『レンアイ漫画家』第9話完全版
刈部清一郎(鈴木亮平)と久遠あいこ(吉岡里帆)のキスを目撃してしまった早瀬剛(竜星涼)は衝撃を隠せないでいた。
二階堂藤悟(眞栄田郷敦)の店で、向後達也(片岡愛之助)と金條可憐(木南晴夏)に報告する早瀬。あの2人がキス、それも清一郎から、ということに驚く一同。レン(岩田琉聖)も聞いていた。
刈部家の食卓では清一郎とあいこが互いを意識しすぎて、ぎこちない。そんな2人に「お付き合いしてるんですか」と単刀直入に聞くレンだが、2人は慌てて誤魔化す。
清一郎はレンに説明しようと思うが、そもそも「付き合う」とはどういう意味なのか、堂々巡りの思考に陥ってしまう。結局、清一郎がなんとかできたことは、あいこに今描いている原稿を書き上げたら「食事に行かないか」と尋ねることだった。
一方、編集部に戻った向後はSNSで「銀天」をエゴサしていると、炎上騒ぎになっていた。「悲報、刈部まりあはおっさん」など、清一郎の画像つきで拡散されている。動揺する向後。炎上騒動を知った可憐と早瀬は刈部家へ行き、あいこに事情を話す。
その頃、向後は山田編集長(林和義)と炎上への対策を検討していた。そこへ「銀天」が日本漫画大賞を獲得したと連絡が入る。清一郎に黙って応募してしまった上、この炎上騒動、賞は辞退するしかないという向後だったが、編集長から「炎上を逆手にとれ」と言われてしまった。
刈部家の前には野次馬が集まって来る。あいこと可憐は、原稿を描き上げた清一郎に知られないよう必死。玄関前で早瀬が野次馬の対処をしていると、やって来た向後も加勢して追い払う。
人々が去った後に、踏みつけられた「銀天」の単行本を向後が拾おうとするより先に手を伸ばしたのは清一郎だった。
ついに騒動を知った清一郎は激しく落ち込む。そんな清一郎に、向後は日本漫画大賞受賞を打ち明ける。すると、清一郎は向後まで「銀天」をけなすのかと怒ってしまった。あいこすら拒絶する清一郎は、1週間も部屋に閉じこもってしまい…。
向後は清一郎に、もう一度向き合うことを決意。清一郎が初めて漫画を編集部に持ち込んだ時から作品に引き込まれてしまい、その後の苦労を一緒に乗り越えて来れたことを向後は感謝する。
清一郎があいこやレンと暮らし始めて、漫画から離れてしまうのではないかという不安を抱いたことも打ち明ける。「銀天」を守るため、清一郎を漫画に引き留めるために日本漫画対大賞にエントリーしたと告げる向後。だが、向後はそれが間違っていて、清一郎を傷つけてしまったと謝罪した。
また、清一郎が落ち込んでいるのは、正体がバレたことではなく、作品を愛してくれていると思っていた読者に裏切られたと思っているからではないかと話す。向後は騒いでいるのは炎上に乗っかったヤツらだけだと言い、相手にする必要はないと訴える。
そして、日本漫画大賞は辞退して、「銀天」はしばらく休載にしようと告げて向後は去った。
その頃、あいこは二階堂に呼び出され、清一郎の正体をバラしたのが伊藤由奈(小西桜子)だと頭を下げていた。二階堂のあいこへの思いを知った由奈の嫉妬がその行動をさせていた。
自分は何をされても良いが、清一郎に酷いことをするのは違うのではないかと怒るあいこ。だが、あいこは気づいてしまう。もしかすると、清一郎を苦しめているのは自分ではないかと…。
一方、二階堂は刈部邸を訪ねて清一郎に謝罪。そして、二階堂はあいこが責任を感じて傷ついているだろうと清一郎に教えた。
日本漫画大賞の授賞式が始まった。向後は清一郎に告げた通り、辞退を発表しようとする。その時、清一郎が現れた。壇上に立った清一郎は、自分が“刈部まりあ”だと名乗り、「銀天」への思いを話しだす。
作品は担当編集の向後と愛してくれる読者のものだと感謝する清一郎は、賞を受け取った。また、愛とは無縁だと思ってレンアイ漫画を描き続けた自分にも、愛があると気づかせてくれた人もいると告げる清一郎。その視線の先には、あいこが立っていた。
帰り道、清一郎は改めてあいこに、「自分たちは付き合っているのか?」と聞く。あいこが口ごもると、清一郎はまたしても“付き合う”の意味で混乱してしまう。“付き合う”の意味は「自分たちで作らないか?」と言うあいこを抱き寄せた清一郎は、キスをして…。