ライフスタイルメディア「東京カレンダー」のウェブサイトにて連載され、話題となった人気小説をドラマ化した『彼女のウラ世界』。

男女それぞれの目線で2つのストーリーを描き、男の目線で描かれる<TOSHIRO SIDE>をフジテレビTWOで、女の目線で描かれる<AKIKO SIDE>をひかりTVのひかりTVチャンネルで3月22日(月)から連日、各5話をリレー方式で放送する。

物語はドラマのディレクターをしている西村敏郎(三浦貴大)が、3年間付き合ってきた近藤明子(剛力彩芽)にプロポーズをすると、その翌日、明子が忽然と姿を消してしまったところから始まる。敏郎は明子を探そうとするが、自分が手がかりになるような情報を何も知らないことに気づく。一方、明子は敏郎に勤め先と伝えていた仕事は辞めていて…。

フジテレビュー!!では、三浦と剛力のインタビューを記事と動画で前後編に渡って公開。前編では、それぞれが敏郎、明子を演じて感じた思いなどを明かし、動画では「異性の裏側を見て驚いたこと」などについて話した。

敏郎は…「友だちにはなりたくないタイプ」(三浦)

――それぞれ演じた敏郎、明子のキャラクターについて教えてください。

三浦:ドラマのディレクターをしていて、婚約した女性(明子)に逃げられてしまうという人物です。人間性としては…僕はあまり好きではないというか、友だちにはなりたくないタイプです(笑)。自信があり過ぎて、こんなに自己肯定感が強かったら人生楽なんだろうな、と思いました。

剛力:タイトルが『彼女のウラ世界』であるように、明子には“ウラ”というか、敏郎には見せていない姿があるので、敏郎サイドから見ると謎の多い女性ではあります。

私からすると、実は素直な人なのに、なんで恋人の前では素直になれなかったんだろう、と。演じていて、敏郎にもうちょっと歩み寄れたらいいのに、と思うことが結構ありました。そこは、観てくださる方も、男女関係なく感じる部分ではないかな、と思います。でも敏郎とは違って、友だちにいる分にはいいかな、と思います(笑)。

――剛力さんは、明子は敏郎のどんなところが好きだと思って演じていましたか?

剛力:まず敏郎は仕事ができるので、お付き合いをしている分には、あの自信は明子にとっても刺激になっていたと思います。そこが“結婚”という形になると、また変わってきてしまったのかな、と。敏郎は、根はいい人なので、言葉だけ聞くと受け入れがたいことも、明子の性格だと「また言ってるよ」くらいの感覚でいられたのだと思います。

――明子に共感できる部分はありましたか?

剛力:私は恋人に限らず、友だちも含めてですが、家族以外の人に素直になれなかったり、本音を言えなかったりすることがあるので、その部分は共感できました。例えば、明子が何か言おうとしたことを、敏郎にさえぎられてしまうと、今は言わない方がいいな、と考えるところとかは、私にもよくあるので。

――“ウラ”の顔を持っていることについてはどう思いましたか?

剛力:すごくもどかしいというか、もっと本音で敏郎にぶつかればいいのに、と。そうしたらもっといろんな話ができたんじゃないか、と思いました。本人としては隠していたつもりがなかったことでも、そういうことを重ねていると言いづらくなってしまう。誰しもやってしまうことかも知れませんが、明子の場合はそこが大きくなり過ぎましたよね。

三浦:でも、それは明子の優しさだったんじゃないかな。敏郎には自分の方が明子より仕事でもそうだし、何でも上っていう謎のプライドがあって。明子はそれを崩してしまうと、今の居心地のいい空間が壊れてしまうと思って、言わなかったんじゃないな。僕はそういうふうに理解しました。

「敏郎がいとおしく見えてくるんです(笑)」(剛力)

――本作は1つの物語に対して、敏郎と明子のそれぞれの視点から見たドラマが1つずつ作られるという面白い企画です。この試みにはどんな感想を持ちましたか?

三浦:面白いやり方だと思いましたし、僕はこういう同じ物語を別視点から描いた作品が好きだったので、これはぜひやってみたいと思いました。それをどんなふうに放送していくのかも楽しみでした。

――脚本を読んでの印象は?

三浦:敏郎が明子の“ウラ世界”を追いかけていく話なのですが、その追いかけ方があまり…。

剛力:よろしくない、というか(笑)。

三浦:もうちょっと追いかけ方を考えた方がいいんじゃないか、と思いました(笑)

剛力:現実では物事の感じ方や見方って人それぞれで違うものですよね。だからその違いを2つのドラマにして放送する試みは面白いな、と思いました。ただそれを実際に撮影するとなると、最初のうちは頭の中で「これってどっちのどのシーンだっけ?」となってしまう瞬間はありました。

回想や、イメージのシーンも多いので、「ここの明子はイメージだから、敏郎の思っている明子を演じなくちゃいけないんだ」とかが、ごっちゃになってしまうこともあって。

でも撮影を重ねていくと、「敏郎サイドから見るとこういう感じだったんだ」「明子サイドだとこうなんだよね」というようなことがわかってきて、お芝居をするのが面白くなりました。それぞれの視点から見ると同じ出来事でもそういうふうに見えてる、というのが見せられるのも面白いですね。

――敏郎サイドと明子サイドとで、同じ時間軸にある出来事は同時に撮影したのですか?

