『あたりのキッチン!』第9話に登場する料理を紹介します。

12月9日(土)、桜田ひよりさん主演の土ドラ『あたりのキッチン!』(東海テレビ・フジテレビ系)第9話が放送されます。

本作は、自身の味覚に絶対の自信があり料理が得意なものの、コミュニケーション能力ゼロの大学3年生・辺清美(あたり・きよみ/桜田)が主人公。

「就活を前に自分を変えたい!」と定食屋さんでアルバイトを始めたことで、料理を通じて周囲の人たちと気持ちを通わせていくハートフル“グルメ”ドラマです。

清美が働く定食屋さん「阿吽」の店主・中江善次郎を渡部篤郎さんが、善次郎の一人息子で、父親に素直になれずお互いに壁を感じている高校生・中江清正を窪塚愛流さん、清美と同じ大学に通う医学生・鈴代桜を工藤美桜さんと、華やかなキャストが作品を彩ります。

左から)中江善次郎(渡部篤郎)、辺清美(桜田ひより)

第9話では、11歳の男の子が登場。一流料理店「和食おおそね」の料理長の息子・樹(森島律斗)で、なぜか清美(桜田ひより)にプロポーズをするという展開に…。

そんなドラマに登場する料理のポイントを、放送に合わせて毎週紹介!

ドラマの料理監修を担当しているのは、東京・恵比寿の名店「賛否両論」の笠原将弘さん。笠原さんならではのアドバイスも加わった、ここでしか見られないレシピです。

第9膳 子ども向けと侮れない「スパイシーお子様カレー」

「子どもの味覚に合わせると、どうしてもお父さんが満足してくれなくて」と、今日もどこかの家庭で起きているに違いない「カレーの辛さをどうするか」問題。

そこで清美が選ぶのは、本来カレーに使われるスパイスではなく、別のスパイスで爽やかな辛さを目指す、という方法。

このレシピなら、大人も満足できる辛さがありつつ、子どもでも食べられるカレーにできるはず。

ポイント① スパイスは辛みが残らないものをチョイス

唐辛子やガラムマサラなど、カレー味を構成するスパイスは、いつまでも辛さが舌に残るものが多い。

そこで今回は、しょうがとにんにく、七味唐辛子とあらびきコショウでピリッとさせつつも、後味が爽やかな調味料をセレクト。

また、唐辛子は刻まずに丸ごと鍋に入れ、煮立った段階で取り除くと、ほど良い辛さに仕上がります。

ポイント② 市販のカレールーは、いつもの半量で

もちろん、しょうがやにんにくだけではカレー味にはならないので、市販のカレールーも使用します。

ただし、今回選んだスパイスの風味を引き立たせるため、使うのは普段の半量でOK。また、火を止める直前にバターを混ぜ入れると辛みがやわらぎ、人気のバターチキンカレーのようなまろやかな味わいになります。

レシピの詳細は、番組サイト公式Instagramで。

笠原将弘のもうひと手間!

ご家庭で食べるカレーの辛さをどうするかは、悩ましい問題ですよね。清美さんが選んだスパイス以外だと、粉さんしょうやカルダモンが合うでしょうか。

スパイスではないけれど、みそも結構マッチすると思います。また、しょうゆとみりんを少量加えると味に深みが出るので、辛さを補うことができるかもしれません。

一方で、「やっぱりもう少し辛さがほしい」という方は、柚子こしょうを加えるとパンチの効いた辛さに仕上がります。

笠原将弘

善次郎の生きざまを表現!こだわりの「阿吽」セット

『あたりのキッチン!』の舞台である定食屋さん「阿吽」。

「ぜひ一度食べに行きたい」といった声も多いのですが、実際のお店ではなくセットを組んで撮影を行っています。

そこで重要になるのが、アートコーディネーター(美術)の仕事。今回は、この道30年のベテラン、フジアールの平田貴幸さんに、定食屋さんの雰囲気を出すため、「阿吽」のセットでこだわった部分について聞きました。

「『阿吽』は街の商店街にある、ごく普通の定食屋さん。そして、1年前までは夫婦二人で営んでいましたが、奥さんが亡くなってからは善次郎一人で店を切り盛りしている…という設定です。ただ、どこにでもある定食屋さんとは少し趣向を変えたいと思いました。その理由は、善次郎の経歴にあります」と平田さん。

第9話で明らかにされるのですが、善次郎は、かつて料亭で修行をしていたこともある料理人だったのです。厨房に立つ際、必ず白い調理服を身にまとうのも、そうした経歴を考えるとうなずけます。

「店内のあちこちに、そうした善次郎の経歴を匂わせる要素を盛り込んでいます」と平田さん。

例えば、壁のお品書き。細長く切った模造紙にサインペンで料理名を書くのが定番ですが、「阿吽」では木の板に毛筆で書かれています。「定番メニューが木の板で、季節限定のおススメ料理は和紙に書いています」とのこと。

テーブルに置かれたメニュー表やショップカードには和紙を使用。そもそも「阿吽」のロゴも、ちょっとおしゃれな和食店のような雰囲気を醸し出しています。

「そうした部分に、料亭出身の善次郎らしさを表現しつつ、品書きに書かれた価格を見ると、どれも1000円以下に収まっています。このあたりには、お客さまを思う善次郎の気持ちを表現しました」。

また、「阿吽」の二階には、善次郎と清正の部屋があり、厨房の隣には居間があります。住居部分と店がつながっている造りにしたのにも、理由があるといいます。

「例えば、厨房で働く善次郎を、清正が居間から見つめるといったシーンなど、撮影のバリエーションも増えるので、こういう造りにしました」。

そして平田さんが特にこだわったのが、住居部分に残る善次郎の妻・朋子(西尾まり)の面影なのだとか。

「住居部分にも簡単な台所があるのですが、そこには父子二人暮らしには似つかわしくない、ピンクのフライパンが置かれています。これは、善次郎の奥さんが生前に愛用していたものという設定です。奥さんが亡くなって、まだ1年。まだ心の整理がついていないだろうし、そういうものを処分する父子ではないということですね」。

改めて居間を見ると、フライパンどころか大きな鏡台もそのまま残っています。「阿吽」のセットには、善次郎のこれまでの人生や家族への思い、料理に対する姿勢などが見事に反映されていました。

土ドラ『あたりのキッチン!』第9話は、12月9日(土)23時40分より、東海テレビ・フジテレビ系で放送されます。

<第9膳 あらすじ>

ある日、「阿吽」に一人の小学生がやって来る。彼は一流料理店「和食おおそね」の料理長の息子・樹(森島律斗)だった。

清美(桜田ひより)が作った、まかないの肉じゃがに惚れ込んだ樹は「僕と結婚してください!」「こんな定食屋でなく、おおそねで修行してほしい」と清美に懇願する。

樹の物言いが気に入らない清正(窪塚愛流)は、思わず「俺がおおそねの味を超える料理を作ってみせる」と言ってしまい、善次郎(渡部篤郎)に咎められるが…。

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