“目の保養”となるようなイケメンを紹介する「眼福♡男子」Vol.52は、濱田龍臣(はまだ・たつおみ)が登場。子役としてデビューし、NHK大河ドラマ『龍馬伝』や『怪物くん』でキュートな笑顔を振りまいていた彼もたくましく成長。

そんな濱田が出演する映画「ブレイブ -群青戦記-」が、まもなく公開を迎える。突如、戦国時代へタイムスリップしたトップアスリート高校生集団の中で、国際科学オリンピック金メダリストという輝かしい経歴をもった吉元萬次郎をどんな心境で演じたのか。撮影の思い出を聞いたほか、20歳の素顔に迫った。

メガネに2回触れる仕草で、萬次郎の変人ぶりを表現しました

――まずは完成した作品を見た感想から聞かせてください。

現場は和気あいあいとして、すごく素敵な雰囲気だったんですけど、「本番!」の声がかかると皆さん表情が一変するんですよ。全員がいいものをつくろうという強い意志をもって、臨んでいたので、その集大成を目の当たりにした感じでしたね。ワクワクしながら見ました。

――特に思い出に残っているのはどの場面でしたか?

砦へ向かう途中の僕たちが陣地みたいなところで食事をするシーンがあって、あそこは数少ない夜のシーンなんです。あのシーンでみんなの気持ちが一つになり、男子生徒たちの熱い思いがあらわになるんですが、あまりカットを割らず、ほぼ一連の流れで撮影していて。完成したものを見たら、とても素敵な仕上がりになっていて感動しました。

――撮影を振り返って、印象的なエピソードがあれば教えてください。

そのナイトシーンなんですが、緑山スタジオ(TBSのドラマを主に撮影している東京郊外にあるスタジオ)のオープンセットで撮っていて、撮影が終わったのが夜10時ぐらいだったんです。僕の自宅は千葉県にあるので帰宅するのに1時間半ぐらい電車に乗らなきゃいけないんですが、その翌日も朝、都心で集合してからスタジオへと向かうスケジュールで、自宅に戻るとわずかな時間しか寝れないことになってしまう。ですので、急遽スタジオの仮眠室に他のキャスト2、3人と宿泊することになって、ちょっとした修学旅行気分を味わいました。

――今回、演じた吉元萬次郎という役柄からどんな印象をうけましたか?

出演が決まってから原作を読んだのですが、萬次郎にはマッドサイエンティスト的なところがあって、最初は「こいつヤバいな」と感じました。でも、原作を読み進めるにつれて、彼が科学にこだわる理由がわかったり、必死さが愛らしく見える瞬間があったりして、そんな部分をきちんと表現したいと思いました。

――演じるうえで特に意識したのはどんな部分ですか?

僕はこれまでも作品の中でメガネをかけたキャラクターを演じることが多くて、そのたびに「この人だったらどんなメガネの扱い方をするか?」みたいなことを考えるんですけど、今回の萬次郎はメガネを直す時に2回触るようにしているんです。大したことではないのですが、普通1回で済むところをわざわざ2回やることで、彼なりの変なこだわりを表現しようと、仕草に盛り込みました。

あとは口調ですね。あまりにも特徴のある話し方にしてしまうと本当に変なヤツに見えてしまうので(笑)、人前に立つことは得意ではないけれど“頑張ってる感”を出すことで、少し可愛らしく見えるように心がけました。

――萬次郎は国際科学オリンピック金メダリストで、タブレットやドローンを駆使した戦法を発揮していました。濱田さん自身、理数系のほうは……。

学生の頃は全然ダメでした(笑)。もともと文系の頭なので、「科学」と言われても何が何だかわかりません。

――科学部の部員をはじめ、共演の皆さんとはどんなふうにコミュニケーションをとっていたんですか?

学校ごとタイムスリップしたという設定なので、キャストの人数がとても多いこと、そして、同世代が多いことが新鮮でした。やはり、僕は大人のキャストさんが多い現場のほうに慣れているので、同世代ばかりの現場はちょっと緊張したんですけど、共通の趣味をもっている方たちと仲良くなり、一緒にゲームをしたり、ゴハンへ行ったりして親交を深めました。

もし、タイムスリップできるなら…かつて演じた坂本龍馬に会ってみたい

――各部活のメンバーが特技を活かした方法で戦う中、萬次郎は消火器を使ったアクションシーンがありましたね。

消火器を噴射する、ましてやそれを人にかけることなんて、普段は絶対にしてはいけないことじゃないですか。それを作品の中でやらせてもらって、すごく気持ちよかったです。噴射した後はカラになった消火器をブンブン振り回して戦うのですが、そのシーンを後で見返してみたら、見事にへっぴり腰で(笑)。他の男子生徒は木刀やフェンシング、ボクシングでカッコよく戦っているのに、絶妙なダサさが萬次郎らしいなと、ニヤニヤしながら見ていました(笑)。

――ストーリーにちなみ、タイムスリップして会ってみたい歴史上の人物はいますか?