三浦:敏郎と明子が住んでいた家でのシーンとかは一緒に撮影しました。敏郎がリモート会議をしていて、その後ろに明子が映るか、映らないか、みたいな位置を微妙に調整するなど、大変なところもありました。

――演じる上で難しかったことや、こんなふうに演じたい、と意識したことはありますか?

三浦:僕にとって敏郎は理解しがたいというか、僕にない面をたくさん持っているので、そういう意味では難しかった部分もあります。正直に言ってしまえば、僕は敏郎のことが嫌いなんですけど(笑)、観てくださる方にはいろんな見方をしてもらえるといいな、とは思っていて。

「ちょっとかわいそうだな」と思う人もいれば、「いやいや、大体がお前のせいだろう」って思われてもいい。どんなふうにも見られるように白でも黒でもないグレーなところでやりたいと思っていました。

あとは、敏郎は普段僕が言わないような言葉を平気で言うので、そこをなるべく日常っぽく、フラットに言うのも難しかったです。例えば、明子との初デートの日に、「もしかして俺のこと気に入った?」とか。

剛力:言い慣れている感じでしたよ(笑)。

三浦:絶対に言わないでしょう、そんなこと(笑)。

剛力:でもそんな敏郎がいとおしく見えてくるんです(笑)。最初に脚本を読んだときは「なんだ、このセリフ」っていうのが結構あったんですけど、そんなことをさらっと言えてしまうのは敏郎が真っすぐだからかなって思えてきて。本当にどういう視点で見るかによって、敏郎の印象は変わってくると思います。

三浦:確かにそういう見方じゃないと3年も付き合えないよね。

剛力:そうそう。明子の場合は、その3年の間にどんどん敏郎に見せていない部分が増えてしまって。ただ、明子は敏郎の前でいい子を“演じていた”わけではないんです。そこは最初に監督とも話して、作り込み過ぎないようにしました。

敏郎のいるところと、いないところでの明子が、あまり違い過ぎてもよくないので、そのバランスには気を付けていました。でも服装やメイクの仕方とか、見た目から全然違うので、そこで自然と気持ちを切り替えられてもいました。

あとは意外と明子って敏郎の話をスルーして聞いてないことが多いとか、敏郎と明子のどちらかが悪い、という話でもないんだろうな、とは、お芝居をしながら何度か思うこともありました。

敏郎にとっての明子は、いわゆる理想の女性という感じですけど、そうではない一面も明子にはあるので、その微妙なニュアンスを、どちらにも入り込まないように見せることは意識していました。

<三浦貴大&剛力彩芽 動画インタビューはこちらへ>

<『彼女のウラ世界』ストーリー>

西村敏郎(三浦貴大)は制作会社勤務でドラマのディレクターをしている。現在進行中のドラマの台本に納得していない女性プロデューサーと議論を交わすなど、慌ただしい毎日を送っている。

敏郎は仕事への意識は高く、面白いものを作っているつもりだが、考え方は昭和のままで男尊女卑の傾向があるという自覚はない。これまでの人生はトントン拍子に進んでおり、自分には全て揃っていると思っている。

そんな敏郎が3年付き合ってきた近藤明子(剛力彩芽)にプロポーズした。いや、敏郎からしてみれば、29歳の彼女に責任を感じてプロポーズをしてあげたのが本音だ。明子は家事や料理を完璧にこなし、忙しい敏郎を陰で支える慎ましやかな女性だった。しかし、プロポーズの翌日、明子は婚約指輪を残し、忽然と姿を消すのだった。

5夜連続リレー放送
フジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmart
<TOSHIRO SIDE>
第1話 3月22日(月)23時~23時30分
第2話 3月23日(火)23時~23時30分
第3話 3月24日(水)23時~23時30分
第4話 3月25日(木)23時~23時30分
第5話 3月26日(金)23時~23時30分

ひかりTV(ひかりTVチャンネル)
<AKIKO SIDE>
第1話 3月22日(月)23時30分~24時
第2話 3月23日(火)23時30分~24時
第3話 3月24日(水)23時30分~24時
第4話 3月25日(木)23時30分~24時
第5話 3月26日(金)23時30分~24時

最新情報は、『彼女のウラ世界』公式サイトまで。