3月9日(火)、ミュージカル「ゴヤ-GOYA-」の製作発表記者会見が都内で開催され、主演の今井翼、共演の小西遼生、清水くるみ、原案・脚本・作詞のG2、演出の鈴木裕美、そして、初めてミュージカルの作曲・音楽監督に挑戦するピアニストの清塚信也が登壇した。

本作は、18世紀から19世紀にかけて生きたスペイン最大の画家、フランシスコ・デ・ゴヤを題材に、画家人生のみならず、“人間ゴヤ”に焦点を当て描いていく物語。

主人公・ゴヤは、休業を経て2020年2月「システィーナ歌舞伎『NOBUNAGA』」で約1年半ぶりに舞台に帰ってきた今井が務め、復帰後初の主演となる。そして、ゴヤの親友・サバテールを小西が、さらに、ゴヤの妻・ホセーファを清水が演じる。

凛々しい舞台衣装で登壇した今井は、「日本の次に愛するスペインを舞台に、世界を代表する画家・ゴヤを演じられることをありがたく思います」と感謝し、「僕自身も病を経験し、おかげさまで今を迎えられる喜びを感じておりますが、紆余曲折あったゴヤの人生を丁寧、かつ大胆に、また熱くエネルギッシュに演じたい」と力強くあいさつした。

小西は「ゴヤとは手紙でやりとりをするシーンが多いんですけど、ゴヤがサバテールへ宛てた手紙には『君がいればあとは何もいらない』という、まるでラブレターのような文章が書いてある。翼くんとはほぼ同世代なので、これから稽古の中で親友を超えた、見ようによっては“危険な関係”をつくっていければ」とコメント。

清水は「私が演じるホセーファは、ゴヤとサバテールの関係性が強いあまり、夫からはあまり愛されていない妻」と苦笑いを浮かべ、「でも、健気に夫を支える役なので、稽古をしっかりと頑張っていきたい」と意気込んだ。

出演が決まった時の心境を問われた今井は、「これまでスペインとはさまざまなご縁をいただいておりまして、フラメンコがつないでくれたまた新たな出会いを大事にしていきたい。おかげさまで昨年、活動を再開し、今回こういった大役をいただいたことに感謝したい」と言いつつ、「muy contentos」と「とてもうれしかった」を意味するスペイン語で喜びを表現した。

そんな今井との共演に小西は、「翼くんはずっと見ていたスターだったので、今回“コニツバ”と呼ばれるように頑張りたい」と新たなユニット結成をオファーした。

劇中でフラメンコを披露する心境を聞かれ、今井は「今回は芝居から派生したフラメンコを踊ります。フラメンコというのは、怒り、悲しみ、喜びを体の芯から湧き上がってくるもので表現する舞踊なんですが、ゴヤは青年時代、ほとばしるような野心をもっていた。そんな思いを連動させていきたい」とコメント。

そして、ゴヤにまつわるエピソードを聞かれると、「僕は(画家の)ダリが好きで、家のトイレはダリの作品だらけなので通称“ダリ便”と呼んでおります」と笑わせ、「ゴヤについてそこまで造詣があったわけではないのですが、今回いろんな資料を見て勉強していく中で、我が道を行く熱き魂に共感を覚えたので、ゴヤに敬意を表して、大胆に熱く演じたい」と話した。

また、本作の見どころの一つとして、ピアニストでありながらバラエティでも多く活躍する清塚が、初めてミュージカルナンバーの作曲と音楽監督を手がけることも話題に。

今井の声について、清塚は「日本人の主役を張る方でこんなに低い声まで演じられる人はなかなかいない」と絶賛しつつ、「一緒に食事などをしていても謙遜する部分と、これは絶対にこうなんだという部分、そして、程よく鈍感な部分があって、そんな魅力がこの作品で出るんじゃないかな」とニヤリ。

これに今井は「本当に鈍感なんですよ。よく言えばマイペース」と照れ笑いを浮かべた。

さらに、小西からのユニット結成オファーに今井は、「小西さんとは芝居を超えた親友という関係になっていきたいですけど、でも、それを超える盟友はしっかりここにいますので」と、胸に手をあててキッパリ。

そんな今井の発言をうけ、小西は「稽古初めの時に、何も言わなくてもパッと抱き着いてくるパコ(ゴヤの通称)が翼くんの中にいた。今は距離感などすごく敏感な時期ですけど、そういう意味ではノーディスタンス」と、ゴヤとサバテールの関係がすでに出来上がっている稽古場の様子を明かした。

最後に今井は、「ゴヤが激動の時代の中で病とどう向き合い、どう希望に向かっていったのか、人に訴えかけてくるプラスのエネルギーをもった作品なので、そのエネルギーを皆さんにも分かち合っていただけたら」と呼びかけていた。

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