“目の保養”となるような麗しい男子を紹介する「眼福♡男子」企画のVol.53に登場するのは、佐野勇斗(さの・はやと)。5人組ボーカルダンスグループM!LKのメンバーで、俳優としても映画、ドラマ、舞台と幅広く活動し、注目を集めている。
今回、M!LKが11枚目のシングル「energy(エナジー)」を3月24日にリリース。佐野がその魅力を語ったインタビューを前後編に渡って公開する。前編ではM!LKとしては初の試みとなる、4人のジャンルの異なるクリエーターとコラボレーションした今作について、制作過程で感じた思いなどを明かした。
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“当たり前が当たり前じゃなくなったとき、みんなの存在の大切さに気付いた”
――今回のシングルにはさなり、コバソロ、マハラージャン、sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司(Vtuber)と、4人のクリエーターとコラボレーションした楽曲が収録されていますが、この方向性はどのようにして決まりましたか?
これまでのM!LKは、僕らの音楽プロデューサーの方が曲を選んでくれることが多かったのですが、改めて自分たちで「M!LKの強みってなんだろう?」と考えたときに、“変幻自在”と謳(うた)っているだけに、いろんなものに染まれるところだよね、と。
それで、自粛期間中に一人で考える時間も多かったので、コラボとかをやってみたら、“変幻自在”を活かせるのでは?と思ってスタッフさんに提案したら、スタッフさんも同じように感じていたみたいで、そこから具体的に話が進んでいきました。
――M!LKとしてまだ強みを出し切れていない、という思いがあったのですか?
スターと呼ばれるグループって何かしら色があるな、と思っていて。色気があるとか、面白いとか、歌やダンスがすごくうまいとか。そんな中で、僕らには“これ”というものがパッと浮かばないな、と。
それで「僕らにあるものって何だろう?」という話になったときに、欲張りなところじゃないか、と。100点満点中、すべてに80点をたたき出すような欲張りなところ(笑)。そこを僕らの強みとして確立していこうと、メンバーで話し合ってことし一年の目標としました。
――何をやっても平均点以上が取れるということで、それを示すためにジャンルがさまざまな楽曲にも挑戦してみたのですか?
はい。なので、楽曲は僕たちのイメージに寄せてもらうのではなく、敢えてそれぞれのクリエーターさんたちの色を出してもらえるようにお願いをしました。
その表題曲がさなりくんが作ってくれた「energy(エナジー)」なのですが、早速、聴いてもらった関係者の方々には「いままでのM!LKにはない楽曲だね」という反応をいただいています。僕ら自身としても挑戦的な曲になったと思っています。
――さなりさんに曲をお願いすることになったきっかけは何ですか?
昨年の夏ごろに(メンバーの吉田)仁人が、さなりくんのゲームチャンネルに出演したのが出会いで、そのときに連絡先を交換したのが具体的なきっかけにはなりました。
でも、さなりくんと(メンバーの中で)最初に接点があったのは僕なんですけどね。さなりくんが注目されるきっかけにもなった「オオカミくんには騙されない」(AbemaTV)に、僕はスタジオゲストとして出演していて。そのときから「できる男だ」と思っていたので、きっかけは僕ということにしておきましょう(笑)。
――(笑)。さなりさんは佐野さんよりも年下ですが、年下の方からの楽曲提供も初めてですよね。
でも年下というのはあまり感じていなくて。楽曲提供をしてくれるとなったときに、改めて調べて、若いな、とは思ったんですけど、そのあと、打ち合わせで会ったときも、すごく大人っぽくて。(メンバーの曽野)舜太と同じ年なんですけどね(笑)。
ただ年齢的に僕とは感じてきているものが違うのかな、とは思いました。僕にはあんな曲は絶対に作れない。才能にあふれていて、すごいな、と思います。
――さなりさんとの打ち合わせでは、どんなことを話しましたか?
メンバー5人とさなりくんとで、お互いにどんなジャンルの曲が好きかとか、あとは僕らにテイストを合わせなくていいです、というのもそのときに伝えました。その打ち合わせのあと、さなりくんから、メンバーに歌詞に使うので、今、直接会うことのできないファンに向けての気持ちを教えてほしい、というお願いがあって、それぞれ考えて送りました。
――どこに誰のフレーズが使われているのですか?