一目見てみたいのは、坂本龍馬です。子どもの頃に大河ドラマで演じたこともあって、やはり思い入れのある役柄ですので、いろんな情報を伝え聞いてはいるけれど、実際はどんな人だったんだろう、自分の目で見てみたいという思いがあります。

――この作品では三浦春馬さんが松平元康(後の徳川家康)、松山ケンイチさんが織田信長という戦国武将に扮していますが、現場で見たお二人のお芝居はいかがでしたか?

残念ながら松山さんと一緒のシーンはなかったので、映像でしか見ていないのですが、貫禄があってめちゃめちゃカッコよかったです。春馬さんは、松山さんとは違うカッコよさがあって、自分を含め若い役者陣が憧れのような尊敬のような、そんなまなざしで見ていました。

――劇中、「一所懸命」というとても印象的な言葉が登場しますが、濱田さんが今「一所懸命」になっていることはありますか?

一所懸命になれるほどまだ生きていないのですが、今は親孝行のために頑張って仕事をしています。

風呂上がりのビールのおいしさを知ったことで、大人になったと実感

――コーナー名にちなんで、濱田さんの眼福な存在を聞かせてください。

「ウルトラマン」です。中でも好きなのは「ウルトラマンジャスティス」。しゃべり始めると長くなってしまうので今日は割愛しますが(笑)、役者・濱田龍臣を長く支えてくれている存在で、ウルトラマンを見ているととても幸せな気持ちになります。

――「ウルトラマン」といえば、「ブレイブ -群青戦記-」には地球を守れるなど、戦闘慣れしているキャストさんが多数出演していますよね。

そうなんです!まず、ウルトラマンジードの僕がいて(笑)、仮面ライダーエグゼイド(飯島寛騎)と仮面ライダーウォズ(渡邊圭祐)、ボウケンレッド(高橋光臣)、刀剣男士(佐伯大地)、マッケン(新田真剣佑)さんは「仮面ライダードライブ」の劇場版に出演されていましたし、市川(知宏)さんは「仮面ライダーセイバー」に仮面ライダー最光役で出演されている。特撮出身者が多い現場はとても幸せで、みんな変身しちゃえばいいのにって思っちゃいます(笑)。

――芸歴の長い濱田さんですが、大人になったなと感じるのはどんな瞬間ですか?

お酒を飲む時間ですね。先日、仕事で愛媛県松山市へ行きまして、撮影が早く終わったので帰りの飛行機まで少し空き時間ができたんです。松山城へ行くか、道後温泉へ行くか迷った結果、道後温泉へ行くことに決めて。熱めのお湯につかって、出たところにあったお店で飲んだのがこのビールです(画像参照)。それまで、お風呂上りはコーヒー牛乳だったんですけど、道後温泉でお風呂上がりのビールのおいしさを知ってしまいました(笑)。

――それは大人にしか味わえない至福の時間ですよね。その土地ならではのグルメを味わうことも多いのではないですか?

京都ですっごくおいしいカレーライスを食べました。共演の方が知り合いからおススメされたという喫茶店のカレーだったんですけど、昔ながらのピリ辛でめちゃくちゃおいしくて。僕はチーズのせの大盛をいただきました。

――おいしいものはいい活力になりますね。最後に、「ブレイブ -群青戦記-」の公開を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

スポーツ強豪校ならではのアスリートたちが信長の砦を攻めるために戦場へ向かう中、どうして吉元萬次郎たち科学部がそこへ加わることになるのか。そして、そこに秘められた萬次郎なりの熱い思い、頼りないながらも萬次郎は必死に戦っているので、その頑張りを微笑ましく見守っていただきたいです。

「ブレイブ -群青戦記-」3月12日(金)ロードショー

<あらすじ>

自分に自信がもてない弓道部の西野蒼(新田真剣佑)は部活にも力が入らず、幼なじみの瀬野遥(山崎紘菜)と松本考太(鈴木伸之)は、そんな蒼のことを気にかけていた。いつもと変わらない日々だったが、1本の雷が校庭に落ち、彼らの日常が一変する。学校の外の見慣れた風景は見渡す限りの野原となり、校内には刀を持った野武士が襲来。生徒はパニックに陥る。次々と生徒が倒れていく中、歴史オタクの蒼は学校が丸ごと戦国時代、かの有名な「桶狭間の戦い」直前までタイムスリップしてしまったことに気がつく。

「ブレイブ -群青戦記-」最新情報は公式サイトまで

公式Twitter:@brave_gunjo

©2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会

©笠原真樹/集英社

撮影:今井裕治