3月29日(月)、映画「キネマの神様」完成報告会見が行われ、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。

本作は、松竹映画100周年を記念した作品。原田マハによる小説「キネマの神様」を原作に、菅田と、故・志村けんさんの遺志を継ぐ沢田研二がW主演を務め、山田洋次監督が演出を担当。ギャンブル漬けで借金まみれだが、映画を愛してやまない現在のゴウを沢田が、助監督として働いていた若き日のゴウを菅田が演じた。

山田監督は志村さんの逝去により、主役を沢田に依頼した際のことを「僕も体験したことがなかったので、混乱したというか、こういうときはどうしたらいいんだろうか?と。今でもそのときのことを思い出します。いろんな経緯があって、沢田さんに代わりをやってもらうことになりましたが、それがどうなるかかなり不安でした」と回顧。

だが結果的に「(沢田が)志村けんで考えていたのとは全く違う、別の魅力のある酔っ払いでばくち打ちのダメなお父さんを演じてくれて、今はほっとしています」と心境を明かした。

今回、山田組への参加が初となる永野は「毎日、緊張と勉強の連続だった」と告白。また「今までに感じることがない瞬間がすごく多かった。一つひとつに思いや時間をかけることは本当に大事なんだと改めて感じました」と話した。

同じく山田組初参加の寺島は「待ち望んでいた出来事だった」と言い、実は多忙な時期だったが「何が何でも出たい」とマネージャーに伝えていたという。念願叶っての出演は「山田組の空気を吸えていることだけで幸せだった」と振り返った。

一方、山田組への参加が50年ぶりという宮本は、50年前は山田のことが怖くて側に寄ることができなかったが、今回は再会したときにハグをして喜んだことを報告。「長生きした宮本が(映画に)出られて良かったと思います」と笑顔を見せた。

ゴウの友人・テラシン役は、若き日を野田が、現在を小林が担当。野田は「(完成作を見て)小林稔侍さんがテラシンの未来を生きていたことに感動しました」とコメント。対する小林も野田が演じたテラシンを見たとき「こう言っては僭越ですが、気持ちは僕と同じだと思ってとても安心しました」と、お互いを称え合った。

山田監督は志村さんに代わってゴウ役を務めた沢田に、「ずいぶん彼だって悩んだと思います」と思いを馳せ、一見、「日本を代表するコメディアン」と「日本を代表する二枚目」という対照的な二人が、実は仲が良かったということに可能性を感じて、沢田に依頼したことを明かす。

「何度も何度も前の日から稽古をしていたんだろうなと思うことがありました。あまり表面には見せないけど、相当彼は緊張してこの役を自分でイメージして作り上げてくれた」と沢田への感謝を語った。

映画「キネマの神様」は2021年8月6日(金)全国ロードショー。

©2021「キネマの神様」製作委員会

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