<藤井亮 コメント>

ドラマのポスタービジュアルは、作品そのものより先に人の目に触れることも多い、いわば作品の“入り口”であり“お店の看板”のようなものだと思っています。

その入り口で、うっかりお客さんを引き返させてしまうようなことがあってはいけない。そんな緊張する仕事です。

お店の中身がダメならば、「看板に偽りあり」と言われるのも覚悟で、せめて看板くらいは良く見せておこう…と、ある意味気楽に構えられるのですが、今回はなんといっても野木さんの脚本で、キャストもスタッフもこれ以上ない布陣です。

これで「入り口の看板のせいで、そっぽを向かれてしまったらどうしよう」と、普段、自分の作品のビジュアルを作るとき以上に緊張しました。

そんなわけで、このドラマの世界を一枚の絵でどう表現するか、とても悩みました。

政治の世界を扱った物語ではありますが、政治色を前面に出しすぎると、ドラマへの敷居を高くしてしまうので避けたい。

そこは、僕も野木さんも北野プロデューサーも同じ意見でした。

そして“ルパン”とはいえ、派手なアクション作品に見えてしまっても違う。目指したのは、あくまで“ポリティカルなルパン”です。

やはり、根っこにあるのは「お金」の物語なので、あれこれ考えているうちに、ふと頭に浮かんだのが「札束風呂」でした。

もちろん、そのままやれば成金感満載で、ギャグ寄りの生々しい絵になってしまう。

でも、これをもっと壮大にして、華やかさと、このドラマの持つスケール感を同時に出せないか。そう考えて提案したのが、今回の「札束プール」のビジュアルです。

国の隠れた莫大(ばくだい)な金が、そっくりそのままひとつのプールに流れ込んだような世界。その中で、それぞれのキャラクターが「お金」というものにどう向き合うのか。

表情やポーズからいろいろ想像しながら、ドラマへの期待を膨らませてもらえたら嬉(うれ)しいです。

今回は、キービジュアルだけでなく、オープニング映像や小道具の一部など、作品のさまざまな部分に関わらせていただきました。

野木さんの脚本と、素晴らしいキャスト・スタッフのみなさんが作るこの世界の一端を担えたことを、とても嬉(うれ)しく思っています。