視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
6月15日(火)放送回では、「花屋みたて」店主・西山美華に密着した。
京都市北区の、古い町屋が並ぶ一角に店を構える「花屋みたて」。一般的な生花店は、1年中咲くようにハウス栽培された花を扱うのに対し、「花屋みたて」では、野や山に咲く野生の花を専門にしている。
毎月彼女が選んだ花が届く宅配サービスも人気で、京都のみならず全国にファンを持つ。「見るだけじゃなく食べたくなる」「花になりたい」と語るほどに、花が好きな「花屋みたて」店主・西山美華の7つのルールとは。
ルール①:花束はつくらない
2013年、京都にオープンした「花屋みたて」では、お客さん1人1人の好みを知るために、完全予約制をとっており、接客は1組あたり平均1時間かけている。
「花屋みたて」では、花束のオーダーを受けていない。理由について彼女は「花というのは葉っぱもあって、茎もあって、根っこもあって、お花なんです。束にしてしまうと花びらの部分しか見えないし、1本1本を主役にさせてあげたい」と、こだわりを口にした。
ルール②:仕入れる花はお任せで送ってもらう
暇を見つけると、花を摘ませてもらうために友人の畑へと足を運ぶ。すると、彼女はおもむろに花を食べ始め、「子どものころから蜜が大好きでした」と花を食べる習性があることを明かした。
広島市内で生まれ、物心ついたときから花を食べてしまうほどに“花好き”だった彼女は、大阪の大学を卒業すると、憧れだった大手の生花店に就職。しかし、一年中咲く、同じ姿に仕立てられた花に違和感を感じ、30歳を節目に夫と「花屋みたて」をオープンした。
花の仕入れは週に1度、山を持っている方からそのときに咲いているものを送ってもらうなど、お任せで発注している。お客さんに「その季節に咲いている花を見てほしい」という思いがあり、「花を売るよりは、季節を売る仕事がしたい」と心中を語った。
スタジオでは、「普段から花を購入するか?」という話になり、長濱ねるは「買いますね」と返答。カーネーションを買うときには「20本くらいあっても、何も選ばずに一番前のものを手に取る」と、長濱がこだわりのなさを口にすると、YOUは顔を隠すリアクションをとった。
また「花は、ときどき家に買って帰ることがある」と話す、ゲストの赤江珠緒は「花を飾ると、自然とその周りを片付けてしまう」と、意外な気付きがあったことを紹介した。
ルール③:料理は毎日 親子で作る
店のオープンと同じ年に生まれた、西山家の長男・万作(まんさく)くんは、学校帰りは店に立ち寄り、お手伝いをしながら母を待つ。
閉店後、自宅に帰った彼女が晩ご飯を作り始めると、万作くんも料理を手伝い、見事な包丁さばきを見せた。「自分で作り出せないものはない」という親心で、2歳のころから一緒に料理を作り始めたという。
料理が完成すると、庭に咲く草花を料理に添えて、食卓に彩を加えた。
スタジオでは、万作くんの行動について「なんなんですか」(YOU)、「これまでのルール、2つくらい忘れちゃいました」(尾崎世界観)と、感嘆の声が上がった。
子どものペースに合わせられる西山ついて、赤江は「花を咲かせるのもそうですし、自分のペースじゃなく、待つ時間も含めてのお仕事をされてますからね」と、その忍耐力を称賛。このルールに、YOUは「衝撃的セブンルール」と名付け、笑いを誘った。
ルール④:花は花瓶に生けない
休日、彼女が足を運んだのは、骨董品屋。普通に売っている花器ではなく、竹筒や調味料受け、鉄の管などに花を生ける。
「出会うはずのないものと出会うはずのないものが出会ったとき、新しいものが生まれる。それってすごい大発見」と、骨董品を手に取り生ける花を想像し、楽しんでいる様子を見せた。
スタジオでは、青木崇高が「器がすごく好きでしたね。配管に生けるのもグッときますし、ああいうものに生けられるかどうかも自分の心次第じゃないですか」と振り返った。すると尾崎は、スタジオの緑を指差し「あれ(西山の生花)を見たあとだと、心なしか元気なさそうに見える」と指摘した。
ルール⑤:年に1度 お客さんの庭を見に行く
年に数件ながら、庭づくりの依頼も受けている彼女が、この日訪ねたのは馴染み客の自宅。
自分が作った庭のメンテナンスに年に1度は出向いているが、その際に料金は受け取っていない。「庭が見たいし、どんな感じで庭を愛でてくれているのかを確認したい」と話す彼女は、花のためには労をいとわない。
ルール⑥:自宅の花は30秒で生ける
毎朝、彼女は庭に咲く花を生ける。しかし、そこにかける時間は約30秒。
「テーブルの上に置いておくだけでも、生けることと一緒だし、庭の葉っぱを摘んできて並べるだけでも、葉っぱの形や大きさを楽しめる」と、微笑んだ。
ルール⑦:「いただきます」の気持ちで花を摘む
5月上旬、父に作ってもらった花車を使って、万作くんが「花屋みたて」の店先で花を販売し始めた。店で仕入れた花を譲ってもらい、売っているという。
万作くんは、1本10円という値段を想定していたが、「安すぎたから」と1本100円で販売することになった。花車にお客さんの行列ができると、母は「幸せですね」と、笑みを浮かべた。
「小さいときに見たお花の香りとか景色を自分は求めていて、そこに戻りたいというか」と、気持ちを吐き出した彼女。花を摘むときには決まって「いただきます」と口にする。そこには、自然に育ってきたものに「その場から切ってごめんね」という思いと共に、「最後までちゃんと愛でてあげる」という気持ちがあることを説明した。
スタジオでは、尾崎が「花ってキレイな反面、生きている感じがグッと入ってくるから怖いなと思うことがあって…」と話すと、YOUは「急にとんでもない姿で枯れたりすることもあるし、怖いよね」と同意した。
万作くんについて「有力な後継候補ですね」と絶賛する赤江に、YOUが「子どもの将来について」尋ねた。赤江は「『アナウンサーになりたい』と言ったら止めますね」と断言。その理由を「見る人の評価によって左右されて、正解がよく分からない中でジャッジされる仕事よりも、腕が見せられる職人さんの道を進んでほしい」と明かし、親心をのぞかせた。
※記事内、敬称略。
6月22日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、東京・世田谷区の池ノ上駅近くで、開店前から行列ができるパン屋さん「étéco bread」を営む梶原夏子に密着。
人気の秘密は、パン職人の夫と二人三脚で作り上げる、たっぷり具材とおとぎ話のような美しさを合わせ持つここにしかないパン。「誰かの力になれるパンを作りたい」と願い、新たな味を模索し続ける彼女の7つのルールとは。