7人組アイドルグループFRUITS ZIPPERの鎮西さんが主演を務めるホラー映画『だぁれかさんとアソぼ?』が2026年7月24日(金)に公開。Jホラーの巨匠・清水監督による“恐怖の作り方”の条件や劇場版『呪怨』の“とある名シーン”の誕生秘話も語ってくれました。
「えっどうした?この人?」その場で“恐怖の作り方”を実演
――ホラー作品では数々の幽霊や化け物などが登場しますが、ここだけは外せない“恐怖の作り方”の条件を教えてください。
1つ目は先ほども少し話しましたが、『日常の風景から入る』ですかね。いきなり最初から誰もが出くわしたことのない状況や、「え?こんな人いるの?」という人間同士が登場すると、作品に入りづらくなってしまいます。
例えば、こたつに入っていると家族と足がぶつかってしまうことは、日本人にはごく普通の体験です。劇場版『呪怨2』には、寝ているお母さんと主人公の足がぶつかるシーンがありますが、次の瞬間「え?でも、最近お母さん亡くなったはず…」と主人公は気が付く。日常を知っているからこそ、この場面に恐怖を感じるじゃないですか。でも、海外の人はこたつの概念がないので、ピンとこなかったりする。文化を考えると感覚的な怖さが異なるので、日常から入ろうと思っています。
2つ目は『違和感の積み重ね』。
「あれ今変な音したな?」とか、普段起こらない ちょっとした違和感とか……ちょっとした違和感とか……ちょっとした違和感とか……ちょっとした違和感とか……。今のこの瞬間が違和感じゃないですか。「えっどうした?この人?同じセリフ繰り返し始めたけど…」みたいな感じですかね。
3つ目に『ポジティブな言葉を真逆に持っていく』です。良い言葉や優しい言葉、かわいいモノなど、真逆なものを恐怖へと持っていくことが好きで。カワイイと感じていたもの、素晴らしいと思ってたものが違って見えてくるみたいな…。
例えば、加山雄三さんの『君といつまでも』という楽曲で「僕は死ぬまで君を離さないぞ、いいだろ」というセリフがあって、「いいだろ いいだろ いいだろ(段々声を大きくして)」と3回言ったらもう怖くなる。「ずっと一緒だよ」とか、そういう誰もがうっとりしそうな言葉を、あえて使うこともします。
あと、本当はコメディー作品を撮りたいくらいお笑いが好きなんです。コントや漫才を見ていると、「あ!これはひっくり返せば怖さになる」とか、僕の中でそこは紙一重で。
『男はつらいよ』の寅さんを見ていてもそう感じることがあり、「いい人だね…って本当に思ってる?」と勝手に想像しちゃう。「こんな笑顔のこの人が…」と思ってしまいます。
実は怖がりだった!?想像力の豊かさで映画『呪怨』名シーンが誕生
恐怖と何度も向き合ってきた清水監督でしたが、中学生くらいまでは「ホラー映画なんてなんでわざわざ見る?見たい人がいるの?」と、実は怖がりだったといいます。
――当時は怖がりだったのにも関わらず、どのようなきっかけでホラー映画を作っていくことになったのでしょうか?
当時、レンタルビデオが普及していて、怖いのは一人で見られないので友達の家に集まって見る機会がありました。「なんでこんなの見たいの」と言いながら見ているうちにだんだんと慣れてきて、楽しめるようになりましたね。
気が付いたら、僕が子供の時に想像してたことの方がよっぽど怖いかもしれないと思うように。
――ご自身の頭の中に想像していたことが作品に反映されたことも?
想像力は豊かだったので、それがほぼ『呪怨』シリーズのネタにもなっています。
僕は暑くても布団をかぶって怖がっている子供だったので、寝ていても「昼間たまたま見ちゃった、あの幽霊が壁からすり抜ける…ということは、こんな布団なんか平気で入ってくるじゃん!」と思ったら、もう布団の中に幽霊が来るのを想像していました。その描写は劇場版『呪怨』で実際に使っています。
なので、怖がりなモードに入った状態や、童心に帰れた時の方がアイデアが出てくることもあります。
――最後に、今後の日本のホラー映画はどう変わっていくのか教えてください。
もう変わってきていると考えます。
僕は『日本ホラー映画大賞』の選考委員長をさせていただいているのですが、ホラーだけでなく、学生映画祭なども全日見に行くぐらい好きなんです。明らかに僕の世代とは視点が違ったり、発想が新しかったりするので刺激を受けています。最近だと、ホラー映画『チルド』の監督・岩崎裕介さんは普段CMを撮っているのですが、短編も面白かったし、この人出てくるぞって。他にも、僕には真似できないような才気あふれる作り手がたくさん出てきています。
僕も置いていかれないようにとは思いましたが、気をつけなければいけないのは、おじさんが無理をしても、できないものはできないので(笑)。 そこは新しい人に任せつつ、楽しみつつですかね。
自身の想像力に加えて、新たなホラージャンルの発想も吸収していく清水監督。“怖がり”の目線になり、恐怖をさらにアップデートさせた今作に注目です。
撮影:河井彩美
【作品概要】
『だぁれかさんとアソぼ?』
出演:鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)
星乃あんな、大西利空
向井怜衣、小國舞羽、室はんな
マキタスポーツ(友情出演)/オクイシュージ、菜 葉 菜、染谷隼生/穂紫朋子
染谷将太
監督:清水崇
原案・脚本:角田ルミ 清水崇
制作プロダクション:ダーウィン
制作協力:松竹撮影所
配給:松竹
公開日:2026年7月24日(金)
©️2026「だぁれかさんとアソぼ?」製作委員会
