「こういう人こそ報われてほしい」主人公に向けたまなざし

 

 

――樹が自分の気持ちに気づいていく過程が丁寧に描かれているので、感情移入してグッとくる人もいるのではと思います。

回を増すごとにどんどん泣ける展開になっていきますよ(笑)。私ははっきりと言いたいことは伝えてしまうタイプですけれど、全ては言わずに自分の中で勝手に結論を出すところもあるので、樹が気持ちを抑えてしまうところや、自分の気持ちを相手に伝えることに臆病になるところにはすごく共感します。

でも、その臆病さは性格というよりも、年齢を重ねたことで「好きなだけはどうにもならない」ということを経験してきたからこその優しさでもあると思います。無邪気に何かを言えなくなるというのはよくわかるし、若ければ勢いに任せて言ってしまうこともあるんだろうけれど、そこを飲み込んだり、「大人にならなくちゃ」と思ったり。

自分で自分を評価すると、実は全然大人になれていないと思うところも積み重なっていく…同世代の方だったら余計に共感してもらえるのではないかと思います。樹は本当に真っすぐで、ずるいところのない素敵な人だけれど、それがゆえに一歩引いて譲ってしまうところもあります。こういう人こそ報われてほしいですよね。

――このドラマをどんな人に見てもらいたいですか?

樹と恋愛をする3人の男性はそれぞれ、20代、30代、40代と年代もタイプも違います。いろいろな恋愛のテイストが楽しめるので、どの世代の方にも見ていただけると思います。キュンキュンしたりドキドキするだけではない切なさもあり、それぞれの気持ちの動きがしっかりと描かれている大人の恋愛ドラマになっています。今、恋愛している人も、過去に恋愛をしていた人も、これから恋愛をするであろう人にもぜひ見てほしいです。

 

 

撮影:河井彩美

次回連載では、安達さんの“好きなもの”をテーマに、ライフスタイルに迫ります。