間って、意外となくないですか?手元に携帯があって、情報が常に入ってきてしまいますから。
でも、サウナの中だと、何もかもシャットアウトして、ひたすら自分と向き合うことができます。それが自分の考えが整理できて、ホッとできる時間になっていますね。
──その時間で演じる役について考えたりするのでしょうか?
そうですね。「明日のシーンどうしようかな?」と考えていることが多いです。
でも、サウナは友だちと行くのも楽しいんですよね。しんどい顔をしながら、「まだいけるよ!」と戦ってみたり(笑)。そういう時間が、今の自分には大事だなと思っています。
──「○○の秋」。醍醐さんにとって、○○は何ですか?
9月が誕生日なので、小さい頃から秋は大好きでした。でも、秋だからやることはないかもしれないですね…。
年齢的にも、そろそろ旬の食材とかを楽しめるようになりたいとは思っています。秋だと、芋とか栗ですよね。今年の秋はいろいろと勉強をして、積極的に旬のものを取り入れてみようと思います!
──最後に、映画の見どころをお願いします。
なんと言ってもアクション!ド派手で爽快感のあるアクションを皆さんに楽しんでいただけたらなと思いますし、それと同時におバカな男たちの熱い友情を楽しんでいただけたらうれしいです。
撮影:河井彩美
スタイリスト:MASAYA
ヘアメイク:Yusuke Kasuya(ADDICT CASE)
<醍醐虎汰朗 「最近あった小さな“OUT”は?」メッセージ動画>
<映画「OUT」概要>
ストーリー
「狛江の狂犬」と恐れられていた伝説の超不良・井口達也(倉悠貴)が少年院を出所した。
地元から遠く離れた西千葉で、おじちゃん(杉本哲太)、おばちゃん(渡辺満里奈)が営む焼肉屋「三塁」で働く新たな生活をスタートさせた彼は、保護観察中で、次に喧嘩をしたら一発アウトの身だ。
ところが、ひょんなことから千葉の暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要(水上恒司)と出会い不思議な絆で結ばれたことから、半グレ集団「爆羅漢(バクラカン)」との血で血を洗う激しい抗争に巻き込まれることになって…。
配給:KADOKAWA
(c)2023『OUT』製作委員会
映画「OUT」は、11月17日全国劇場公開。
最新情報は、映画「OUT」公式サイトまで。
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