<岩崎太整 コメント>

野木亜紀子さんの脚本は、作品ごとに千変万化しながらも、常に秘匿(ひとく)された真実を探り続けているように感じます。

ときに軽妙に、ときに重厚に、人々が見落としたり、気づかないふりをしたりするような暗がりを丁寧に照らし、その存在を伝える。

「物語」が本来的に担うべきものを、いつもあらためて気づかせてくれます。

かつて、脚本家のチャーリー・カウフマンは、講演の中で「脚本とは探索であり、深淵へ踏み出すことでもある。テンプレートなどないし、あってはならない」と語りました。

野木さん、北野(拓)プロデューサー、高野舞さんをはじめとする演出陣、そして素晴らしい俳優のみなさんが、試行錯誤を重ねながら手探りで辿(たど)り着いた新しい物語に、音楽でほんの少し彩りを添えられることを、とても幸せに思います。