直接ではなくて、みんなの気持ち的なところを汲み取って、それをさなりくんの言葉に変換して歌詞にしてくれているんです。
――<当たり前が徐々に 当たり前じゃなくなっていく>という言葉は、コロナ禍になって誰もが感じた思いですよね。
あれ?そこ俺じゃない?(ここでスタッフからさなりに送ったというメールを見返す)俺です!“当たり前が当たり前じゃなくなったとき、みんなの存在の大切さに気付いた”って書いてます。でもここのパート、僕じゃなくて舜太が歌っているんですけど(笑)。
打ち合わせの時期が、ちょうど5人体制になって初めてのツアーをやろうと思ったら自粛期間に入ってしまって、明けてからもライブはオンラインでしかできずにモヤモヤしているときで。仕方ないとわかってはいるけど、それでも悔しいという行き場のない気持ちを、それぞれに言葉にしてさなりくんにぶつけたのですが、それをさなりくんがうまく歌詞にしてくれたな、と思います。
――出来上がった曲を聴いたときは、どんな印象でしたか?
僕らからお願いした通りで、M!LKっぽくなくて、新しい感じがいいと思いました。僕は以前からさなりくんの曲を聴いていて、ダンスレッスンで使っていた曲もあったくらいなので、そのさなりくんの曲が書き下ろしてくれるんだ、という実感が沸いて、うれしかったです。
――今回、歌声にオートチューン(音の補正)を使っていますが、それも初めてでしたよね。
初の試みだったのでレコーディングのときは苦戦したメンバーもいたのですが、僕はそれが自分の声質にハマったのか、すごく気持ちよく、楽しく歌えました。
――ミュージック・ビデオはどんな仕上がりになっていますか?
いつもはわりとダンス部分を撮って、リップシンクを撮って、芝居部分を撮って、という感じで、いろんな素材を撮るんですけど、今回はダンスと街を歩くイメージ映像を撮ったくらいで、すごくシンプルになっています。まだ(取材時には)出来上がりを見られていないのですが、昔からM!LKを知ってくださっている方からすると、いい意味で動揺するような感じになっていると思います。
昔からYouTubeが好き。コバソロさんとご一緒できると聞いたときは純粋にうれしかった
――通常版のカップリングに収録される「何処へ」を手掛けたコバソロさんとも打ち合わせをしたそうですね。
僕、昔からYouTubeが好きで、(YouTubeを中心に活動する)コバソロさんも以前から知っていて大好きだったので、まずご一緒できると聞いたときは純粋にうれしかったです。
ただ打ち合わせではさなりくんのときのように楽曲に直接つながるような話はほとんどしていなくて。どちらかと言うと、僕らがどんな人なのかを知ってもらうような感じでした。好きなアニメの話とか、本当に他愛な話ばかりでした。
唯一、こんな感じの曲がいい、という話をしたときに、(塩﨑)太智以外のメンバーはアップテンポがいいと言っていて、太智だけがバラード系のしっとりしたものがいいと言っていて。そしたら、太智の案が採用されていました。
歌っていて感情が込めやすい曲です。ただ僕自身は今回の4曲の中で、この曲が歌うのに一番苦戦しました。自分がなんとなくこの音にはこういうメロディーがハマるだろうな、と想像していたものと違うところがところどころあって。逆にこれが歌いやすいというメンバーもいたので、歌っているパートにもよるんですけどね。
――他に「行けたら行くよ」(マハラージャン)と、「君とスクロール」(sumeshiii a.k.a. バーチャルお寿司)の2曲が収録されます。
「行けたら行くよ」はおしゃれな感じというか。ファンキーな感じの曲ですよね。「君とスクロール」は今回の曲の中では一番今までのM!LKっぽい。ほんとにこの4曲で“変幻自在”な僕らを楽しんでもらえると思います。
佐野勇斗インタビューは<素顔編>に続きます。こちらもお楽しみに!
撮影:山口真由子
11thシングル「energy(エナジー)」
2021.3.24発売
<収録曲>
●初回限定盤
1.energy
2.行けたら行くよ
●通常盤
1.energy
2.何処へ
●FC限定盤
1.energy
2.君とスクロール
詳細はM!LK公式サイトまで