ブロードウェイミュージカル「IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ」の取材会及び公開ゲネプロが4月17日(土)に開催され、Micro(Def Tech)、平間壮一、林翔太、東啓介、田村芽実、石田ニコル、阪本奨悟が出席した。
傑作「ハミルトン」を生み出した天才、リン=マニュエル・ミランダの出世作で、2021年にはハリウッド映画化も決定している本作。マンハッタン北西部、移民が多く住む町・ワシントンハイツに住む人々のエネルギッシュな毎日を、ラップ、サルサ、ヒップホップとラテンのリズムに乗せて送る、ブロードウェイを変えた“奇跡”とされるミュージカルだ。
ドミニカ系移民で両親の遺した商品雑貨店を守りながらドミニカで暮らすことを夢見ている主人公のウスナビを、平間壮一と共にWキャストで演じるMicroは、7年前の初演にも出演しているが、「今回は全く違うものに生まれ変わりました。全て刷新して、これが本当の『イン・ザ・ハイツ』だと確信しています。東京公演を迎えられることが、とにかくうれしいです」と爽やかな笑み。
また、「みんなの身体能力の高さにビックリしています。演技だけではなく、歌の素晴らしさ、それぞれの粒が際立っているので、自分が頑張らなくてもみんなからのものをきっちり受ければ、ウスナビのいい所がでてくる。本当にすごいと思います」と感慨深い様子で明かした。
もう一人の主演となる平間は「皆さん、ちゃんと演じているんだけど、本人が無理なくそのキャラになれているのがすごい。この瞬間、この舞台上でワシントンハイツに住んでる人たちになれる。信頼度も高いし、ただただ仲がいいだけではなく、一人ひとり尊敬できるところをもってやれています」と自信を覗かせた。
タクシー会社で働き、経営者夫妻の娘ニーナに想いを寄せるベニーは、林と東がWキャストで演じる。林は、「初めてのWキャストを演じます。障害を乗り越えながら自分の夢を叶えるために努力している青年役」だと言い、「こういうご時世でなかなか劇場に来ることも難しかったりしますが、来てくださった皆さんに何か感じられるように、カンパニー一丸となって頑張っているところを見ていただけたら」と笑顔。
東は、「ベニーは、ワシントンハイツの中で唯一の黒人。僕らがやるとなかなか伝わりづらいかもしれないけど、林くんであり、歌の力あり、みんなの力で届けられると思う」と口にし、「地方ではWキャストが2パターンしかなかったのが、東京公演では4パターンになって、また新たな『イン・ザ・ハイツ』が見られるんじゃないかと思います」とアピールした。
ニーナ役の田村は「聴くだけで揺れる音楽や、とても明るい楽曲がある。登場人物もとても個性豊かなうえに、一人ひとりが悩みや葛藤を抱え、真正面から向き合い懸命に生きている姿が描かれています。そういったエネルギーを感じてほしいです」とニッコリ。
ウスナビが恋するヴァネッサを演じる石田は「作品に関われたことは私にとって大きく、すごくうれしいことです」と感謝し、「みんなで作る情熱を、お客様一人ひとりの心にちゃんと最後まで届けられたらいいなと思います」と意気込んだ。
ウスナビのお店で働くソニーを演じる阪本は、「地方公演を回らせていいただいて、すごいチーム感を感じ、伸び伸びとやらせていただいています。そのホーム感、温かさが届いてほしいなという思いでやっています」と打ち明けた。
今回、ラップを披露する場面が多いが、平間は「ウスナビは一番ラップが多いので、苦労しました。でもそこは、大先輩のMicroさんが教えてくださって。しんどさの中に楽しさがあり、日に日にプラスのことしか起きていなくて、こんな舞台なかなかないんじゃないかなと思います。楽しくやってます」と爽やかな笑み。
「ラップのやり方はありますか?」と聞かれたMicroは、「あります」と即答し、「70歳の方にも届くかどうか。劇場でなくても、例えばご高齢の方の施設とかでも、ちゃんと言葉がたてば、スピードが速くてもみんな聞こえるので。一言一言ちゃんと“立てていく”のが大事」と明かした。
林は、ジャニーズ事務所の先輩でラップが得意な先輩を参考にしているそうで、「自然と先輩がラップしている映像を見ちゃいます。櫻井翔くんのを見たりとか」と明かし、「最初に、Microさんから自分の声で録音して、それをオリジナルよりも速いテンポで聴いてやると覚えやすいよ、とアドバイスしていただきました」と告白。
日常でもラップ調になることもあるそうで、「発生練習する時とかに、こういう風(ラップの手振りをつけながら)にやりたくなって」と打ち明けながらそれを再現し、笑いを誘っていた。
劇中では、登場人物に宝くじが当たる描写があり、「もし宝くじがあたったら何に使いたいか?」という質問も。
Microは「次のビジネスで投資します」と答え、「(ニーナの父の)ケヴィンのセリフで、『私の頭の中には、常に投資への考えがある』というセリフが印象に残っていて。自分のためではなく、社会貢献だったりに使いたいです」と理由を。
平間は「お金は、人のために何かをするのが一番うれしいことだと思いました。自分ひとりで高い物を買っても、その喜びが分け与えられるわけでもないですし」と口にし、「今でいうとだだっ広い部屋を借りて、みんなで密にならない(形で)打ち上げができたらいいなと思います」と白い歯を見せた。
林は「両親と弟に全部あげます」と言い、「そんなに執着ないんです。自分より家族が幸せになってくれればいいかなと思います」と回答。
これまで人のために使いたいという3人の回答を受け、東は「全部自分のために使います」と言って笑いを誘い、「いい所に住むとか、リアルに貯金するかもれですね」と苦笑いしながら明かしていた。