「もしも売れない漫画家が殺人犯の顔を見てしまったら?しかも、その顔を“キャラクター”化して漫画を描いて売れてしまったら」。そんなアイデアを基軸に漫画家と殺人鬼の交錯する運命が描かれる映画「キャラクター」。

本作で、主人公の漫画家・山城を演じる菅田将暉のインタビューが解禁された。

映画・ドラマ・音楽、その他さまざまな場で躍進し、人々を魅了し続ける菅田。俳優として数々の役柄をこなしてきた印象だが、本作で演じるのは漫画家で、意外にも本作のようなミステリーやサイコホラー要素が入ったジャンルは初めてだという。

昨年1度目の緊急事態宣言解除後、菅田自身最初の映画の撮影となり、コロナ禍の緊張感がある現場で、菅田は山城という漫画家を悩みながら演じたと話していた。

完成した作品を見た菅田は、「山城は、良くある映画の主人公っぽくない主人公。地味だし、自分から派手な動きをしない。だからこそ、そんな人物を中心にいろんな物事が目まぐるしく動いていく。自分が関わっていないシーンがとてつもなくカッコ良かったし、ワクワクしました」と振り返る。

加えて、「今回は、引き算の芝居に徹底しようと思ってやっていたんですよ。漫画家として1個夢を諦めたあとの徒労感の中に生きていて、それでも自分が真摯に向き合えて表現できるのは漫画だけ、というキャラクターだったので」と、山城を演じるにあたってのアプローチの仕方について話した。

撮影時にも「アイデンティティが足りないことで悩む山城のように、『面白くいたい』、『より充実していたい』という欲が人間にはあるから、人に甘えられなく、どんどん孤独になっていく。観てくれた人の中にもそういうことを考える人がいっぱいいると思うので、そこが伝わればいいかなと思いました」と話していたという。

そして、「行き切れない人間は、劣等感があると思うんです。だからこそ山城のように、『自分にはそこがないんだな』と思っていた人間が行き切っちゃう瞬間、ドライな怖さというのが、山城を演じているなかであって。これは今までにないな、それがうまいこと伝わっていたらいいなというのが願いでしたね」と、根底にあるメッセージにも触れた。

自分自身が発信者である時代において、あらゆる場面で“個性(キャラクター)”が求められるが、そのような時代の中で「人からつまらないって言われようと、生きてさえいればいいと思うんです」と菅田は述べており、この菅田の言葉に救われる人も数多くいるだろう。

菅田が伝えたかったメッセージを届けるため、新たなアプローチで挑んだ映画「キャラクター」は、6月11日(金)よりロードショー。

©2021 映画「キャラクター」製作委員会
配給:東宝

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