5月29日(土)、第7回「Women of Excellence Awards(ウイメン・オブ・エクセレンス・アワーズ)」の授賞式が行われ、河瀨直美監督と、仲間由紀恵が出席した。
「Women of Excellence Awards」は、長年プロフェッショナルとして実績を重ね、後進のロールモデルとして新たに道を切り拓く女性リーダーや傑出したスペシャリストを表彰するもの。
第7回となる今回は、ビジネス部門を河瀨監督が、スペシャリスト部門を仲間が受賞した。
2人は授賞式のほか、トークショーにも参加。「仕事をする上で大切にしていること」を聞かれた河瀨監督は、「優先順位。あとは待つことも大事。1人のときは自分がどんどん前に進めばよかったけど、子どもができて、“その子の時間”を待つのが大事だなと感じた」と、子育てをする中で感じたことがあったと回顧。
「子どもの世界の見え方は、私たちが見落としているものばっかり。そこから学ばせてもらう時間でしたね」と、子どもが求めている時間を共にすることで、見えてきたものがあったという。
さらに、「人生においても待って自分の中で熟す時間は大事。(行動が遅いなど)誰かと比べる必要はないです」と、キッパリと語った。
一方、「20代、30代のうちは、いただいた仕事を一生懸命がむしゃらにやっている感じだった」という仲間。近年は、家庭をもったことも影響しているようで、「限られた時間の中で、自分がどれくらいガッと愛情と情熱を捧げられるんだろうということを、一歩止まって、考えて、決断するようになりました」と、仕事をする上で大切にしているものに変化があったという。
ここで河瀨監督が、「(仲間の子どもは)双子ちゃんなんですよね」と問いかけると、仲間は「はい。その分、楽しみみたいなものはあるのかなと。最近は、2人で遊んでくれる時間も増えて、その間に家のことをやって。成長とともに、また変わるのかな」と、母親の顔でうれしそうに語っていた。
さらに、河瀨監督が17歳になる自身の息子を映画「朝が来る」の現場で、照明のスタッフとして働かせていた話。仲間は現場でメイクや衣装を着ることもあり、以前は「あ、顔も洗ってなかった」という状態で家を出ることもあったという意外な話など、トークショーは、盛りだくさんの内容となった。
最後に「もし2人でタッグを組むならどんな作品がいい?」という質問が。河瀨監督は「私が女優の役で、仲間さんが監督の役はどうですか?」と冗談っぽく提案すると、仲間は「逆がいいな~(笑)」と返し、笑いが起こる。
そして、共に南国育ちという共通点から、河瀨監督が改めて「おおらかな海洋の文化の中で、命を見つめるというのはいいかも」と提案すると、「ステキです!」と仲間も今度は乗り気に。
続けて「お母さんになった由紀恵ちゃんを、じっくりと、海の中で…」と、構想を語る河瀨監督に、仲間は「海の中ですか!?覚悟がいる作品になりそうですね(笑)」と笑った。