吉岡里帆 インタビュー

――収録を終えての感想はいかがですか?

塙山キャバレーのママさんたちそれぞれの個性が…温かさと強さが相まって、本当に魅力的で、来ているお客さんも、ママたちに会いたくて来てるんだなっていうのをすごく感じました。

私も行ってみたいと思いました。みなさんとお話したら、元気を分けてもらえそうだなって。あるママが、「おいしいつまみは頑張ったら作れるけど、会話はそうはいかない。お酒の一番のツマミは会話だと思っている」と言っていて。

コロナ禍で、人との距離ができてしまうご時世だからこそ、あの言葉が印象的でした。

――ご自身でもかなり細かいところを確認しながら読んでいましたが、ナレーションを読む上で心掛けたことはありますか?

『ザ・ノンフィクション』に関しては特にですけど、ナレーションは前面に出なくていいというか、もう、この映像に出られている方々のドラマであり、メッセージがこもった映像なので、ナレーションはなるべくフラットに、と意識しています。

あとは、そこにいる人たちの、強さや弱さみたいなところはナレーションを通して共有できたらいいな、と思っていました。

今回の塙山キャバレーの女性たちは、みなさんパワフルな方々なので、芯を強く(読む)、というのは大事にしました。

――今回4回目の『ザ・ノンフィクション』となります。これまで、遺品整理人の方の物語、クズ芸人の物語も読みましたが、テーマによって臨み方も違いますか?

そうですね。事前に映像をいただいて、それを見て…、登場される方たちからもらったエネルギーで表現するというのは、できたらいいなと思います。

今回も、本当に力強い言葉といいますか、人生の教訓のような言葉たちが節々に散りばめられているんです。塙山キャバレーのママたちは、女性としてもそうですし、ひとりの人間としても本当にカッコいい人たちだな、と思いながら読みました。

――視聴者にメッセージをお願いします。

塙山キャバレーという場所があると知るだけでも、ハッとする部分があると思いますし、そこで働いていらっしゃるみなさんの、酸いも甘いも経てきているからこその言葉とか、何気ない会話の一部分に、ふっと背中を押されることがあるかもしれません。

みなさんの人生が壮絶で、そこから出てくる言葉だから、すごく説得力があるんです。いろいろなことを経ているから、こんなに強さと、悲しさを背負った言葉が出てくるんだな、って。

あるママが(後編で)話されていた「生まれ変わりとかないから」という言葉とか、衝撃的でした。でも、だからこそ、現世をしっかり生きようっていうことなんだ、と受け取れますし。今日を元気に生き抜こう、というメッセージがみなさんから伝わってきました。

ママたちに背中を押されたい方たちは、ぜひ、見てほしい、と思います。

次回、6月6日(日)は、『ザ・ノンフィクション「酒と涙と女たちの歌 ~塙山キャバレー物語~ 後編」』が放送される。