脚本家・坂元裕二の作・演出による朗読劇が東京、大阪、札幌で開催されることが決定した。
『東京ラブストーリー』『Mother』『最高の離婚』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』、また、4月からスタートする連続ドラマ『大豆田とわ子と 3 人の元夫』など多数のドラマをはじめ、現在公開中の映画「花束みたいな恋をした」など、数多くの作品を手掛ける言葉の名手・坂元。
今回、上演されるのは「不帰(かえらず)の初恋、海老名 SA」「カラシニコフ不倫海峡」と、新作「忘れえぬ 忘れえぬ」の3作。昨年4月に上演予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大により公演は中止に。
それから1年を経て、出演予定だったすべてのキャストが再集結し上演されることになった。
出演するのは、高橋一生、酒井若菜、千葉雄大、芳根京子、林遣都、有村架純 、風間俊介、松岡茉優といった豪華な面々。
それぞれ、登場人物が男女ふたりの台詞で綴られていく。キャストは、高橋×酒井、千葉×芳根、林×有村、風間×松岡という4組8名俳優がそれぞれの登場人物となり朗読で演じる。
また独特の世界観で注目される音楽家、諭吉佳作/men が本公演で初めて舞台音楽を担当。坂元の「ことば」が織りなす繊細な世界を彩る。
■ 第1作品 「忘れえぬ 忘れえぬ」
書き下ろし新作。
■ 第2作品 「不帰(かえらず)の初恋、海老名SA」
男のもとに初恋の女からの手紙がふいに届いた。東京に向かう高速バスの車中で書かれた手紙だった。わたしは東京で結婚し、その相手はこのバスの運転手ですと書いてある。しかしその手紙が届いた頃、男は既にあるニュースを目にしていた。“東名高速道路高速バスの横転事故。死者 8 名。運転手は逃亡中”生き残った女は婚約者である運転手の行方を捜しはじめた。男もまた女を救おうとしていた。二人は再びあの海老名サービスエリアで交錯する。幾つかの悲しみの川がより深い悲しみの海に流れ込む。
■ 第3作品 「カラシニコフ不倫海峡」
平凡な夫婦だった。ある時妻がアフリカへ地雷除去のボランティアに行くと言い出した。数ヶ月後、妻は少年兵の持つカラシニコフに撃たれて死んだ。男が悲劇の夫として注目を浴びた時、見知らぬ女から手紙が届く。“あなたの妻は生きています。アフリカの地でわたしの夫と暮らしています。わたしたちは捨てられたのです”男は真偽を確かめるため、女と待ち合わせる。互いの伴侶が密会を繰り返していた円山町。ホテルの名前は、『カテドラル』。残された男と女が今、雑居ビルの谷間の海に溺れてゆく。
<坂元裕二 コメント>
ただ往復する手紙による物語で、今回で三作目になります。これまでに多くの方に朗読していただきましたが、読み手が変わるたびに、声という個性によってその色合いだけではなく、物語そのものが変わって感じられるのが何よりの面白さです。言葉と声しかない最小限の空間に浸り、楽しんでいただければ幸いです。
公演の詳細は公式ホームページまで